更新日:2022年7月13日(水)
ドイツの7月ZEW景況感指数は期待指数が-53.8となって市場予想を大幅に下回り、3ヵ月ぶりの反落で前月比-25.8の急低下。欧州債務危機の時、2011年12月(-53.8)以来、10年7ヵ月ぶりの低水準。コロナショックの2020年3月(-49.5)を下回り、リーマンショック直後の2008年10月(-63.0)に迫る、過去最低レベルへと低下。
現況指数も-45.8となり、前月比-18.2の急反落で昨年4月(-48.8)以来、1年3ヵ月ぶりの低水準。
コロナショック時も、リーマンショックの時も期待指数が先行して底打ち反発へと向かい、少し遅れて現況指数も底打ち反発へと追随する展開となっていました。
今回も期待指数が反発するまで、現況指数ももう一段低下することも予想されそうです。
ウクライナ戦争の影響やインフレ高騰、エネルギー問題に中国のコロナ再燃と景気失速による輸出減など、ドイツではリセッション見通しがあちこちから聞かれる状態のなかでもECBの利上げも目前に迫り、期待指数の底打ちにも時間を要する可能性すらありそうです。
この指標発表前にユーロドルは20年ぶり安値圏となり、パリティ付近での攻防状態に。指標発表直後には、ユーロ売り材料にもなってユーロドルは1.0000ドルのパリティ(等価)付近まで下落して反発。防戦買い圧力も相当強そうな状況も、あと数回のトライでパリティを割れて一段安へ、といった展開にも。
今週ドイツでは、ロシアからの天然ガス・パイプライン「ノルドストリーム1」が定期保守点検の為11日から10日間の供給停止となったばかり。先月には設備の問題を理由に供給量を従来計画の4割に削減したばかりでもあり、21日以降の供給再開への不安も。
ロシアからの報復措置となれば、ドイツのリセッション懸念とともに、ユーロ安懸念も一段と強まることににもなりそうです。
12日のNY金相場は-6.9ドル、0.4%の続落。昨年9月29日(1722.9)以来、9ヵ月半ぶり安値圏での一段安。1730ドル近辺でスタートした時間外序盤には1720ドル近辺まで急落後に1740ドル台へと切り返す乱高下。ユーロドルのパリティ・トライの余波を受ける格好となってこの日の安値と高値をつけ、その後はレンジを縮小しながらの上下動も軟調方向へ。NY午前には1730ドルをはさんでの小幅揉み合い、NY午後には1730ドルが上限に、NY引け後には1720ドル台半ばへと収束。1730ドルの下値サポート割れに伴う短期下値目安、昨年9月安値圏1720ドル前後に到達し、売られ過ぎ状態での一服感も。RSIは5.0まで低下し、2016年11月25日(3.6)以来5年8ヵ月ぶりの低水準。しかし、CPIの発表直前でもあり、ユーロドルのパリティ割れ再トライとともにドル一段高となった場合には過熱感を振り切っての一段安にも警戒。行き過ぎ警戒水準としては昨年8月安値圏1680ドル前後までが意識される可能性も。
NYプラチナは-32.6ドル、3.79%の大幅続落。下げ幅では今年の絶対値平均16.8ドルの2倍弱、今年8番目の大幅安となって先週後半の大幅上昇分を帳消し。水準としては2020年6月26日(819.3)以来、2年ぶりの安値。860ドルを割れた時間外序盤から、この日も一方的に軟調推移の展開に。ロンドン時間に節目の840ドルを割れるとNY午後には830ドル割れ、安値では825ドルまで。短期下値目安、2020年9月安値圏820ドル近辺にはあと少しという状態も、NY引け後の時間外には820ドル台前半へとジリジリと下値目安へと接近中。しかし、目先はNY金が行き過ぎの展開となれば追随も、意識される水準としては2020年6月安値圏790ドル近辺まで。
ドル円は56銭のドル安円高、0.41%安で7日ぶりの反落。東京朝には137円40銭近辺から137円ちょうど付近まで下落して反発、鈴木財務相の円安牽制発言などもあったものの押し目買い圧力から東京市場終盤にかけて137円50銭台まで上昇。欧州時間にかけては米10年債利回り低下に連れて再び137円付近へと反落。ユーロドルのパリティ割れをかけた攻防一服となったNY市場にかけてはドル高の巻戻しが進行したこともあり、137円割れへと一段安。安値では136円40銭台まで下落し、上昇し始めた5日移動平均線(136.45)にも支えられて136円80銭台まで反発。高値保合い上放れに伴う上値トライへの動きは利食いに押されて失速したものの、CPIの結果次第では上値トライ再開へ。137円台半ばをしっかり上抜けることになれば、あらためて138円台トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/12終値とチャート
13日の国内金価格は-84円、1.0%安で4日ぶりの反落。上昇軌道を維持する90日移動平均線(8436)を9ヵ月ぶりに下抜けて5日め、一時的な下抜けにとどまって切り返すことはできず、戻り売り圧力に屈した格好に。8310円の節目を下抜けて7月安値を更新、5月30日(8272)以来、1ヵ月半ぶりの安値。流れとしてはもう一段の下値トライへ、8260円程度までが短期下値目安に。ただしドル高円安にサポートされて切り返す展開となれば8370円が反発に向けた攻防ライン。これを上抜けることができれば90日移動平均線(8436)近辺までが短期上値目安に。
プラチナ価格は-108円、2.58%の続落。弱気のパーフェクトオーダー完成とともに下押し圧力が強まって一段安、4100円前後の重要水準を下抜け、短期的な節目4090円も下抜け。短期的には4000円近辺を下値目安にもう一段安の可能性。中期的には今年2月以降の安値水準を割り込んだことから、3月高値と6月高値とでダブルトップ完成。この間の値幅580円程度分、4100円から下落した場合の水準は3520円。昨年9月安値3536円近辺を目指す流れとなる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格7/13とチャート
2022年7月13日(水)時点の相場
国内金:8,282 円 7/13(水) ▼84(1.00%)
国内プラチナ:4,070 円 7/13(水) ▼108(2.58%)
NY金:1,724.8 ドル 7/12(火) ▼6.9(0.40%)
NYプラチナ:828.1 ドル 7/12(火) ▼32.6(3.79%)
ドル円:136.85 円 7/12(火) ▼0.56(0.41%)
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