更新日:2021年12月14日(火)
テーパリング終了時期の前倒しと来年以降の利上げ見通しなどにおいてはタカ派傾斜が見込まれる12月FOMCの直前。CMEフェドウォッチで見る2022年末のFF金利見通しとしては、12月13日時点では3回の利上げが29.3%でトップ。続いて2回の利上げが26.7%で続き、3番めには4回の利上げで19%。4番めが1回の利上げで13.1%。現状維持予想はわずかに2.6%。
この結果、CMEフェドウォッチにおける2022年末FF金利予想の中央値は、2回の利上げ。
9月FOMCでは2022年末予想中央値は据え置き、2023年末予想中央値で3回の利上げ。これと比較すると、わずか3ヵ月で1年弱の前倒しが市場コンセンサス。
11月末のオミクロン株騒動直後には、3回と4回の予想が急低下、代わって2回と1回の予想が急浮上。据え置き予想も小幅に上昇しましたが、時間の経過とともにオミクロン株前の水準へと逆戻り。
今回のFOMCでのドットチャートで、2022年末FF金利予想中央値が2回を上回るようだと、波乱の展開も予想されそうです。
逆に2回を下回るようなら、株価と金が急騰する展開もあり得るかもしれません。
13日のNY金相場は+3.5ドル、0.2%の小幅続伸。1780ドル台前半で週明け時間外をスタートすると、1780ドル台後半へとわずかに水準を切り上げてロンドン時間まで小幅揉み合い推移。米10年債利回りの低下基調にも連れてNY朝には一時1790ドル台へと上昇も、節目の1790ドル超えでは上値も重く1780ドル台前半へと小幅に急反落。この日、英国でオミクロン株感染者の死亡が初めて確認されたとの報道を受けてリスク回避の流れへ、株安とドル安となったことにも下値を支えられてNY午後には1790ドル付近まで再上昇。ただしFOMC直前でもあり、上値も下値も限定的となってNY引けにかけては1780ドル台半ばへと収束。この日の変動値幅もわずか10.6ドルにとどまり、今年の平均25.5ドルの4割程、今年5番めの小動き。90-200日移動平均線(1789.0-1792.1)にもしっかり上値を押さえられる状態が3週間程続き、これを打破できたなら上値トライで1820ドル台を目指す流れにも。下方向へは1770ドルの節目を割れると下値トライ再開で1730ドル近辺までが下値目標。
NYプラチナは-9.6ドル、1.03%安となって3日続落。9月20日(899.2)以来、ほぼ3ヵ月ぶりの安値。時間外には930ドル台から940ドル台へと反発スタートも、950ドル付近で失速すると戻り売り、ロンドン市場までに元の水準へと戻すと930ドル台での保ち合い推移を経て、NY市場ではリスク回避の株安基調にも連れて一段安。NY午後には920ドル台前半まで下落も先週安値916-7ドルを下回らず、下値サポート920ドルをなんとか維持して下げ渋り。短期的な流れとしては下方圧力緩和傾向ながら、FOMCで想定以上のタカ派傾斜となればNY金と株安基調に追随へ、オミクロン株動向などリスク回避ムードが強まる場合にも下押し圧力が強まることが予想され、タイミング的にはやや厳しい状況。920ドルを維持できなくなれば今年安値890ドル近辺再トライへ。
ドル円は20銭弱のドル高円安、0.17%高で3日ぶりの反発。週明け東京市場朝には113円20銭台から50銭台まで上昇して一服、欧州時間には113円70銭台まで一段高も先週末高値付近では上値も重く、失速。NY時間には欧米でのコロナ感染再拡大とオミクロン株への警戒感などから株安と米10年債利回り低下にも連れて軟調推移、NY午後には一時113円30銭台まで下落。しかしNY終盤にかけては113円台半ばへと持ち直し。FOMCでのタカ派傾斜を想定してのドル高の流れと、インフレと感染拡大などによるリスク回避の円高とのせめぎ合いの様相にも。113円70銭の節目をしっかり上抜けることができれば上値トライ再開へ、114円台半ばまでが短期上値目標に。下方向へは112円80銭の下値サポートを割れるようだと下値トライへ、111円台前半までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/13終値とチャート
14日の国内金価格は+14円、0.2%の続伸。下げ止まって反発に転じた9日移動平均線(7100)にサポートされ、下押し圧力は一段と緩和されて短期トレンド好転も視野に。7140円台の節目を上抜けできれば一定の上昇局面形成へ、21日移動平均線(7227)も上抜けて7230円台辺りまでが短期上値目標に。ただ、タカ派傾斜が予想されるFOMC前のタイミングではやや楽観的過ぎるようにも。案の定、という展開となって7090円台の節目を割れると下値再トライへ、7000円の大台前後までが短期下値目安にも。
プラチナ価格は-54円、1.43%の反落で12月3日(3717)以来、10日ぶりの安値。下落基調が続く9日移動平均線(3755)との揉み合い状態は続き、またしても下抜け。直近安値3750円台をしっかりと割り込んでしまったことでもう一段の下値トライが進行しやすい状態に。短期下値目安は3670円程度まで、FOMC後に株安と金安同時進行となった場合にはさらに一段安の展開も想定され、3600円の大台近辺までが意識される可能性も。
金との価格差は3406円となり、昨年11月19日(3453)以来、1年1ヵ月ぶりの水準まで拡大。
※参考:金プラチナ国内価格12/14とチャート
2021年12月14日(火)時点の相場
国内金:7,131 円 12/14(火) ▲14(0.20%)
国内プラチナ:3,725 円 12/14(火) ▼54(1.43%)
NY金:1,788.3 ドル 12/13(月) ▲3.5(0.20%)
NYプラチナ:924.6 ドル 12/13(月) ▼9.6(1.03%)
ドル円:113.58 円 12/13(月) ▲0.19(0.17%)
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