更新日:2022年2月5日(土)
「ADPに騙された!」と思わずにはいられなかった人々は世界中に数知れず、そんな週末に。
もっとも、今回は年次改定も入っており、2017年以降の非農業部門雇用者数データは全面改訂。2021年は年間合計で217.0万人上方改訂され、2020年も年間で124.0万人の上方改訂。
ADPのデータは例年3月初旬、2月分発表時に年次改訂されており、次月発表時には1月分のデータもしれっと、それなりの数値に修正されている可能性もあります。
様々な要因で現状では予測不能とも言える雇用者数の伸びは、3ヵ月平均で前月比+54.1万人。昨年後半以降、3ヵ月平均ではほぼ+50万人台に落ち着いてきた状態となっており、2019年までの3ヵ月平均+10万人台後半から+20万人程度の倍以上のペースでの回復基調が依然継続中。
それ以外で好結果となった主な指標としては、
U6失業率が前月の7.3%から1月は7.1%となって2020年2月(7.0%)以来の低水準まで回復。
労働参加率も前月の61.9%から62.2%へと急上昇、2020年3月(62.6)以来の高水準。低迷していた高卒者の労働参加率も55.7%から57.2%へと急騰し、2020年3月(57.3)以来の高水準。
長期失業者の割合も31.7%から25.9%へと急低下。2020年9月(19.0)以来の低水準。
人口に対する雇用率も12月の59.5%から1月は59.7%へと上昇し、2020年3月(59.9)以来の高水準を回復。
雇用者数関連の指標としては、「雇用最大化達成済」としたFRBの見方に反して、回復状態がまだまだハイペースで継続している様子。
さらに、平均時給も前年比+5.68%となって市場予想の+5.2%程度を上回り、2020年4月(+8.03)と5月(+6.68)に次いで過去3番目の高水準。低所得者層が大量解雇された混乱期を除けば、実質的には今回の1月が過去最高水準。
これも年次改訂で2017年以降分は全面改訂、昨年3月分までは全て上方改訂され、予想以上のハイペースで賃金インフレが継続中。
物価インフレの高騰一服も先送り、CMEフェドウォッチでの3月利上げ幅予想は0.25%が前日の85%から67%へと急低下、0.50%利上げ予想は14%から32%へと急騰。
4日のNY金相場は+3.7ドル、0.21%の反発。時間外は200日移動平均線(1806.1)との攻防、ロンドン序盤に小幅揉み合い推移から抜け出すと雇用統計前に堅調推移となって1810ドルの節目超え。NY午前は1810ドル台前半での小幅保ち合い、高値では1815.8ドルまで上昇後には1月雇用統計のサプライズを受けて急落。米10年債利回りが1.8%台前半から2年1ヵ月ぶり高水準となる1.9%台へと急騰した流れにも連れ、1800ドルの大台を割れて一時1790ドル手前まで下落も、前日安値を下回らず、下値サポート1780ドル台手前で下げ渋っての折り返し。米10年債利回りの上昇一服後も高止まり、ドル高の巻き戻しも限定的となったなかでNY金は1800ドルの大台を回復。NY午後には200日線超えを維持し、1810ドルの節目手前で小康状態に。利上げ観測が高まるなかでもインフレヘッジの思惑も交錯、2日連続長めの下ヒゲを残す底堅さも。目先は引き続き200日線近辺での保ち合い傾向継続へ、1810ドルの節目上抜けなら1830ドル台までの一段高へ、1780ドル台のサポート割れなら1760ドルまでの一段安。
週間ベースでは+21.2ドル、1.19%の反発。
NYプラチナは-6.1ドル、0.59%の続落。前日NY午後以降のゆるやかな反発局面が続き、時間外は1030ドル台半ばから1040ドル付近まで上昇も、保ち合い上限付近で上値を押さえられるとロンドン時間からは株安の流れにも連れて戻り売り。NY朝には1020ドル近辺まで水準を切り下げ、雇用統計後の乱高下局面では一時1010ドル手前まで急落後に1020ドル台半ばへと反発。結果的に下値サポート候補1020ドルは維持したものの下落局面では支え切れず、ただし1000ドル台の下値サポートはしっかり維持。しかし上方向へも下落基調の200日移動平均線(1047.4)にかすりもしなくなり、じわじわと上値も切り下げる展開となり、上値トライ再開に向けた勢いも後退。
週間ベースでは+17.6ドル、1.75%の反発。
ドル円は22銭のドル高円安、0.19%の続伸で1月28日(115.24)以来、1週間ぶりの高値水準。東京・欧州時間は115円ちょうどをはさんでの揉み合い推移、欧州時間に115円10銭台まで上昇後には米10年債利回りが1.8%台半ばから前半へと低下した流れに連れ、NY朝には一時114円80銭割れへと下押し。しかし雇用統計のポジティブ・サプライズを受けて米10年債利回り急上昇とともに115円40銭付近まで、50銭程の急騰。NY午後にかけても米10年債利回りが1.9%台を維持したこともあり、115円20銭近辺を維持して横ばい推移状態に。結果的に上方向への節目115円40銭ではいったん上値を押さえられた格好に。利上げ観測一段高への材料となった雇用統計の結果を受けて週明けにでもドル買い再燃となって節目上抜けとなれば、上値トライ再開の流れへ。米1月インフレ指標なども支援材料となれば今年高値更新トライへも。昨年1月安値(102.60)から7月高値(111.66)までの上昇幅9.06円を8月安値(108.72)起点にN計算値を適用すると117.78円。117円台半ば辺りまでが当面の上値目標に。
週間ベースではわずかに-4銭、0.03%の小反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/4終値とチャート
2022年2月5日(土)時点の相場
国内金:7,296 円 2/4(金) ▲27(0.37%)
国内プラチナ:4,149 円 2/4(金) ▲27(0.66%)
NY金:1,807.8 ドル 2/4(金) ▲3.7(0.21%)
NYプラチナ:1,024.2 ドル 2/4(金) ▼6.1(0.59%)
ドル円:115.20 円 2/4(金) ▲0.22(0.19%)
Copyright(C) Let's GOLD