更新日:2022年4月27日(水)
米国連邦住宅金融庁(Federal Housing Finance Agency)が発表した2月のFHFA住宅価格指数は381.43となって過去最高を更新し続け、前月比では+2.08%。これも市場予想の+1.5%を上回り、1月の+1.55%からも一段と上昇、昨年4月の+1.83%を上回って10ヵ月ぶりに過去最高を更新。
前年比でも+19.42%となり、昨年7月の+19.39%をわずかに上回り、7ヵ月ぶりに過去最高を更新。
同じタイミングで発表されたS&Pケースシラー住宅価格指数も2月は前年比+20.20%となり、昨年7月の+20.02%を上回って7ヵ月ぶりに過去最高を更新。
なお、ケースシラー住宅価格指数がサブプライム・ローンや高額物件など多岐にわたる物件を対象とした指数に対し、FHFA住宅価格指数は優良住宅ローンのデータが対象。
いずれにしても前月比でも前年比でも、住宅価格指数の伸び率は過去最高を更新する状態で、住宅価格の高騰が続きます。
米国での住宅販売の9割を占める中古住宅の販売価格は、先日発表された3月の中央値データで過去最高。前年比伸び率でも+15%台。2020年8月以降にそれ以前の1桁台から2桁台に跳ね上がり、高い伸び率での価格高騰状態が続いています。
その影響もあり、この日発表された3月の新築住宅販売件数は76.3万戸。市場予想を下回って4ヵ月ぶり低水準。先日の3月中古住宅販売件数も577万戸で2ヵ月連続減、前年比では7ヵ月連続減となって1年9ヵ月ぶり低水準となっていました。
住宅価格上昇に加えて住宅ローン金利上昇も重なり、新築も中古も住宅販売件数は伸び悩み。
住宅価格の過去最高更新が続くなかでも、FRBはインフレ抑制の為には大幅利上げを加速せざるを得ず、住宅ローン金利のさらなる上昇を誘発し、庶民の住宅購入へのハードルを一段と上げることになりそうです。そして米国経済は消費失速、低迷、景気減速、そしてリセッションへと過去の失敗を繰り返す可能性が高まります。
26日のNY金相場は+8.1ドル、0.43%高で6日ぶりの反発。5日間で90ドル超の急落局面は前日NY市場でつけた2ヵ月ぶり安値1891.8ドルで底打ちへ、という動きも限定的。1900ドルの大台回復をかけた攻防状態が続き、ロンドン・NY時間には1890ドル台半ばまでの安値を2度つけてNY朝の高値も1910ドル台前半まで。この日の変動値幅は15.9ドルに留まり、今年の平均29.5ドルの半分余り。3%手前で頭打ちとなった米10年債利回りが3日連続低下した流れにサポートされた反面、100ポイントを超えてなお3日続伸となったドルインデックスの堅調推移が重石となった格好にも。3月半ば以降、前日までで1890ドル付近の安値を3度つけてトリプルボトムの可能性を維持した状態での下げ渋り。反発に向けては4月高値(2003.0)から前日安値までの38.2%戻し(1934.3)近辺が重要水準にも。1890ドル台のサポートを維持できなくなれば、短期的には1870ドル程度までの一段安も、中期的にはトリプルボトム崩れで大きな流れが変わる可能性、1月末安値圏1780ドル台辺りまでが意識される可能性も。
NYプラチナは+7.1ドル、0.78%高で6日ぶりの反発。5日間で115.5ドル、11.3%の急落局面を形成した直後の反発としてはかなり控えめ。それでも前日NY市場で何度も901ドル付近の安値を試しながらも大台割れを回避、この日もNY市場で901ドル付近の安値を何度も試して反発。時間足レベルでは大台割れを回避した901ドルの安値でダブルボトム形成の可能性を残し、ネックラインは時間外での921.5ドル。これを突破できれば足場堅めとなる可能性も高まり、4月高値(1026.4)から前日安値までの38.2%戻し(949.2)辺りまでが短期上値目標にも。900ドルの大台割れの場合には一段安へ、12月安値圏880ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は89銭のドル安円高、0.69%の続落。東京朝には128円10銭台から127円30銭台まで急落後、米10年債利回りが2.80%付近から2.85%近辺へと反発した流れに追随し、東京午後には128円20銭台を回復。しかし欧州・NY時間にかけて米10年債利回りが2.7%台半ばへと低下基調再開となった流れにも連れ、リスク回避的な株安・円高の流れとなって再び128円割れ。NY朝には一時127円ちょうど付近まで下落。今朝の東京市場では一時127円割れを試すも意外と底堅く、127円50銭台へと反発。節目の127円80銭割れでの推移が続いており、3月末安値から4月20日高値までの38.2%戻し(126.30)近辺までを短期下値目安に、もう一段の調整余地を残す状態か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/26終値とチャート
27日の国内金価格は-8円、0.09%安で5日続落。5日続落は今年初で昨年9月以来、7ヵ月ぶり。4月11日(8495)以来、半月ぶり安値圏で下げ止まり切れず、3月30日(8259)から4月20の最高値(8860)までの半値戻し(8560)を達成後の惰性で小幅に一段安。NY金の調整局面にドル円の伸び悩みから調整の動きが重なった展開から、同時切り返しへと向かえば38.2%戻し(8630)辺りまでの反発も視野に。逆にもう一段の調整となれば61.8%戻し(8489)から76.2%戻し(8401)も意識される可能性も。
プラチナ価格は-6円、0.15%安で6日続落。6日続落は今年初で2020年3月以来、2年1ヵ月ぶり。水準としては3月16日(4099)以来、6週間ぶり安値。その4099円と同水準でしっかり下げ止まることができればダブボトム形成への可能性を残しての反発トライへ、下げ止まりきれない場合には3月9日の今年高値(4678)を頂点とする三尊天井完成となる重要水準。これを割り込んでしまうと中期的にはさらなる下値トライへと向かう可能性も。中期的な下値警戒最大水準としては9月安値圏3530円近辺。
※参考:金プラチナ国内価格4/27とチャート
2022年4月27日(水)時点の相場
国内金:8,519 円 4/27(水) ▼8(0.09%)
国内プラチナ:4,100 円 4/27(水) ▼6(0.15%)
NY金:1,904.1 ドル 4/26(火) ▲8.1(0.43%)
NYプラチナ:912.1 ドル 4/26(火) ▲7.1(0.78%)
ドル円:127.23 円 4/26(火) ▼0.89(0.69%)
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