更新日:2022年2月22日(火)
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が実効支配していたドネツク、ルガンスクの2地域を独立国家として正式に承認。「平和維持部隊」という名のロシア軍が派遣されるということも伝えられ、欧米は制裁対応に追われ、市場はリスク回避再燃。プーチン大統領の一挙手一投足に振り回されるのは米FOMCでの利上げ見通しも同様で、3月の利上げ予想は乱高下。
2月10日に発表された米1月CPIが前年比+7.5%となった直後には0.50%利上げ確率が93.75%まで跳ね上がり、0.25%利上げは6.25%へと急低下。しかし、翌日以降はウクライナ情勢緊迫化とともにリスク回避の流れが急速に強まり、欧米主要株価指数は15日の反発を除いて10日以降は下げっ放し。株安が続く状態での大幅利上げは困難、とばかりに利上げ見通しも巻き戻し。3月の0.50%利上げ確率は週明け21日には17%まで急低下、0.25%利上げは83%へと急騰。
なお、年内利上げ回数見通しとしては、0.25%換算×6回が35.8%で最大、7回が25.5%で続き、3番めには5回が22.8%。
年内のFOMC回数は3月以降で全7回、ほぼ毎回の利上げが確実視される状況には変わりません。
ただし、セントルイス連銀ブラード総裁は先週末には「3会合で1%利上げ」を支持し、どこかで0.50%の利上げも必要との見方。ボウマンFRB理事はこの日、3月利上げを支持しながらも、今後のインフレ指標次第で0.50%利上げも検討が必要、とやや慎重姿勢。3月の0.50%利上げについては微妙な情勢となっています。
その鍵を握るのも、プーチン大統領かもしれません。
プレジデンツデーの祝日でNY市場が休場となった21日、NY金は週明け時間外序盤に10ドル程の急騰で1910ドルまで上昇後に失速、米露首脳会談合意を好感してリスク緩和の流れをうけてロンドン序盤には一時1890ドル割れ。しかし、それ以上のリスク緩和も進まず1900ドル台へと切り返す展開に。今朝の時間外にはプーチン大統領の親ロシア派2地域の独立承認を受けて一時1920ドル手前まで急騰。NYプラチナは1070ドル台から1080ドル台半ばまでのレンジで保合い推移、今朝の時間外にNY金の急騰に追随すると1090ドル台へ。
ドル円は30銭のドル安円高、0.26%の反落。東京朝には米露首脳会談開催合意を受けて114円80銭台から115円10銭台まで急騰してこの日の高値、ここからはリスク回避優勢の戻り売り基調へ。欧州時間には114円80銭まで下げて東京朝の安値を下回るとNY時間終盤にかけては70銭台へ、今朝の東京市場ではプーチン大統領の動向を受けて114円50銭台へと一段安。目先、114円40銭の下値サポートを割り込むようだと一段安の展開へ、今年安値113円半ば、12月安値112円半ばも下抜けて112円近辺までが下値目標に。
22日の国内金価格はわずかに+1円、0.01%高となって4日続伸。2日連続で過去最高値を更新。2月はここまで15営業日中、13営業日で上昇する急騰局面を形成中。最高値更新に伴う一服感もリスク回避の流れに打ち消され、いつかハシゴをはずされる恐怖感も懐きながらの高止まり。ただ、ウクライナ情勢が近日中に劇的に改善するような事態も想定し難く、多少の調整を挟みながらも比較的高値水準を維持しやすい状態はもう少し継続か。想定可能な行き過ぎ警戒水準としては7850円近辺まで、値幅分析による短期調整目安としては1月末安値(7244)からここまでの上昇値幅の23.6%戻し(7582)近辺。
プラチナ価格は+37円、0.86%の反発。11月高値保合い下限となり、それ以前にも節目水準となってきた4300円が下値サポートとなっての反発で高値保合いを形成。4370円台の節目を上抜けて今年高値再更新となれば一段高の展開にも、4420円程度までが短期上値目標に。4300円の下値サポートを割れると調整幅拡大も4240円程度までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格2/22とチャート
2022年2月22日(火)時点の相場
国内金:7,687 円 2/22(火) ▲1(0.01%)
国内プラチナ:4,338 円 2/22(火) ▲37(0.86%)
NY金:1,899.8 ドル 2/18(金) ▼2.2(0.12%)
NYプラチナ:1,076.8 ドル 2/18(金) ▼15.9(1.46%)
ドル円:114.75 円 2/18(金) ▼0.30(0.26%)
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