更新日:2021年12月15日(水)
米11月の消費者物価指数(CPI)が前年比+6.81%となって39年5ヵ月ぶりの高水準となったのに続き、生産者物価指数(PPI)も前年比+9.62%となって過去最高。
11月PPIは市場予想の前年比+9.2%程度を0.4%超上回る高水準。7月以降のデータが改定され、8.6%程度から+8.84%へと上方改定された8月からも0.78%の急騰。小数点以下2桁で見ると今年に入って11ヵ月続伸、4月以降は8ヵ月連続で過去最高を更新。CPIとの差は2.81%となり、ピークとなった9月の3.37%からは縮小も10月の2.62%からは再拡大。8ヵ月連続2%以上の差となり、消費者物価への価格転換余地を残している可能性が高い状況も継続。
食品とエネルギー関連を除くコアPPIは、前年比+7.69%となって10月の+6.98%から0.71%の急騰。2ヵ月ぶりに過去最高、直近9ヵ月では8回めの過去最高更新。
食品とエネルギー関連と貿易サービスも除いたコア指数では、前年比+6.89%。10月から0.63%上昇して続伸、2ヵ月連続で過去最高。これも直近9ヵ月で8回めの過去最高更新。
今年春頃に「高インフレは一時的」と繰り返し断言してきたパウエルFRB議長とイエレン財務長官の予想はハズレ、半年以上経過しても高インフレは加速状態のまま年越しを迎えることに。来年こそは収束方向に向かう可能性は限りなく高いものの、高騰し過ぎたインフレ指標が目標範囲内まで戻るのには、相応の時間を要するものと予想されます。
FOMCでのタカ派チームのサポート材料も出揃った格好にも。
14日のNY金相場は-16ドル、0.89%安となって3日ぶりの反落。12月2日(1762.7)以来、2週間ぶりの安値。FOMC直前の小動きとなった時間外は1780ドル台後半から若干のドル高の流れにも押されてロンドン時間に1780ドル台前半へとわずかに軟調推移。NY市場では米11月PPIが想定以上の上振れとなったことを受けて米長期金利急騰とドル高急進、1780ドルを割れると1770ドル割れへと一段安、安値では1760ドル台半ばまで、20ドル程の急落。ただしFOMC前のタイミングでの下値サポート1770ドル割れでは下げ渋り、NY午後には一時1770ドル台後半まで反発。しかし、流れは既に下方向へと動き始めた感もあり、1770ドルラインを維持するのがやっと、という状況にも。FOMCに対しては一定のタカ派傾斜を織り込み済みで、サプライズによる急落といった展開は想定し難いものの、事実確認でもそれなりに売られる展開にも。1770ドルの節目割れで1730ドル台辺りまでを当面の下値目安に一段安の展開へ。
NYプラチナは-13.7ドル、1.48%安で4日続落。今年安値となった9月20日(899.2)以来、ほぼ3ヵ月ぶり安値圏での一段安。920ドル台での小幅保ち合い推移の状態から、NY市場で金の急落に追随。パラジウムの急落にも連れる形で下値サポート920ドルを割れるとさらに加速、910ドルを割れて一時900ドル台前半まで、20ドル強の下落。ただし920ドル割れに伴う短期下値目安、今年安値圏でもある890ドル台にはわずかに届かず、900ドルの大台割れも回避。NY午後には910ドル台半ばまで戻して一服状態に。一定の下押し圧力を吐き出したような格好にも、ただしタイミング的には、もう一段の下落余地も残す状況でFOMC待ちへ。
ドル円は17銭のドル高円安、0.15%の続伸。FOMC直前ということもあり、上下の変動値幅は33銭程と今年の平均58銭の半分強の小動き。113円60銭を挟んでの保ち合いとなり、東京時間には113円40銭台まで下げて欧州時間には113円70銭台まで上昇。NY市場ではPPIの上振れを受けて瞬間的にはリスク回避で株価の小幅急落に反応する形となって113円40銭付近まで下げてこの日の安値をつけると、米長期金利上昇とドル高の流れにサポートされて切り返し、NY午後にかけて113円70円台へと反発。NY終盤にかけても113円70銭の節目超えで下げ渋り、今朝の東京市場では113円80銭トライの動きも。タカ派傾斜がほぼ確実視される状況にもなり、FOMC後にはドル高円安方向への流れがある程度進行する可能性も。113円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標は114円50銭近辺まで。想定外の展開となって下値サポート113円30銭を割れるようだと、イベント通過の一服状態と相まって一定の下落局面形成へ、当面の下値目安は112円台前半まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/14終値とチャート
15日の国内金価格は-32円、0.45%安で3日ぶりの反落。やはり短期トレンド好転に向けた流れが一方的に進行するような状況でもタイミングでもなく、インフレ懸念によるタカ派サポートを連想する状況となって再び9日移動平均線(7103)割れ。7090円台の節目をなんとか維持する状態も、FOMC後にNY金の売りが一定程度進行する可能性もあり、そうなれば国内金価格も節目割れとなって7000円の大台近辺までを短期目安に下値トライの展開へ。確率的には?も、想定外の展開で7130円台の抵抗水準を突破した場合には上値トライ再開で7250円近辺までが当面の上値目標に。
プラチナ価格は-31円、0.83%の続落で9月22日(3637)以来、ほぼ3ヵ月ぶりの安値。下落基調が続く9日移動平均線(3753)との揉み合い状態から下方乖離へ、その上では21日移動平均線(3908)が下落基調の90日移動平均線(3922)をデッドクロス、弱気のパーフェクトオーダーを完成して下押し圧力を強める状態にも。目先は3750円の節目割れに伴う短期下値目安3670円程度までわずかな下落余地しかなく、場合によっては3600円の大台近辺までがさらなる下値警戒水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格12/15とチャート
2021年12月15日(水)時点の相場
国内金:7,099 円 12/15(水) ▼32(0.45%)
国内プラチナ:3,694 円 12/15(水) ▼31(0.83%)
NY金:1,772.3 ドル 12/14(火) ▼16.0(0.89%)
NYプラチナ:910.9 ドル 12/14(火) ▼13.7(1.48%)
ドル円:113.75 円 12/14(火) ▲0.17(0.15%)
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