更新日:2022年2月1日(火)
ワールド・ゴールド・カウンシルが発表したレポートによると、2021年第4四半期の世界の金需要は1146.8トン。
前期比+222.7トン(+24.1%)、前年比では+378.5トン(+49.3%)の急増で2年半ぶりの高水準。
コロナ規制の緩和と経済回復とともに金需要は急回復、とりわけインドでの金消費需要の大幅増、中国も回復、米国でも大幅増となって年間ベースでの需要回復に大きく寄与。
<目的別需要>
■宝飾品:713.0トン※2013年第2四半期以来、8年半ぶりの高水準。前期比+198.7トン(38.6%)、前年比+227.8トン(+46.9%)。シェア62.2%※4四半期ぶり高水準
■産業用:85.9トン※2017年第4四半期以来、4年ぶり高水準。前期比+2.5トン(3.0%)、前年比+1.9トン(2.2%)。シェア7.5%※6四半期ぶり低水準
■投資:300.2トン※5四半期ぶり高水準。前期比+65.2トン(27.7%)、前年比+162.2トン(117.5%)。シェア26.2%※2四半期ぶり高水準
■中央銀行:47.7トン※5四半期連続買い越し、5四半期ぶり低水準。前期比-43.7トン(-47.8%)、前年比-13.3トン(-21.8%)。シェア4.2%※5四半期ぶり低水準
<投資需要・内訳>
■現物:317.8トン※3四半期ぶり高水準。前期比+56.2トン(21.5%)、前年比+48.5トン(18.0%)
■ETF:-17.6トン※2四半期連続の売り越し。
<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた金消費需要は1030.7トン。前期比+255.0トン(32.9%)、前年比+276.3トン(36.6%)で2013年第2四半期以来、8年半ぶり高水準。全需要に対するシェアは89.9%で3四半期ぶり高水準。
★7四半期ぶりに上位2ヵ国の順位が逆転、1位インド、2位中国。インドの宝飾品需要は265.0トンで少なくとも2010年以降で最大。中国は177.6トンで3四半期ぶり高水準。現物投資需要はインドが78.9トンで8年半ぶり高水準。中国は76.9トンで3四半期ぶり高水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは58.05%で2010年以降では最大。
<世界の金消費大国>
インドは前期比+104.7%の倍増で2010年以降では最大。中国は3四半期ぶり高水準。上位10カ国のうち9ヵ国が前期比で増加。3位米国も前期比+46.2%、2010年以降で最大。4位ドイツは2四半期ぶり高水準。5位イランは小幅減で2四半期ぶり低水準。6位インドネシアは10四半期ぶり高水準。7位英国は3年ぶり高水準。8位ロシア、9位タイはいずれも2年ぶり高水準。10位サウジアラビアは13四半期ぶり高水準。
前期5位のトルコは12位へ、10位UAEは11位へとダウン。13位以下はパキスタン、韓国、スイス、カナダ、イタリアと続き、前回18位の日本は大幅減で30位に後退。
<リサイクルと供給量>
リサイクルは300.8トンとなって前期比+3.6トン(1.2%)、4四半期ぶりの高水準。鉱山産出量は914.7トンで前期比-18.8トン(-2.0%)。総供給量は1189.6トンとなり、前期比-27.6トン(-2.3%)で2四半期ぶり低水準。
31日のNY金相場は+9.8ドル、0.55%高で4日ぶりの反発。週末の今年安値更新で下値トライ一服となり、1月7日安値(1781.3)と28日安値(1780.6)とでダブルボトムの可能性を残す形での反発。週明け時間外は1790ドルでいったん上値を押さえられながら下値も1785ドルまでで下げ渋り、ロンドン時間に1790ドルを回復するとNY市場ではドル安の流れにサポートされて1800ドルの大台回復トライ。目先は90日移動平均線(1797.8)から200日移動平均線(1805.6)、抵抗帯を形成しつつある1800ドル前後の水準を突破できれば反発基調継続への可能性も。下方向へは1780ドル台を維持できなくなれば下値トライ再開、ダブルボトム崩れとなって昨年秋以降の安値水準1760ドル近辺を目指す流れへ。
月間では-32.2ドル、1.76%の反落。
NYプラチナは+14.2ドル、1.41%高で3日ぶりの反発。週末に短期下値目安1000ドル前後に到達した後の反発基調を維持、1010ドル近辺での揉み合いスタートとなった週明け時間外から徐々に下値を切り上げる展開に。ロンドン・NY市場にかけては1010ドル台後半から1020ドル台回復をかけた攻防となり、NY引け後には1020ドル台半ばまで上昇。NY金と同様に週末とこの日のロウソク足とではらみ線を構成し、反発への可能性を示唆。先週までの下値サポート1020ドルが抵抗水準とならなければ1050ドルの上限が再度意識されるような展開にも。ただし1000ドルの大台を維持できなくなれば下値トライ再開、1月半ばまでの保ち合い上限980ドル近辺までが下値目安に。
月間では+54.6ドル、5.65%の続伸。
ドル円は12銭のドル安円高、0.1%の続落。週明け東京市場午前は堅調推移、米10年債利回り上昇と株高の流れにも連れて115円20銭台から50銭台まで上昇。しかし先週末高値60銭台手前で失速すると午後には軟調推移。欧州時間には115円40銭台を中心に揉み合い推移となって下げ渋るも、NY時間には1.8%台へと上昇していた米10年債利回りが1.8%割れへと低下した流れにも連れて一時115円割れ。NY終盤には115円台回復も、米10年債利回りが1.8%近辺で上げ渋り、ドルインデックスが半年ぶり高水準で頭打ちとなった流れで上値が重い状態に。短期的には今年高値圏116円10銭台の上値目標に向けては雇用統計など重要指標の好結果などにサポートされる必要も。
月間ベースではわずかに+3銭、0.03%の小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/31終値とチャート
1日の国内金価格は+21円、0.29%高で4日ぶりの反発。年初からの高値保ち合いが崩れた先週、7320円の節目割れに伴う短期下値目安7260円近辺に到達して今年安値も更新したところで一服、やや行き過ぎたところから巻き戻して7260円近辺を回復。反発方向へ地合い回復に向けては21日移動平均線(7315)回復が待たれる状況に、下方向へ7240円割れへと今年安値更新となった場合には7200円の大台前後までの一段安も。
プラチナ価格は+39円、0.96%高で3日ぶりの反発。下げ渋って反発に転じたNYプラチナにサポートされ、4060円の節目割れに伴う下値トライへの流れは早々に巻き戻し。割り込んだばかりの9日移動平均線(4091)もわずかながら再度上抜け、強気のパーフェクトオーダー再構成となって上値トライ再開への可能性も再浮上。目先は4050円台から4130円台までの高値保ち合いレンジ半ばに位置して両睨みの構え。今年高値更新へと向かえば4200円の大台回復トライへ、4050円割れへ下方ブレイクなら年初の高値水準3960円台辺りまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格2/1とチャート
2022年2月1日(火)時点の相場
国内金:7,265 円 2/1(火) ▲21(0.29%)
国内プラチナ:4,095 円 2/1(火) ▲39(0.96%)
NY金:1,796.4 ドル 1/31(月) ▲9.8(0.55%)
NYプラチナ:1,020.8 ドル 1/31(月) ▲14.2(1.41%)
ドル円:115.12 円 1/31(月) ▼0.12(0.10%)
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