更新日:2023年7月14日(金)
消費者物価、CPIに続いて生産者物価PPIでもインフレ鈍化は鮮明となり、米10年債利回りはこの日も大幅低下となって4日続落、ドル急落の流れも続いてドルインデックスは1年3ヵ月ぶり低水準での一段安。
米6月生産者物価指数、PPIは前年比+0.13%。市場予想の+0.4%を大幅に下回り、5月の+0.89%からも急低下。12ヵ月連続の低下となり、2020年8月(-0.25)以来、2年10ヵ月ぶりの低水準。
コロナショックでの前年割れ状態から回復して以降、最低水準となり、前年割れ目前。
なお、PPIとしては過去平均+2.66%、2019年までの平均+1.70%も既に大きく下回る状態となり、ディスインフレどころかデフレ警戒水準にも。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+2.42%。これも市場予想の+2.6%を下回り、5月の+2.60%からも低下。15ヵ月連続の低下となり、2021年1月(1.94)以来、2年5ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除くコアPPI2は前年比+2.62%。5月の+2.82%を下回り、4ヵ月連続の低下で2021年2月(2.33)以来、2年4ヵ月ぶりの低水準。
2019年までの過去平均はコアPPIが+1.80%、コアPPI2が+1.72%。いずれも平年並みにはあと少し。
なお、この日発表された新規失業保険申請件数は前週から減少し、トレンドを示す4週移動平均でも2週連続の低下となって増加傾向は一服状態。失業保険継続受給者数も、4ヵ月ぶり低水準となった前週からは小幅増。
インフレ鈍化は鮮明となる一方、労働市場の悪化はそれほど進まず。7月利上げ後の打ち止め観測も、それほど進行せず。
13日のNY金は+2.1ドル、0.11%の小幅高で3日続伸。6月16日(1971.2)以来、1ヵ月ぶり高値水準での小動き。1960ドル台を中心に小幅保ち合い推移となり、NY朝には米6月PPIが予想以上の鈍化、新規失業保険申請件数は予想以上に減少したことを受けて小幅に乱高下、この日の安値となる1950ドル台半ばまで下げた直後に1970ドル手前まで急反発。これが高値となってNY午後には1960ドル台半ばに収束。1930ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、5月高値(2085.4)から6月安値(1900.6)の38.2%戻し(1971.2)付近にさらに接近、ほぼ到達状態ながら右肩上がりの90日移動平均線(1970.9)目前での足踏み状態も継続。短期的には反発局面一服となりやすい反面、1970ドル台の節目をしっかり上抜けると短中期的にも地合い改善へ。
NYプラチナは+26.8ドル、2.8%の大幅続伸で6月16日(987.3)以来、1ヵ月ぶりの高値。時間外序盤に960ドルをわずかに割り込んだところが安値となって堅調推移。アジア時間には960ドル台後半、ロンドン・NY朝にかけて970ドル台、NY午後には980ドル台後半まで上昇。930ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、4月高値(1148.9)から6月安値(894.2)の23.6%戻し(954.3)近辺到達後も上げ止まらず、38.2%戻し(991.5)付近まで上昇。次なる節目50%戻し(1021.6)に向けては200日線(996.8)、1000ドルの大台、90日線(1012.1)など複数の抵抗線候補を突破する必要。
ドル円は48銭のドル安円高、0.35%安で6日続落。5月19日(137.97)以来、ほぼ2ヵ月ぶり安値圏で下げ止まらず。6日続落は2020年11月以来、2年8ヵ月ぶり。東京朝には138円割れを回避して138円台半ばへと反発、東京市場終了時には138円80銭台まで上昇。しかし欧州時間には上値も重く、138円台半ばでの保ち合い推移。NY市場朝にはPPI鈍化と失業保険申請件数の改善を受けての乱高下で一時139円手前まで急騰も、その後は軟調推移。米10年債利回りが3.8%割れへと一段と低下した流れにも連れ、138円割れをかけた攻防状態へ。ここ数年はタカ派の代表格のようにも見られたセントルイス連銀ブラード総裁の辞任報道も重石となった可能性も。短期的には多少の自律反発も想定されるものの、重要水準139円前後を明確に下抜けての一段安となり、短中期的には3月安値(129.64)から6月高値(145.07)の61.8%戻し(135.53)近辺までを目安に軟調局面が続きやすい状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/13終値とチャート
14日の国内金価格は前日から-5円、0.05%の小幅下落。横ばい推移を挟んで6日続落となり、4月28日(9350)以来2ヵ月半ぶり安値圏での軟調推移。6日続落は2022年4月以来、1年3ヵ月ぶり。最高値圏でのダブルトップ形成からの下値目安9500円、4月末安値(9341)から7月高値(9772)の61.8%戻し(9506)近辺到達後の一服状態は継続。短期的には自律反発も入りやすい状況ながら、NY金の反発一服感に対してドル安円高の勢いが上回る状態となり、連休を挟んでのオーバーランへの警戒感も。下値警戒水準としては76.4%戻し(9443)近辺、反発目標は最高値からの下落幅の23.6%戻し(9563)近辺。
週間ベースでは-156円、1.62%の大幅続落。下げ幅としては今年最大、昨年12月半ば以来、7ヵ月ぶりの急落。
プラチナ価格は+86円、1.88%の大幅続伸で6月27日(4651)以来、半月ぶりの高値。くじら幕での鍋底を形成して底打ち、反発への可能性を示唆したとおりの展開となり、4570円超へと抜け出したことに伴う一段高。4630円程度までの短期上値目標を突き抜けて右肩下がりの21日移動平均線(4634)も上抜け。短期的にはやや行き過ぎ感も強まるものの、21日線超を維持できれば短中期的にも地合い回復、いずれ水平状態の90日移動平均線(4778)が意識されるような展開にも。
週間ベースでは+139円、3.08%高となって5週ぶりの反発。上げ幅としては4月以来、3ヵ月ぶりの大幅高。
※参考:金プラチナ国内価格7/14とチャート
2023年7月14日(金)時点の相場
国内金:9,499 円 7/14(金) ▼5(0.05%)
国内プラチナ:4,651 円 7/14(金) ▲86(1.88%)
NY金:1,963.8 ドル 7/13(木) ▲2.1(0.11%)
NYプラチナ:983.4 ドル 7/13(木) ▲26.8(2.80%)
ドル円:138.06 円 7/13(木) ▼0.48(0.35%)
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