更新日:2022年7月15日(金)
前日のCPIに続いてこの日はPPIも市場予想を上回る高水準。上流工程でのインフレ指数も6月は高止まり、7月FOMCでの1%利上げ観測を助長する材料にもなりました。
米労働省発表の6月生産者物価指数(PPI)は前年比+11.29%。市場予想の+10.7%程度を上回り、5月の+10.94%からも反発。過去最高となった3月(11.56)以来3ヵ月ぶり、過去2番めの高水準に。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+8.24%。こちらは市場予想の+8.2%と同水準、5月の+8.45%からは低下。過去最高となった3月をピークに3ヵ月連続の低下で11月(8.01)以来、7ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスも除いたコア指数(PPI2)は前年比+6.36%。過去最高となった3月(7.13)をピークに3ヵ月連続低下で10月(6.24)以来、8ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー関連さえ除けば半年以上前にピークアウトし、鈍化傾向が着実に進行しているようです。
PPIとCPIとの差は2.23%。5月の2.36%からは0.13%の小幅ながらも縮小、3ヵ月連速の縮小で昨年6月(2.17)以来、1年ぶりの低水準。
CPIへの価格転嫁余地は少しづつ、縮小傾向にはなっています。ただし2019年までの最大1.46%を大きく上回る状態。
PPIとCPIとの格差ピークは昨年8月の3.40%。6月の2.23%までの縮小ペースは0.117%/月。
縮小ペースが変わらない場合、1.46%まで縮小するのに要する時間は6.6ヵ月。CPIへの価格転嫁余地が過去の平均的レベルの範囲内まで戻るには、年内いっぱいはかかりそうです。
14日のNY金相場は-29.7ドル、1.71%の大幅反落で昨年3月30日(1686.0)以来、1年3ヵ月半ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均14.5ドルの倍以上、今年9番めの急落。前日のCPI上ブレを受けて7月FOMCでの1%利上げを織り込むに連れ、時間外スタート時点の1730ドル台半ばを高値に軟調推移。ドル高の流れに連れてロンドン時間に節目の1720ドルを割れると一段安、ドル高のピークとなったNY午前には一時1700ドルの大台割れ。しかし、1720ドルの節目割れに伴う短期下値目安1700ドル近辺到達後の下げも限定的となり、NY引けにかけては1710ドル付近まで反発。7月FOMCでの1%利上げは行き過ぎ、との見方にも下支えされた格好にもなり、目先は下値トライ一服感となる一方で1%利上げ観測再燃となるようだと下押し圧力に。さらなる下値警戒水準としては昨年8月安値1677.9ドル付近が意識される可能性も。
NYプラチナは-20.5ドル、2.45%の反落。前日の反発でいったんは底打ちの可能性もあったものの、820ドルを下限とした足場固めに失敗。時間外序盤の830ドル台半ばが高値となり、NY金の軟調推移に追随、ロンドン市場で820ドルの下限候補をあっさり割れるとNY午前には一時810ドル割れ。ただしNY午後にかけては820ドル超へとしっかり反発。820ドルの下限候補を810ドルに引き下げてのいったん下げ止まり、という展開にも。反発方向へは840ドルが当面の抵抗水準に、上抜けできれば860ドル台辺りまでを目安にもう一段の反発局面形成トライへ。NY金が一段安となり、追随する展開となれば2020年6月安値圏790ドル近辺までが一段安の目安に。
ドル円は149銭のドル高円安、1.08%の大幅続伸で1898年8月31日(139.30)以来、23年11ヵ月ぶりのドル高円安水準に。CPI上振れの余波を受けて東京朝から堅調推移、137円30銭台から昼前には138円台、午後には138円台半ばへと一段高。欧州時間にもその勢いは衰えず、高値では139円30銭台まで上昇。7月FOMCでの1%利上げ観測台頭とFRB高官の0.75%利上げ支持発言などからNY市場にかけては139円を挟んで売り買い交錯。米6月PPIも市場予想を上回ったことで買われた場面でも139円30銭台の高値まで、NY終盤から今朝の東京市場にかけても139円前後の攻防状態に。日足レベルでは137円台半ばの節目上抜けに伴う短期上値目標138円台半ばにあっさり到達してなお一段高。FOMCに向けてタカ派観測再燃となれば140円の節目トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/14終値とチャート
15日の国内金価格は-11円、0.13%の反落。ゆるやかな上昇基調を維持する90日移動平均線(8447)を下抜けて急降下を続ける9日移動平均線(8380)のプレッシャーを受け、8370円の節目トライ目前で失速。目先は8280円から8370円までのレンジで保合い形成の様相にも。エネルギー充電もそこそこに上抜けへと向かえば8400円台回復も短期上値目安は90日線手前まで。7月安値更新となれば8200円近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは+29円、0.35%高で3週ぶりの反発。
プラチナ価格は-19円、0.46%の反落。弱気のパーフェクトオーダー完成で底打ちへ、とはならず、コンスタントに水準を切り下げる9日移動平均線(4157)の下押し圧力に押されて失速。今年2月以降の安値4100円前後の重要水準を割り込んでダブルトップも完成しての中期トレンド転換を示唆したのは一時的な行き過ぎにとどまって切り返した状態はなんとか維持。中期トレンド転換が意識される水準からしっかり反発し、弱気パーフェクトオーダーからも脱却へと向かうためには、4130円の節目超えが目前のハードル。飛び越えることができれば9日線も突破して4200円台前半へ。躓いて4070円の下限を割れるようだと中期トレンド崩れ再トライとなって一段安、短期的には4000円の大台割れへ。
週間ベースでは-95円、2.26%安で6週続落。6週続落は2021年6月以来、1年1ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格7/15とチャート
2022年7月15日(金)時点の相場
国内金:8,352 円 7/15(金) ▼11(0.13%)
国内プラチナ:4,110 円 7/15(金) ▼19(0.46%)
NY金:1,705.8 ドル 7/14(木) ▼29.7(1.71%)
NYプラチナ:817.3 ドル 7/14(木) ▼20.5(2.45%)
ドル円:138.92 円 7/14(木) ▲1.49(1.08%)
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