更新日:2022年10月29日(土)
商務省が発表した9月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は総合もコア指数も市場予想を下回りながらも、依然高止まり。コアPCEは上昇基調再開の兆しとなったことなどから強弱混在の印象も。
9月のPCE総合指数は前年比+6.24%。市場予想の+6.3%程度を下回り、8月の+6.22%からはわずかに上昇、ほぼ横ばい推移。40年5ヵ月ぶり高水準となった6月(+6.98)からは急減速も下げ渋り。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+5.15%。市場予想の+5.2%を下回るも8月の+4.89%を0.26%上回って続伸、3月(5.36)以来半年ぶりの高水準。約39年ぶり高水準となった2月の+5.42%をピークに7月の+4.67%まで鈍化しての再上昇。
セクタ別では商品価格が前年比+8.1%。3月と6月の+10.6%から3ヵ月連続の低下で昨年10月(7.5)以来、11ヵ月ぶりの低水準。相対的には依然高水準ながらピークアウト後の伸び率緩和は継続中。
サービス価格は前年比+5.3%。8月の+5.0%から上昇し、6月の+5.1%を上回って近年最高。2020年までの+2.0%前後からゆるやかに上昇し、2022年は+5%前後での推移が継続する高止まり状態のなかでの高値更新。
商品価格の行き過ぎたインフレは緩和傾向にあるものの、加速途上のサービス価格を上回る水準。
とりわけ、エネルギー関連価格は6月の前年比+40%超から3ヵ月連続の急低下でも10月は+20.3%。1年半連続20%超。食品価格も8月の+12.3%から9月は11.9%へと低下も5ヵ月連続で2桁の伸び率。
PCE構成品目の上下20-30%をカットして算出する、ダラス連銀のトリム平均PCEは前年比+4.74%。19ヵ月続伸で39年9ヵ月ぶり高水準となった8月からは横ばい推移。上昇ストップは20ヵ月ぶり。
PCE価格変動分布50%台の品目で算出する、クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+5.80%。8月の+5.76%からはわずかに上昇し、20ヵ月続伸で1982年8月(5.90)以来、40年1ヵ月ぶりの高水準。
微妙な結果を受けて次週、11月FOMCで予想されるFF金利は0.75%利上げが1週間前の95%から80%近辺まで縮小。5%程度だった0.5%利上げ予想が18%台まで増加。
ただし、基本方針に影響を及ぼす程ではなさそうです。
28日のNY金相場は-20.8ドル、1.25%の続落で10月20日(1636.8)以来、1週間ぶりの安値。時間外序盤に1660ドル台半ばから1670ドルまで小幅反発で失速、20日移動平均線(1674.3)手前で折り返す形となり、1660ドル台の節目突破に伴う短期上値目標1690ドル近辺トライは失敗。26日高値1679.4ドルまでにとどまると、徐々に上値を切り下げてこの日は一段安。米10年債利回りの4%台回復とドル高の流れに連れ、ロンドン市場までに1660ドルを割れるとNY朝には1650ドル割れ、NY午後には一時1640ドル近辺まで下落。その後の自律反発も1650ドル手前まで。二番底をつけての反発局面は腰折れも、目先は1630ドルから1670ドルまでのレンジで保ち合い形成の様相に。FOMCを経て下方向へと抜け出すようなら1600ドルの大台前後までが短期下値目安に、切り返して上方向へと抜け出すようなら1700ドルの大台回復トライへ。
週間ベースでは-11.5ドル、0.69%の反落。
NYプラチナは-18.3ドル、1.89%安で3日ぶりの反落。930ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標950ドル台到達後も勢い余って970ドル台半ばまで上昇した前日の高止まり状態から、この日の時間外序盤も上値再トライ。しかし960ドル台半ばから970ドル台半ばまで上昇も前日高値を超えられない状態が続くと失速、ロンドン市場で960ドルを割れるとNY市場では950ドル割れをかけた攻防状態に。NY午後には940ドル台半ばまで下げてNY引け後には950ドル近辺へ、200日移動平均線(949.1)にもサポートされた格好に。目先、200日線を割れると9月安値(796.8)から10月高値(974.1)までの23.6%戻し(932.3)、930ドル近辺がサポート候補。970ドル超へと反発すると上値トライ再開へ、短期的には990ドル近辺までが上値目標に。
週間ベースでは+15.2ドル、1.63%の続伸。
ドル円は123銭のドル高円安、0.84%高となって4日ぶりの反発。日銀の金融政策維持を受けて乱高下となった場面では146円台半ばから146円80銭台まで急騰後に146円割れへと急反落も、146円近辺では下げ渋り。黒田日銀総裁会見を受けて緩和姿勢を再確認すると147円台へ。欧州時間には米10年債利回り上昇とドル高の流れにもサポートされて147円80銭台まで上昇。NY市場ではPCEの結果を受けての乱高下も147円10銭台から80銭台までのレンジで147円台半ばに収束。2日ぶりに上抜けた20日移動平均線(147.07)にもサポートされた格好。短期下値目安145円近辺到達で下値トライ一服となり、目先は146円20銭から149円20銭までを主要レンジにFOMC待ちへ。下方向へと抜け出せば調整再開で144円台半ばまでが短期下値目安に、上方向へと抜け出すようなら調整局面終了、152円再トライへ。
週間ベースでは-15銭、0.1%の続落。続落は7月以来、3ヵ月ぶりで今年4度め。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/28終値とチャート
2022年10月29日(土)時点の相場
国内金:8,523 円 10/28(金) ▼23(0.27%)
国内プラチナ:4,867 円 10/28(金) ▲12(0.25%)
NY金:1,644.8 ドル 10/28(金) ▼20.8(1.25%)
NYプラチナ:949.1 ドル 10/28(金) ▼18.3(1.89%)
ドル円:147.48 円 10/28(金) ▲1.23(0.84%)
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