更新日:2021年1月28日(木)
イエレン・パウエル体制となって初のFOMC。パンデミックの影響で経済と雇用の回復ペースが鈍化し、ワクチン次第で今後の状況も左右されることを声明文にも明記し、パウエル議長会見では回復への道のりは長く、非常に不透明であることにも言及。若干の警戒感もくすぶりつつあったテーパリングについては議論すら「時期尚早」と一蹴。
また、ゲームストップ株などの異常な急騰ぶりに関してはコメントを避けながらも、金融政策が資産価格高騰に一定の影響を与えていることも、要はバブルの兆しを認めるような発言も。
行き過ぎた株高とテーパータントラム再来を警戒するように、パウエル議長会見ともに株価の下落も急速に進行。米主要3指数は揃って2%超の下落となり、S&P500は3ヵ月ぶりの大幅安。
これに伴い、VIX指数も10月末以来、3ヵ月ぶり高値水準となる37ポイント台へと急騰。
リスク回避の株安・ドル高の流れとなって金も売られる展開となりました。
なお、米商務省がこの日発表した12月の耐久財受注では、民間の設備投資の先行指標とされるコア受注(航空機を除く非国防資本財)が8ヵ月連続で前月比プラスとなり、製造業での設備投資の改善が進行していることが示されています。
金額ベースでは770億9200万ドル(季節調整前)となり、2012年3月(77630)以来、8年10ヵ月ぶりの高水準となっています。
前年比では+11.05%となり、2018年7月(+12.59%)以来、2年5ヵ月ぶりの高水準。
金融危機のピーク時と同じくらいの失業者が存在する反面、セクターによっては数年ぶりの好調期を迎えているケースもあり、回復状況の格差も拡大しています。
緩和継続期待、財政出動期待が強まる反面、一部ではバブル懸念も高まるチグハグな状況が続きます。
27日のNY金相場は-6.0ドル、0.32%安となって5日続落。5日続落は昨年4月末以来、9ヵ月ぶり。5日合計の下落幅は21.6ドル、6日前の20日の上昇幅26.3ドルの8割強。FOMC前に売り優勢の展開となってNY朝には一時1830ドル割れ、しかし1820ドル台の節目でしっかりサポートされると1840ドル台へと急反発。200日移動平均線(1850.7)がサポートから抵抗線へと切り替わった可能性も否定はできないものの、日足レベルでは下げ渋る様相にも。ただ、FOMC後の株安・ドル高の流れに押されてNY引け後には1840ドル割れへと軟調気味に。早期に200日線超を回復できなければ徐々に下値警戒感が強まる展開にも、1820ドル台の節目維持をかけた攻防へ。この水準を割れるようだと一段安へ、11月末安値圏となる1780ドル台までが当面の下値目安に。
NYプラチナは-28.4ドル、2.56%の大幅反落。ロンドン市場で1100ドルを割れるとNY朝にかけては金に追随する形で1070ドル割れへと急落。一度は1080ドル台まで反発も、サポート水準となっていた1080ドル台がレジスタンスに切り替わった可能性を示唆するように、NY引け後のFOMCを経てパウエルFRB議長会見時に株安急進となった流れにも追随、再び1070ドル割れへと戻り売り。高値保ち合い下放れの構図となり、短期的にはもう一段の下値トライ継続の可能性。終値ベースでの今年安値圏1040ドル近辺までが当面の下値目安に。
ドル円は50銭余りのドル高円安、0.5%の反発で1月11日(104.22)以来、半月ぶりの高値。欧州時間から徐々にリスク回避の株安・ドル高の流れとなり、NY朝には104円台へ。FOMC前には104円付近で小康状態、FOMC後の株安局面では104円20銭近辺まで上昇。今朝の東京市場では急落した株価は戻りを試す展開ながら、ドル高の流れが続いて104円30銭台をうかがう展開にも。20日移動平均線(103.63)にサポートされ、短期保ち合い上限104円ちょうど付近を上抜けたことで、もう一段上値を試しに行く可能性。90日移動平均線(104.37)を上抜けることができれば105円トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/27終値とチャート
28日の国内金価格は-2円、0.03%の小幅安で5日続落。5日続落は昨年11月末以来、2ヵ月ぶり。5日合計で82円下落し、5日前の21日の上昇幅76円を帳消し。軟調な展開は続くものの、6620円台から6800円までの広めのレンジ半ばで下げ渋る状態にもなり、FOMCも無事通過したことなどから目先は広めのレンジを維持する展開にも。地合い回復に向けては21日移動平均線(6800)を超えてレンジ上方ブレイクが必要にも。そうなればさらに一段高の展開で90日移動平均線(6900)付近が目標にも。
プラチナ価格は-72円、1.82%の大幅安で4日続落。下げ渋っていた3940円の節目水準を維持し切れず、これを割り込んでの急落。1ヵ月半ぶりに21日移動平均線(3889)も下抜け、短期的には下値トライの流れが急速に進行。当面の下値目安は1月半ば安値圏、トリプルトップのネックラインにも相当する3820円前後まで。短期的にはこの水準がサポートにもなりやすいことが想定されるものの、ここで下げ止まらない場合にはトリプルトップ完成。トリプルトップの値幅224円分さらに下落した場合の水準は3595円。中期的には3600円割れを試しに行く可能性も否定できないことにも。
※参考:金プラチナ国内価格1/28とチャート
2021年1月28日(木)時点の相場
国内金:6,719 円 1/28(木) ▼2(0.03%)
国内プラチナ:3,874 円 1/28(木) ▼72(1.82%)
NY金:1,844.9 ドル 1/27(水) ▼6.0(0.32%)
NYプラチナ:1,079.0 ドル 1/27(水) ▼28.4(2.56%)
ドル円:104.13 円 1/27(水) ▲0.52(0.50%)
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