更新日:2022年4月29日(金)
クリーブランド連銀が公表しているインフレ指標の予想推移、インフレーション・ナウキャスティング(インフレ・ナウ)によれば、本日29日NY時間に商務省から発表される3月のPCEデフレーターの予想値は、28日時点でPCEが前年比+6.73%、コアPCEは前年比+5.26%。
5月FOMC直前に発表される最重要指標の一つで、PCEは40年ぶり高水準となった2月の+6.35からさらに上昇、コアPCEは38年ぶり高水準となった2月の+5.40からは小幅に低下が予想されます。
いずれも極端なズレは想定し難く、歴史的高水準にあるインフレ対策として今回のFOMCでは0.5%利上げが決定されるものと思われます。
5月末に発表される4月分のPCE予想値は、現時点でPCEが前年比+6.45%、コアPCEは+5.06%。PCEもコアPCEも小幅に低下が予想されています。
CPIについては、4月12日に発表された3月分のCPIが前年比+8.54%に対して現在の4月予想は+8.14%。コアCPIも3月の+6.47%に対して4月予想は+6.12%。5月11日発表予定の4月分ではCPIもコアCPIもいずれも小幅低下が予想されています。
40年ぶり高水準に達した2つの重要なインフレ指標は、いずれも5月FOMC後にはピークアウトの兆しが確認されることになりそうです。
それでもFRBの当面の大幅利上げペースへの影響はまだしばらくは限定的。今後はインフレ鈍化が継続的に確認できるかどうか、そして目標水準+2.0%前後の水準へと低下するまでどれだけの期間を要するのか、新たな局面に移行することにはなります。
なお、この日発表された1-3月期GDP速報値は前期比年率-1.4%と予想外のマイナス。ただし、今回のマイナスは消費拡大ゆえの輸入急増が要因の一つとなっており、深刻なマイナスではなさそう。しかし、今後は大幅利上げによる弊害が疑われるような指標悪化も警戒され、FRBにとっては難しい舵取りが迫られる、困難な新局面ということにもなりそうです。
28日のNY金相場は+2.6ドル、0.14%の小反発。時間外は1880ドル台後半から軟調推移、前日安値付近1880ドルを下回ると1870ドル付近まで一段安、2月17日(1869.7)以来2ヵ月半ぶりの安値をつけ、短期下値目安にも到達。達成感から切り返すとロンドン・NY市場では1890ドルをはさんでの揉み合い、NY引けにかけては1890ドル台後半へ。ただし高値でも1900ドルの大台には少し届かず。90日移動平均線(1885.3)にサポートされた状態を維持しながらも上値の重さも継続。引き続き1900ドル台が抵抗水準、これを突破できれば短期的には反発局面形成へ、1930ドル近辺までが上値目標に。中期的には3月以降の保ち合い崩れに伴う下値目安、1月安値1780ドル台辺りまでが意識される可能性も。
NYプラチナは+0.7ドル、0.08%の小反発。時間外は910ドル付近での小幅揉み合いから900ドル付近まで下げて切り返し、ロンドン市場にかけてNY金の反発局面にも追随、一時920ドル台後半まで急騰。しかし前日高値付近で失速するとNY朝にかけては900ドル付近まで急反落、900ドルの大台割れを回避するとNY午後には910ドルをはさんでの揉み合いに。結果的に910ドル近辺を中心に3日連続十字線を形成、反発力の弱さと下値警戒感をなんとか耐える状況が継続。短期的には900ドル台のサポートを割れると12月安値880ドル近辺までが下値目安。上方向へは4月高値(1026.4)から安値(895.4)までの38.2%戻し(945.4)程度までが目安に。なお、中期的に880ドル近辺は9月安値と合わせてトリプルボトムを形成する重要水準。ここで下げ止まらない場合には2020年6月安値圏800ドル近辺までが意識される可能性も。
ドル円は245銭のドル高円安、1.91%の大幅続伸。上げ幅としてはコロナショック時の2020年3月19日(+2.66円、2.46%)以来、2年1ヵ月ぶりの急騰。水準としては2002年4月9日(130.87)以来、20年と半月ぶりのドル高円安水準。東京朝に前日高値128円50銭台を上抜けると一時128円80銭台まで上昇、日銀の金融政策現状維持と指し値オペの継続実施発表を受けて129円超へと急騰、東京市場終盤には130円超え。欧州時間にはドル高の流れも加勢して131円台へ。NY市場では米1-3月期GDP速報が予想外のマイナス圏となったことを受けて一時131円付近から130円20銭台まで急落も、格好の押し目買い局面となって切り返すと高値では131円20銭台まで上昇。127円20銭から128円60銭までの保ち合い上限突破に伴う130円台の上値目標を達成してなおドル高円安の勢いは止まらず。今朝の東京市場では130円90銭台の高値から130円50銭台へと調整の動きに。3月末安値(121.28)から4月高値(131.25)までの23.6%戻し(128.90)程度までが短期調整目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/28終値とチャート
2022年4月29日(金)時点の相場
国内金:8,505 円 4/28(木) ▼14(0.16%)
国内プラチナ:4,098 円 4/28(木) ▼2(0.05%)
NY金:1,891.3 ドル 4/28(木) ▲2.6(0.14%)
NYプラチナ:911.1 ドル 4/28(木) ▲0.7(0.08%)
ドル円:130.86 円 4/28(木) ▲2.45(1.91%)
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