更新日:2022年6月9日(木)
6月8日時点で、ドル円の1日あたりの変動値幅は6月の月間平均で1.38円。3月以降は4ヵ月連続で1円を超え、それ以前の0.5円前後での推移から急拡大。現時点ではコロナショックとなった2020年3月の1.95円以来、2年3ヵ月ぶりの高ボラティリティ状態。
NY金(22.2ドル)やプラチナ(29.3ドル)が今年2番めの低ボラ状態となっている状況とも対照的。
この結果、2022年の年間変動値幅は現時点で21.01円。まだ上半期終了前、中間地点の折り返し前のこの時期に、昨年の年間変動値幅12.92円の1.6倍超、2020年(11円)の2倍弱、近年最小の小動きとなった2019年(7.55円)の3倍弱。ブレグジットや米大統領選で激動となった2016年(22.53円)以来、6年ぶりの大幅変動の年となり、年間ではこの年を上回るのもほぼ確実視される状況にもなってきました。
2016年と同水準まで拡大した場合、今年の安値113円40銭台から22円50銭上昇した場合の水準=135円90銭。
節目の135円はもはや、時間の問題となってきたかもしれません。
近年最大の激動の年となったのは、リーマンショックから世界金融危機となった2008年。この年の年間変動値幅は24.75円。
今年これから、2008年と同水準まで変動幅が拡大した場合、今年安値113円40銭台から24円70銭上昇した場合の水準=138円10銭。
今年後半に向けても米インフレ動向の収束が見通せず、日米金融政策に変化の予兆が意識されない場合、2022年の年間変動値幅は21世紀最大水準へと拡大することになるかもしれません。
8日のNY金相場は+4.4ドル、0.24%の続伸。時間外は1850ドル台前半を中心に小幅揉み合い、安値では一時1840ドル台半ばまで下押し後に切り返し、ロンドン・NY朝にかけてユーロドルの上昇にも連れて1860ドル台前半まで上昇。しかしNY午後には米10年債利回り上昇とユーロドルの反落とともに1850ドル台半ばへと巻き戻し。変動値幅は15.8ドルにとどまり、今年の平均28.9ドルの半分強の小動きで十字線を形成。1840ドルから1870ドル台までの保ち合いレンジ下半分を中心に方向感喪失状態にも。ECB理事会での利上げ示唆によるユーロ高基調、週末の米CPI動向などを踏まえて米長期金利上昇とドル高の流れが失速、巻き戻しとなるようなら上限トライへも、レンジ上抜けなら3月の今年高値(2078.8)から5月安値(1785.0)までの半値戻し(1931.9)辺りまでが上値目標に。逆の展開でレンジ下方ブレイクなら1月末の今年安値(1780.6)近辺までを目安に下値トライへ。
NYプラチナは-1.3ドル、0.13%の小幅続落で6月1日(996.4)以来、1週間ぶりの安値。1010ドルを挟んでの小幅保ち合い推移に終始、ロンドン序盤とNY午後の高値は1016ドル台までにとどまり、NY朝の安値では一時大台割れ。この日の変動値幅18.1ドルは今年の平均32.8ドルの半分強、今年5番めの小動きに。200日移動平均線(996.6)にもサポートされる形となったものの、引き続き990ドル程度までの下値余地を残し、1030ドルが当面の上値抵抗水準。突破できれば1060ドル程度までを上値目標に一段高の展開へ。
ドル円は162銭のドル高円安、1.22%高となって4日続伸。2002年2月27日(134.27)以来、20年3ヵ月ぶりのドル高円安水準に。この日も東京朝が安値となって132円50銭台から上値トライ、午前中のうちに前日高値を上抜けて133円20銭台まで上昇、欧州時間にはECBの利上げ示唆なども意識されてユーロ高主導の円全面安の流れにも。ユーロ円も7年5ヵ月ぶり高値水準、豪ドル円も7年ぶり高値圏、ポンド円も6年4ヵ月ぶり高値圏へと一段高となるなどクロス円の上昇にも連れてNY朝には一時134円40銭台まで上昇。想定可能な短期上値目安、5月9日高値(131.35)から5月24日安値(126.36)までの161.8%戻し(134円40銭台)を達成したことから上昇一服。今朝の東京市場での上値トライも134円50銭台までにとどまり、やや失速気味にも。週末のCPI結果を確認後にも135円トライは時間の問題か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/8終値とチャート
9日の国内金価格は+108円、1.25%の大幅高で3日続伸。4月22日(8,811)以来、1ヵ月半ぶりの高値。とまらないドル高円安に押し上げられ、4月20日の最高値(8860)から5月安値(8181)の76.4%戻し(8700)を達成してなお一段高。次なる節目は8800円の大台と過去最高値。目先、NY金が現状維持でドル円135円到達なら過去最高値更新へ。
プラチナ価格は+48円、1.04%の反発。調整もそこそこに高値圏での小幅保ち合い上抜けとなって今年高値も更新、昨年5月18日(4744)以来、1年1ヵ月ぶりの高値水準に。短期上値目標4700円の大台回復まで若干の上昇余地も残し、中期三角保合いを上抜け始め、中長期主要レンジ上方シフトに向けた動きも進行中。当面の下値サポートは4630円、これを割り込むようだと巻き戻しの流れへ、4570円辺りまでが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格6/9とチャート
2022年6月9日(木)時点の相場
国内金:8,730 円 6/9(木) ▲108(1.25%)
国内プラチナ:4,682 円 6/9(木) ▲48(1.04%)
NY金:1,856.5 ドル 6/8(水) ▲4.4(0.24%)
NYプラチナ:1,011.6 ドル 6/8(水) ▼1.3(0.13%)
ドル円:134.25 円 6/8(水) ▲1.62(1.22%)
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