更新日:2023年11月15日(水)
コアCPIの下げ渋りも予想されていた米10月消費者物価は予想を下回り、インフレ鈍化進行が確認されて米10年債利回りは4.6%台から4.4%台へと急低下、ドルインデックスも105ポイント台後半から104ポイント付近まで急降下。
12月の追加利上げ観測も10%台からほぼ0%へと後退。NY金も急騰で反応。
CPIは前年比+3.24%。市場予想の+3.3%を下回り、9月から0.46%低下、3ヵ月ぶりの低下で3ヵ月ぶりの低水準。2年7ヵ月では3番めの低水準。
コアCPIは前年比+4.03%。市場予想の+4.1%を下回り、7ヵ月続落となって2021年9月(4.03)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別では、
食品とエネルギーを除くモノの価格(ウェイト21%)が前年比+0.1%。3年2ヵ月ぶり低水準となった9月の0.0%を小幅に上回り、6ヵ月ぶりに上昇。
エネルギーを除くサービス価格(ウェイト58%)は前年比+5.5%。9月の+5.7%を下回って8ヵ月連続の低下、1年3ヵ月ぶりの低水準。
食品価格(ウェイト13%)は+3.3%。14ヵ月連続の低下で2年4ヵ月ぶりの低水準。
エネルギー価格(ウェイト7%)は-4.5%。7ヵ月ぶり高水準となった9月(-0.5)から4ヵ月ぶりに反落。
主要項目別では、
ウエイト25.7%を占める帰属家賃が前年比+6.8%。9月の+7.1%を下回り、6ヵ月連続の低下で1年1ヵ月ぶりの低水準。
ウェイト7.6%の賃貸住宅は+7.2%。9月の+7.4%を下回り、6ヵ月連続の低下で1年1ヵ月ぶりの低水準。
ガソリン価格(ウェイト3.6%)は前年比-5.3%。10ヵ月ぶり高水準となった9月の+3.0%から3ヵ月ぶり低水準へと反落。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+5.28%。過去最高の2月(7.20)から8ヵ月続落で1年7ヵ月ぶりの低水準。
同、16%トリム平均CPIは前年比+4.11%。過去最高の9月(7.31)から13ヵ月続落で2年ぶり低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは前年比+4.95%。8ヵ月続落で1年半ぶりの低水準。
水準はともかく、消費者物価はどこを切っても順調に、インフレ鈍化が進行中。
14日のNY金は+16.3ドル、0.84%の続伸で11月9日(1969.8)以来の高値水準を回復。1950ドル付近での小康状態から、NY市場では米10月CPIが事前予想を下回ったことを受け、瞬間的な下ブレを挟んで1960ドル台へと急騰。高値では11月8日(1977.5)以来となる1970ドル台半ばまで上昇も、節目となる1970ドル台は維持し切れず、NY午後には1970ドル割れ。結果的に1930ドル台から1970ドルまでの保合いレンジの下限から上限まで急騰して一服。上方向には20日移動平均線(1981.6)もレジスタンスとなる一方で、下方向には90-200日移動平均線(1947.0-1948.3)にサポートされつつある状態にも。イベント通過で一服傾向ながら、1970ドルの上限突破となれば2000ドルの大台付近を目指す流れとなる可能性。
NYプラチナは+29.2ドル、3.38%の続伸で11月7日(898.0)以来、1週間ぶりの高値。今年の騰落率平均1.33%の2.5倍超の急騰。NY市場でCPI後のNY金の急騰に追随し、870ドル付近から890ドル台へと水準を切り上げ、NY午後につけた高値は890ドル台半ば。10月高値(951.8)から11月安値(843.1)の半値戻し(897.5)付近まで上昇し、NY引け後には890ドル付近へと失速。もう一段の地合い回復に向けては900ドルの大台から20日移動平均線(903.2)、61.8%戻し(910.3)辺りまでが抵抗水準とならないことが必要条件に。
ドル円は133銭のドル安円高、0.88%安となって7日ぶりの反落。11月6日(150.05)以来、1週間ぶりの安値。ほぼ151円60銭台での小幅保合いで東京・欧州時間を通過し、NY市場では米10月CPI結果を受けて151円割れへと急落。150円80銭近辺ではいったん下げ渋るも、NY午後には軟調推移再開となって150円10銭台まで下落。NY終盤には20日移動平均線(150.37)近辺へと下げ渋り。今朝の東京市場では150円半ばで下げ渋る状態。目先、20日線を割れるようだと下値トライへの警戒感も。10月31日高値と11月13日高値で構成するダブルトップのネックラインにも相当する149円30銭が当面の下値サポート。これを割れるとダブルトップ完成で短期下値目安は147円近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/14終値とチャート
15日の国内金価格は+6円、0.06%の小幅続伸。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(10396)とゆっくりと下降する9日移動平均線(10400)との板挟み状態は続いて身動きが取れないかのような状態でほぼ横ばい推移。NY金とドル円とのバランス均衡となっての小康状態で最高値付近での保合い継続。目先、小康状態継続となりやすい状況も10440円超へと抜け出せば高値トライへ、短期上値目標は10500円付近まで。10350円のサポートを割れると10270円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+48円、1.04%の続伸で11月8日(4706)以来、1週間ぶりの高値。水平状態の90日移動平均線(4672)を上抜けて11月高値(4923)から安値(4521)の38.2%戻し(4675)も達成し、一定の反発をこなした格好にも。一服感も生じやすい反面、急降下する9日移動平均線(4688)、ほぼ水平移動の21日移動平均線(4703)を上抜けると半値戻し(4722)も射程圏内に。
※参考:金プラチナ国内価格11/15とチャート
2023年11月15日(水)時点の相場
国内金:10,400 円 11/15(水) ▲6(0.06%)
国内プラチナ:4,677 円 11/15(水) ▲48(1.04%)
NY金:1,966.5 ドル 11/14(火) ▲16.3(0.84%)
NYプラチナ:892.8 ドル 11/14(火) ▲29.2(3.38%)
ドル円:150.39 円 11/14(火) ▼1.33(0.88%)
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