更新日:2024年1月25日(木)
2024年スタート月の総合PMIは米欧で微妙に格差拡大。
ユーロ圏総合PMIは好不況の節目50割れが続くものの緩やかに回復、製造業が押し上げ。
ユーロ圏総合PMIは1月速報で47.9。12月から0.3ポイント上昇し、7月(48.6)以来半年ぶりの高水準。節目50割れは8ヵ月連続、10月(46.5)で底打ち後はゆるやかに回復基調。
ドイツが47.1で小幅に続落となって3ヵ月ぶり低水準。フランスは44.2で4ヵ月ぶりの低水準、3年2ヵ月間では2番めの低水準。国別では主要2カ国が失速し、速報値が発表されないアイルランド、スペイン、イタリアが牽引役となった模様。
業種別ではサービス業が失速したのに対し、製造業の回復基調が総合PMIを押し上げた格好。
ユーロ圏のサービス業PMIは48.4。12月からは-0.4で3ヵ月ぶりの低水準。ドイツが47.6で5ヵ月ぶり低水準。フランスは45.0で4ヵ月ぶり低水準、3年2ヵ月では2番めの低水準。8ヵ月連続で節目50割れ、ドイツとユーロ圏を下回るのは10ヵ月連続。サービス業でもフランスの低調ぶりが目立つ状況。
ユーロ圏の製造業PMIは46.6。12月から+2.2で3ヵ月続伸、10ヵ月ぶりの高水準。ドイツは45.4で6ヵ月続伸、11ヵ月ぶりの高水準。フランスは43.2で4ヵ月ぶりの高水準。ドイツがフランスを上回るのも2ヵ月連続となり、製造業の回復基調でもフランスが遅れを取る展開。
ユーロ圏のスローペース回復に対して米国は拡大局面でさらに予想外の加速。
米1月総合PMI速報は52.3。続伸で7ヵ月ぶり高水準。サービス業PMIは52.9。4ヵ月続伸で7ヵ月ぶりの高水準。節目50超は12ヵ月連続。製造業PMIは50.3。12月から+2.4の急反発で3ヵ月ぶりの節目5回復で1年3ヵ月ぶりの高水準。
堅調な内需に支えられての堅調推移となり、FRBの早期利下げ観測後退要因となり、この日のユーロ高ドル安の巻き戻し要因にも。
24日のNY金は-9.8ドル、0.48%の反落で1月17日(2006.5)以来、1週間ぶりの安値。アジア時間に2020ドル台半ばまで下押し後、ロンドン・NY朝にかけてはユーロドルの上昇にも連れて2030ドル台後半まで上昇。しかし米1月PMI速報の上ブレを受けて流れが反転。米長期金利急騰とドル高の流れに連れての急反落でNY午後には2010ドル台へ。2010ドル付近では下げ渋る状態も、上値も2030ドルの節目超えでは上ヒゲを残して失速する展開が続き、下落基調の20日移動平均線(2042.6)もレジスタンスに加勢。週末のPCEから次週FOMC、雇用統計までの一連のイベントウィークで急変動も警戒される反面、警戒感からの膠着状態にも。2030ドルを完全に上抜けると今年高値圏再トライへ、2000ドルの大台割れなら1970ドル台辺りまで下値余地拡大へ。
NYプラチナは+9.4ドル、1.04%の続伸で1月12日(921.1)以来の高値。アジア時間の910ドル付近からロンドン・NY朝にかけて920ドル近辺へと上昇。NY市場では920ドル台前半の高値からの反落で910ドル台へ。NY引け後には910ドル割れとなってほぼ上に行って来い。水平状態の90日移動平均線(922.7)にしっかり上値を押さえられ、3日前の高値(924.0)にも少し届かず、920ドルの節目への抵抗感は増す状況に。これを突破できたなら12月高値(1031.0)から1月安値(883.2)の38.2%戻し(939.7)近辺が上値目標。下方向へは900ドルの大台ラインが目先のサポートに、割れると870ドル近辺までを目安に一段安の展開へ。
ドル円は88銭のドル安円高、0.59%の反落で1月16日(147.19)以来、1週間ぶりの安値。前日NY午後につけた高値148円70銭近辺からの軟調局面はこの日の東京時間も継続。東京朝には148円30銭近辺から148円割れトライ、午後には147円70銭台へと水準を切り下ると欧州時間には147円半ばへと一段安、NY朝にかけてはユーロドル上昇にも連れて146円60銭台まで下落。しかし米1月製造業、非製造業PMIがいずれも予想外の好結果となったことを受けて巻き戻しの流れとなり、NY終盤には147円半ばを回復。結果的にラウンドトップ形成後の反落局面入りの兆しも90日移動平均線(147.54)にサポートされて下げ渋り。目先はGDP、PCEなどの結果に敏感に反応する可能性もあり、一段安か下げ渋りか、場合によっては一段高トライか。下方向へは12月安値(140.26)から1月高値(148.80)の23.6%戻し(146.78)をこの日安値で達成し、引き続き目先のサポートにも。さらに一段安なら38.2%戻し(145.54)近辺も。148円40銭超へと切り返すようなら149円台前半再トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート
25日の国内金価格は-93円、0.88%の反落で1月18日(10472)以来、1週間ぶりの安値。10560円の節目上抜けに伴う短期上値目標10600円台トライは失敗。節目上抜け自体が若干の行き過ぎだったことになり、巻き戻しの展開へ。今度は10530円の節目を割り込んだことから調整へ、短期下値目安、直近の押し目となった10470円近辺にも即到達。目先は調整一服となって10570円までの高値保ち合い形成にも。10470円超へと切り返す展開となれば10650円近辺までを目標に上値再トライへ。ただし調整局面継続となった場合には12月安値(10115)から1月高値(10569)の半値戻し(10342)、10350円近辺までが次の目標水準に。
国内プラチナ価格は-9円、0.19%の反落。中期三角保合い中間ライン回復再トライは進まず、振幅幅を縮小して短期的には小さな三角保合いを形成する形にもなって仕切り直しの様相にも。4700円の節目を上抜けると短中期トレンドに変化の兆しも、4750円近辺までが短期上値目標。4630円の節目を割り込めば今年安値更新へ、4570円程度までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格1/25とチャート
2024年1月25日(木)時点の相場
国内金:10,476 円 1/25(木) ▼93(0.88%)
国内プラチナ:4,651 円 1/25(木) ▼9(0.19%)
NY金:2,016.0 ドル 1/24(水) ▼9.8(0.48%)
NYプラチナ:914.9 ドル 1/24(水) ▲9.4(1.04%)
ドル円:147.50 円 1/24(水) ▼0.88(0.59%)
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