更新日:2023年6月1日(木)
順調に?減少傾向となりつつあったように見えた求人件数は予想外の上振れ。高止まりとなってドルも高止まりの様相に・・・。
米労働省が発表した4月の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は1010.3万件。市場予想の940.0万件を大幅に上回り、3月の974.5万件も上回って4ヵ月ぶりの増加。水準としては3ヵ月ぶりの高水準。
なお、4月の失業者数は565.7万人となっており、2000年12月(563.4)以来22年4ヵ月ぶりの低水準。
この結果、4月の失業者1人あたりの求人件数、求人倍率は1.786件。1年4ヵ月ぶり低水準となった3月(1.669)から上昇し、これも3ヵ月ぶりの高水準。
これまでの大幅利上げにもかかわらず、失業者数の減少は未だに止まらず。労働需要が供給を大幅に上回る状態も続き、ピークアウト後の減少傾向加速の兆しかと思えば高止まり。
そんな状況を見越したかのように追加利上げ観測が優勢となっていたにも拘わらず、この日は複数のFRB高官からの6月利上げ見送り示唆発言を受けて6月FOMCでのFF金利見通しは据え置き予想が60%超へと形成逆転。
週末のイベント通過後には、また状況が一変している可能性も警戒されそうです。
31日のNY金は+5.0ドル、0.25%高で3日続伸。5月17日(1984.9)以来、2週間ぶりの高値。アジア時間での1970ドル付近までが浅めの押し目となり、ロンドン・NYにかけて小幅に買われる展開。NY市場では5月のシカゴPMIが予想を大幅に下回って半年ぶり低水準へと急低下となったことを受けてのドル安で1980ドル台から1990ドル台へと急騰。しかし4月の求人件数が予想外に上ブレて巻き戻し、1980ドル割れへと急反落、ただしこれも続かず、米10年債利回り低下を受けて1990ドル台へと再上昇。それでも1980ドル台の節目超えを維持することはできずNY午後には1980ドル台前半へ。ジェファーソンFRB理事やフィラデルフィア連銀ハーカー総裁の6月利上げ見送り支持発言などにサポートされながらも、雇用統計前というタイミングもあり、1980ドル台の節目突破も先送り。雇用統計通過後に節目突破となれば大台回復トライへ、5月高値(2085.4)から5月安値(1936.0)の半値戻し(2010.7)近辺までが短期上値目標に。
月間ベースでは-17.0ドル、0.85%安で3ヵ月ぶりの反落。
NYプラチナは-22.9ドル、2.24%の続落で4月3日(996.4)以来、2ヵ月ぶりの安値。アジア時間での小反発では1030ドルに届かず失速、戻り売りの展開では90日移動平均線(1016.9)にいったんはサポートされる格好にもなったものの、NY朝にかけての再トライでこれを割れると一段安となって1000ドルの大台割れへ、NY引け後には大台回復をかけた攻防状態に。1050ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1000ドル前後にしっかり到達。安値では997.8ドルをつけ、2月の今年安値(903.9)から4月の今年高値(1148.9)までの61.8%戻し(997.5)もほぼ達成し、一服感も。自律反発では90日線を回復できれば地合い回復も見込まれる反面、雇用統計を受けてNY金が反落方向へと向かい、これに追随する展開となった場合にはもう一段の行き過ぎの展開にも。短中期的には今年安値圏900ドル台前半が意識される可能性も。
月間ベースでは-91.1ドル、8.36%安で3ヵ月ぶりの反落。2021年11月(-93.4ドル、9.15%)以来、1年半ぶりの急落。
ドル円は48銭のドル安円高、0.34%安で3日続落。5月23日(138.59)以来、1週間ぶり安値圏での軟調推移が続いて9日移動平均線(139.42)割れ。139円台後半を中心に保ち合い推移となり、NY市場では乱高下。シカゴPMIの下振れを受けて下落も求人件数の上振れで急反発、高値では一時140円40銭付近まで上昇も、その後は軟調推移。米10年債利回り低下と複数のFRB高官による6月利上げ見送り発言などを受けてNY午後には139円台前半へ。今朝の東京市場では一時138円90銭台まで下げて139円40銭台へと反発。雇用統計後に当面の下値サポート138円近辺を割り込むようだともう一段の下値トライへ、3月安値(129.64)から5月高値(140.93)の38.2%戻し(136.62)近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/31終値とチャート
1日の国内金価格はわずかに-1円、0.01%の小反落。9620円の節目上抜けに伴う短期上値目標9700円近辺を目指す流れがややフライング気味となったことでいったん足踏み状態に。失速状態のまま反落へと向かう展開も否定できないものの、NY金が節目突破なら追随する可能性も。9日移動平均線(9604)、21日移動平均線(9591)にもサポートされつつ収束状態となって目先の急変動も示唆。
プラチナ価格は-126円、2.53%の大幅続落。4960円の節目割れに伴う短期下値目安4920円近辺を突き抜けて4月17日(4832)以来、1ヵ月半ぶりの安値。2月の今年安値(4289)から5月の今年高値(5197)までの38.2%戻し(4850)をほぼ達成し、一服感も。ただし雇用統計後に一段安の展開となった場合には半値戻し(4743)近辺までが短中期的な下値警戒水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/1とチャート
2023年6月1日(木)時点の相場
国内金:9,623 円 6/1(木) ▼1(0.01%)
国内プラチナ:4,853 円 6/1(木) ▼126(2.53%)
NY金:1,982.1 ドル 5/31(水) ▲5.0(0.25%)
NYプラチナ:999.0 ドル 5/31(水) ▼22.9(2.24%)
ドル円:139.31 円 5/31(水) ▼0.48(0.34%)
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