更新日:2023年1月25日(水)
2023年スタート月の総合PMI速報は、ユーロ圏も米国も予想を上回る好結果。ただしユーロ圏が7ヵ月ぶりに拡大基調を示す節目50を回復したのに対し、米国は7ヵ月連続の節目50割れで縮小基調が継続。
ユーロ圏の1月総合PMI速報値は50.2。市場予想の49.8を上回り、12月の49.3からも上昇。10月に47.3で底打ち後は3ヵ月続伸。サービス業PMIも50.7で6ヵ月ぶりに節目50超を回復。製造業PMIは48.8で7ヵ月連続の節目50割れも、3ヵ月続伸で5ヵ月ぶり高水準。
企業景況感は急上昇、今後の見通しは一段と改善し、受注減も減速。雇用の増加も従来よりも勢いを増しつつある様子。供給問題改善による投入コストインフレは更に緩和も、賃金上昇圧力は続き、販売価格インフレは高騰。
サービス業が回復基調先行も、製造業も追随の構図に。
国別ではドイツが総合PMIでは3ヵ月続伸、7ヵ月連続節目割れも7ヵ月ぶり高水準となる49.7で節目50回復へあと一歩。フランスは49.0で12月からは-0.1、3ヵ月連続節目割れでやや停滞気味。なお、ドイツはサービス業PMIが50.4と7ヵ月ぶりに節目回復に対し、フランスは製造業PMIが50.8となって5ヵ月ぶりに節目を回復。
米国の総合PMIは1月速報で46.6。市場予想の46.4を上回って12月の45.0からも上昇し、3ヵ月ぶり高水準。
サービス業PMIも46.6で3ヵ月ぶり高水準ながら、7ヵ月連続の節目50割れ。製造業PMIは46.8で3ヵ月連続の節目50割れ。2年7ヵ月ぶり低水準となった12月の46.2からは小幅に上昇。
米国はサービス業が減速基調を先行し、製造業も追随した流れから、いずれも底打ちの可能性を示しながらも回復はまだ限定的に。
コロナショック直後の回復基調では米国がユーロ圏に先行する流れとなったものの、その後の減速基調からはユーロ圏が米国に先行して回復へと向かい始めた格好に。
24日のNY金相場は+6.8ドル、0.35%高で4日続伸。昨年4月21日(1948.2)以来、9ヵ月ぶり高値圏での一段高。時間外は1930ドル近辺からロンドン序盤に1943.8ドルまで上昇。ドル安にサポートされ、1920ドル台の節目突破に伴う短期上値目標1940ドルにしっかり到達後には失速。NY市場にかけてはドルの反発に連れて1930ドル近辺へと調整、米1月PMIが予想を上回るとドル一段高に連れて一時1920ドル割れ。しかしリッチモンド連銀製造業指数が予想を下回ると巻き戻し、ドル安への反転とともに1930ドル台へと急反発。NY引け後にも1930ドル台後半を維持して高止まり、やや調整不足の感もありながら、もう一段の行き過ぎ目安として1970ドル近辺も。下値サポートは1900ドル。
NYプラチナは+10.5ドル、0.99%高で3日続伸。1月13日(1072.5)以来10日ぶり高値となり、レジスタンスにもなりつつあった右肩上がりの20日移動平均線(1065.9)を上抜け。1050ドル台後半からゆるやかに反発基調継続の流れとなり、NY市場での乱高下局面では1050ドル割れを回避し、反発後のNY午後には1060ドル台半ばへ。流れとしては、下ヒゲ陰線で底打ち後に3日連続下ヒゲ陽線となり、反発力の強さを示唆。しかし、NY金の上値トライ一服感に上値を抑制されやすい状況にも。波乱要因となり得る週後半の米指標結果を受けて1040ドルのサポートを維持できなくなると1020ドル近辺までの一段安も。
ドル円は51銭のドル安円高、0.39%安で3日ぶりの反落。2日連続1円超の陽線を形成し、2ヵ月半下げ続けるレジスタンスライン、20日移動平均線(130.84)に上値を押さえられての調整。東京朝の130円60銭近辺から欧州時間序盤に129円70銭台まで下げてこの日の安値をつけ、130円台を回復して下げ渋るとNY時間には米1月指標に反応して乱高下。PMIの好結果には131円10銭台まで急騰後、低調となったリッチモンド連銀製造業指数には全戻し、NY午後には一時129円80銭台まで下げて下げ渋り、NY終盤には130円台を回復。20日線から131円ラインまでが目先の抵抗水準となり、これを上抜けると下落トレンド脱却へ、短期的には133円台回復が上値目標に。上抜けできない限り、戻り売り警戒感がくすぶる展開に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート
25日の国内金価格は+20円、0.23%高で5日続伸。直近8日のうち7日上昇し、4営業日連続今年高値を更新、昨年6月13日(8859)以来、7ヵ月ぶり高値圏での一段高で過去4番めの高値。5日続伸は昨年10月以来、3ヵ月半ぶり。過熱感もそれなりで反落となりやすい状況も、ここで反落すると昨年3月の過去最高値(8860)と6月高値と合わせてトリプルトップ形成への警戒感も高まることにもなり、やや強めの抵抗水準となる可能性も。今年はいずれ過去最高値更新が予想されるものの、そのタイミングがいったん先送りされることにも。
プラチナ価格は+15円、0.31%高で3日続伸。反発後のもたつき感もありながら、右肩下がりの9日移動平均線(4726)と21日移動平均線(4755)上抜け後に4770円の節目も上抜け。短期的には4830円近辺までの上昇余地も。金価格の一服感が上値抑制要因となりうる状況ながら、上昇軌道の90日移動平均線(4701)が当面の下値サポートにも。
※参考:金プラチナ国内価格1/25とチャート
2023年1月25日(水)時点の相場
国内金:8,857 円 1/25(水) ▲20(0.23%)
国内プラチナ:4,782 円 1/25(水) ▲15(0.31%)
NY金:1,935.4 ドル 1/24(火) ▲6.8(0.35%)
NYプラチナ:1,066.8 ドル 1/24(火) ▲10.5(0.99%)
ドル円:130.18 円 1/24(火) ▼0.51(0.39%)
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