更新日:2022年3月18日(金)
今週発表された3月のNY連銀製造業景況指数は+7.0程度の予想に反して-11.8となり、2月から-14.9ポイントの急落でコロナショック時の2020年5月(-48.5)以来、1年10ヵ月ぶりの低水準へと落ち込んでいました。
新規受注も出荷もマイナス圏へと落ち込み、1年10ヵ月ぶり低水準となっていました。雇用指数も前月から8.6ポイントの急低下で7ヵ月ぶり低水準。販売価格は2ヵ月連続で過去最高となり、インフレ高騰の悪影響も続く状況に。また、入荷遅延も前月から11.1ポイント急騰し、5ヵ月ぶり高水準。この指数は昨年4月以降は20以上で高止まるなか、足下で一段と悪化している様子。
この日発表された3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も、予想外に低調に・・・と思いきや、15.0程度の予想に反して27.4。前月から11.4ポイントの急騰で4ヵ月ぶりの高水準。
方向感としては一致してきたNY連銀とフィラデルフィア連銀の景況感指数がここに来て明暗分かれる形で逆行状態に。同じく方向感は一致してきたISM製造業景況指数、3月の方向性には迷いが生じてしまいそうな状況にも。
フィラデルフィア連銀の新規受注も出荷も前月比+10ポイント超の急騰となって4ヵ月ぶり高水準。雇用指数も過去最高へと上昇したこともNY連銀とは正反対。
ただし、販売価格が47年余りで2番めの高水準へと上昇し、入荷遅延も16.7ポイントの急騰で10ヵ月ぶり高水準となったことはNY連銀と同じ傾向。入荷遅延は昨年3月以降20ポイント超で高止まり、足下で一段と悪化したところも同様。
これらはウクライナ戦争が影響し始めている可能性もありそうです。
17日のNY金相場は+34.0ドル、1.78%高で5日ぶりの反発。前日のFOMC直後に1930ドル手前まで反発していた流れが継続。早々に1930ドルを超えるとロンドン・NY午前にかけては1940ドルの攻防へ、抵抗線候補の20日移動平均線(1942.9)も上抜けると一時1950ドルまで上昇。ロシア側の報道としてウクライナとの交渉で大きな進展は「誤り」と伝えられたことなどがリスク回避的な流れとなって原油価格の急反発とともにNY金も押し上げられた様子。しかしNY午後には米10年債利回り上昇とドル安一服の流れにも連れて反落、引け後には1930ドル台半ばまで下げて再反発もあらためて20日線との攻防に。1月安値(1780.6)から3月高値(2078.8)までの半値戻し(1929.7)が目先の下値サポート候補となり、20日線をしっかり上抜けることができれば38.2%戻し(1964.9)が次の上値ターゲット。
NYプラチナは+23.2ドル、2.3%の続伸。FOMC後の反発で上昇した1020ドル近辺から、保ち合いながらもゆるやかな反発基調を維持する形に。ロンドン・NY朝には1030ドル近辺を上限に1010ドル台前半までの安値トライ、しかし90日移動平均線(1011.4)にしっかり下値を支えられるとNY午後には1030ドル台半ばまで上昇。ただしこれも維持し切れず、それでもNY引け後には200日移動平均線(1025.7)にもサポートされて1030ドル再トライへ。3月9日高値(1197)から15日安値(981.2)までの23.6%戻し(1032.1)をしっかり回復できれば38.2%戻し(1063.6)を目指す展開にも。
ドル円は16銭のドル安円高、0.13%安となって9日ぶりの反落。東京朝には119円再トライも前日高値には少し届かず、逆に119円ラインが目先の抵抗線となる可能性を残して反落。午後までに118円50銭台まで水準を切り下げると、保ち合いながらも欧州時間には118円40銭台、NY時間には118円30銭台へと下値を切り下げる展開に。しかしNY午後にはドル安一服と米10年債利回り上昇にも支えられて118円60銭台へと反発。高値圏での十字線に近い足型を残して反落警戒感も漂いながらも下げ渋り、今朝の東京市場では118円70銭台へと上値再トライの様相にも。過熱感緩和もままならない状態のまま高値更新へと向うようなら、120円の節目トライが意識される可能性。下方向へは浅めの調整でも今年最安値から最高値までの23.6%戻し(117.79)近辺が目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/17終値とチャート
18日の国内金価格は+44円、0.55%の続伸。上昇軌道を維持する9日移動平均線(8104)には届かず、強気相場再開にも及ばず。1月末安値(7244)から3月9日の最高値(8299)までの急騰値幅(1055)に対して、3月16日(7988)までの調整値幅は29.5%。23.6%戻し(8050)を超えながらも38.2%戻し(7896)には大きく及ばず、若干の調整不足感も残るところ。短期下値サポートとなる7980円台を割れた場合には、21日移動平均線(7899)と38.2%戻しが下値目安に。反面、下げ渋って9日線を上抜けて8130円台の節目も突破することになれば上値トライ再開へ、短期的には8200円台回復が見込まれる展開にも。
週間ベースでは-44円、0.54%安となって7週ぶりの反落。
プラチナ価格は+25円、0.59%の続伸。今年高値となった3月9日(4678)から16日(4099)までの1週間で579円の急落に対して23.6%戻し(4236)を超えたところでやや減速。地合い回復に向けては38.2%戻し(4320)、21日移動平均線(4330)などを超える必要。4350円の節目も突破できれば4400円台回復を目標に一段高へと向う可能性。
週間ベースでは-64円、1.48%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格3/18とチャート
2022年3月18日(金)時点の相場
国内金:8,087 円 3/18(金) ▲44(0.55%)
国内プラチナ:4,266 円 3/18(金) ▲25(0.59%)
NY金:1,943.2 ドル 3/17(木) ▲34.0(1.78%)
NYプラチナ:1,031.3 ドル 3/17(木) ▲23.2(2.30%)
ドル円:118.60 円 3/17(木) ▼0.16(0.13%)
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