更新日:2021年4月21日(水)
NY金とドル円の90日間相関係数は3月後半以降-0.9を超え、足下では-0.916台。逆相関関係はほぼMAX状態での推移が続きます。
NY金は今年、年初の1月6日に1962.5ドルの高値をつけて3月8日には1673.3ドルの安値まで下落。3月末に再びほぼ同水準の安値をつけ、二番底をつける形で4月は反発基調へ。4月16日には今年高値から安値の38.2%戻し(1783.8)を達成。
一方、ドル円の今年は年初1月5日に102円60銭のドル安円高水準を記録、3月31日の110円90銭台のドル高円安水準まで、ほぼ一方的にドル高円安の流れが続きました。反転した4月は20日までに108円割れ、今朝の東京市場では一時107円80銭台まで下げる場面もありました。今年安値から高値の38.2%戻し(107円77銭)に急接近中。
NY金もドル円も、トレンド転換後の戻り局面、調整局面では程良い水準とも言える38.2%戻しをほぼ達成。
戻り局面終了となって戻り売りへ、調整を終えて押し目買いへ、となってもおかしくはない水準でもあり、逆に戻り局面継続なら半値戻しを目指す流れにも、調整局面継続なら同様に半値戻しもチラつく展開にも。どちらへ転んでもおかしくはない、非常にデリケートな水準に差し掛かり、今後の動向を左右する重要な分岐点での攻防状態とも言える状況に。
NY金の半値戻しは1817.9ドル、61.8%戻しなら1852.0ドル。ドル円の半値戻しは106円78銭、61.8%戻しなら105円79銭。
NY金とドル円の逆相関が強まる状態が続く背景には、双方ともに米10年債利回りとの逆相関、相関が強い関係性があります。NY金と米10年債利回りとの90日相関係数は20日時点で-0.91台、ドル円との関係性と同水準。ドル円と米10年債利回りとの相関係数は0.97台。過去最大レベルの相関関係にあり、NY金との逆相関度合いを超える連動性となっています。
その米10年債利回りは今年、年初の0.9%台から3月末には1.74%台まで上昇してピークアウト、足下では1.56%台まで低下中。今年の上昇幅の23.6%戻し(1.55%)程度にほぼ到達した状態。
NY金とドル円の38.2%戻しの攻防の行方は、23.6%戻し付近で下げ渋る米10年債利回りの動向次第、とも言えそうです。
20日のNY金相場は+7.8ドル、0.44%の反発。1770ドル近辺での小幅保ち合いから、米10年債利回りが1.6%台へと上昇したロンドン時間には1760ドル台前半まで小幅に下押し。NY市場にかけては米10年債利回りが1.56%台へと反落した流れを受けて1780ドルまで上昇。この日の変動値幅は上下17.3ドルにとどまり、今年の平均29.2ドルの6割弱、今年10番めの小動き。ゆるやかな上昇基調を維持しながら小幅保ち合いを形成、やや抵抗感が強まり始めた1780ドルの節目を突破できれば1800ドルの大台トライへ。1770ドル割れへと反落なら、調整幅拡大で4月前半までの保ち合い圏内へと逆戻り、1740ドル近辺までが短期下値目安に。
NYプラチナは-10.2ドル、0.85%の続落。短期上昇局面形成後に上ヒゲ十字線となった前日の足型が示唆したとおりの下落。時間外は1210ドルをはさんでの小幅揉み合い推移が続いたものの、耐える展開はロンドン時間に崩れて急落。最高値更新後のパラジウムの反落基調が加速した流れにも連れて1190ドル割れへと20ドル超水準を切り下げると、NY市場では一時的に1200ドル台へと反発する場面もありながら、上値の重さを確認する形となって1190ドル割れへと押し戻される展開に。4月高値から安値の半値戻し(1204.1)を回復して失速、38.2%戻し(1192.6)へと押し込まれ、ほぼ中立状態を回復した方向感は再び軟調方向へ。下値サポート候補は3月末保ち合い水準1180ドル近辺、1210ドル超へと切り返すことができれば4月高値圏1240ドル近辺再トライも。
ドル円は7銭のドル安円高、0.06%の小幅続落。3月4日(107.96)以来1ヵ月半ぶり安値圏での軟調推移。短期下値目標108円近辺にしっかり到達した状態から、東京午後には反発基調となって108円50銭台を回復。欧州・NY序盤までは108円30銭台を下限に小幅保ち合いの展開、108円50銭台の高値を何度も試すも超えられず、米10年債利回りの1.6%割れに連れて108円00銭台へと逆戻り。世界のコロナ新規感染者数が過去最多更新などの報道も悪材料となり、欧米株安の流れにクロス円なども反落するリスク回避ムード優勢に。今朝の東京市場では再び108円割れを試す展開にも。さらに下押し圧力が強まれば年初の安値から3月末高値までの38.2%戻し(107.77)近辺が短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/20終値とチャート
21日の国内金価格は+20円、0.3%の反発。4月以降の乱高下で上下にレンジを拡大してきた逆三角保ち合い半ばでの小反発。その保ち合い半ばで推移する90日移動平均線(6696)の半年ぶりゴールデンクロスを目指す9日移動平均線(6696)が同水準に重なり、上抜けできれば堅調方向へ、反落となれば軟調方向へと分岐点を9日線の動向に委ねる展開。目先、6700円が下方向への節目となり、割れると逆三角保ち合い下限付近6640円近辺までが短期下値目安。逆三角保ち合い上限6760円台を上抜けできれば上放れとなって6800円超を目指す流れへ。
プラチナ価格は-78円、1.71%安となって5日ぶりの反落。直近3日分の上げ幅をほぼ帳消しにして4月15日(4482)以来、1週間ぶりの安値。4月高値から安値までの半値戻し(4581)目前で失速、23.6%戻し(4500)割れへと押し戻され、乱高下のち3月末(4470)水準付近に収束。4月安値4420円台から4570円台までが目先の主要レンジとなり、下方向へと抜け出すと4380円程度までが短期下値目安に、上抜けへと切り返すことができれば3月高値4630円台までが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格4/21とチャート
2021年4月21日(水)時点の相場
国内金:6,721 円 4/21(水) ▲20(0.30%)
国内プラチナ:4,493 円 4/21(水) ▼78(1.71%)
NY金:1,778.4 ドル 4/20(火) ▲7.8(0.44%)
NYプラチナ:1,196.3 ドル 4/20(火) ▼10.2(0.85%)
ドル円:108.08 円 4/20(火) ▼0.07(0.06%)
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