更新日:2024年2月7日(水)
ワールドゴールドカウンシル発表のレポートによれば、2023年第4四半期の世界の金需要は1149.8トン。前期比-16.4トン(1.4%)で2四半期ぶりの減少、前年比では-153.6トン(11.8%)で2四半期連続減。
投資需要が大幅増、産業用も堅調。
<目的別需要>
■宝飾品:581.5トン※4四半期ぶり高水準。前期比+0.3ン(0.1%)、前年比-20.3トン(3.4%)。シェア50.6%※6四半期ぶり高水準。
■産業用:80.6トン※7四半期ぶり高水準。前期比+5.3トン(7.0%)、前年比+8.6トン(11.9%)。シェア7.0%※2四半期ぶり高水準
■投資:258.3トン※3四半期ぶり高水準。前期比+101.8トン(65.1%)、前年比+10.9トン(4.4%)。シェア22.5%※2四半期ぶり高水準。
■中央銀行:229.4トン※2四半期ぶり低水準。13四半期連続買い越し、前期比-123.8トン(35.1%)、前年比-152.7トン(40.0%)。シェア20.0%※2四半期ぶり低水準。
※トルコ、中国、ヨルダン、ポーランド、イラク、チェコ、カタールなどで増加。ボリビア、カザフスタン、ウズベキスタン、インドなどでは減少。
<投資需要・内訳>
■現物:313.8トン※4四半期ぶり高水準。前期比+18.3トン(6.2%)、前年比-22.8トン(6.8%)
■ETF:-55.6トン※7四半期連続の売り越し。7四半期連続は2014年以来。
ETFの売り越し幅は2四半期ぶりに縮小。価格水準は前期の1928.5ドルから1971.5ドルへと反発。過去最高となった第2四半期(1975.9)に次ぐ高値。
<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた世界の金消費需要は895.4トン。前期比+18.6トン(2.1%)、前年比-43.1トン(4.6%)で2四半期ぶり低水準。全需要に対するシェアは77.9%で2四半期ぶり高水準。
★1位インド、2位中国は4四半期ぶりの逆転。季節的にも需要増となるインドの宝飾品需要は199.6トンで4四半期ぶり高水準。中国の宝飾品需要は148.5トンで2四半期ぶり低水準。現物投資需要はインドが66.7トンで2年ぶり高水準、中国は82.7トンで11四半期ぶり高水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは55.6%で8四半期ぶり高水準。
<世界の金消費大国>
世界の金消費需要上位3カ国の合計シェアは61%。1位インドは266.2トンで前期比+26.6%、4四半期ぶり高水準。2位中国は231.2トンで前期比-1.9%、2四半期ぶり低水準。3位米国は72.2トン(+43.3%)で4四半期ぶり高水準。
4位トルコは42.1トン(+1.0%)で2四半期ぶり高水準。※3-4位は前期から順位変動なし。
5位ロシアは19.6トン(+0.1%)でほぼ横ばい、1ランクUP。
6位ドイツは+17.4%で4四半期ぶり高水準、2ランクUP。
7位タイは+16.2%で4年半ぶり高水準、2ランクUP。
8位イランは-15.9%で6四半期ぶり低水準、3ランクDOWN。
9位ベトナムは+15.7%で2四半期ぶり高水準、4ランクUP。
10位UAEは+6.2%で2四半期ぶり高水準、2ランクUP。
前期7位のサウジアラビアは12位へ。
日本は3.0トンで3四半期ぶり低水準、22位から29位へとダウン。
<リサイクルと供給量>
リサイクルは312.9トンとなって前期比+24.1トン(8.3%)、2四半期ぶりの高水準。鉱山産出量は930.8トンで前期比-21.4トン(2.2%)。総供給量は1221.4トンとなり、前期比-39.4トン(3.1%)で2四半期ぶり低水準。
<需給バランス>
需給バランスは+71.5トン、4四半期連続の供給余剰。
6日のNY金は+8.5ドル、0.42%高で3日ぶりの反発。2040ドル台前半が主要レンジとなった時間外は小幅保ち合い推移、NY市場では米10年債利回り低下とドル安の流れに連れて2050ドル台へと上昇。ただしNY午後につけた高値も2050ドル台半ばまでにとどまり、NY引けにかけては2050ドル付近へ。この日の変動値幅は16.5ドルで今年の平均25.3ドルの6割程度、今年3番めの小動き。目先の主要レンジ下限を2040ドルに切り上げ、これを維持できない場合には再び2010ドルへ引き下げ。過去にも抵抗水準となってきた2050ドル近辺が目先のレジスタンス候補となり、突破できれば2070ドル台の上限トライへと向かう可能性も。2070ドル台の節目超えとなった場合には年末高値圏2090ドル近辺トライへ。
NYプラチナは+7.5ドル、0.83%の続伸。アジア時間には900ドル台半ばからゆるやかな上昇基調、ロンドン序盤に910ドル台到達で失速すると900ドル近辺へと反落。一時わずかながら大台割れも、前日安値(897.2)を下回らずに切り返すとNY市場では金の上昇局面に追随、910ドル台再トライとなって高値では910ドル台半ばまで上昇。しかし、右肩下がりの20日移動平均線(915.4)に上値を押さえられて失速、NY引けにかけては910ドル台をなんとか維持。下値サポートを890ドルから900ドルに切り上げ、ゆるやかに下値切り上げの構図に、ただしこれを割り込むようなら11月安値(843.1)近辺トライへ。上方向には20日線を突破できれば940ドルの上限トライのチャンスをうかがう展開にも。940ドルの節目超えなら反発局面加速へ、990ドル近辺を目指す流れにも。
ドル円は76銭のドル安円高、0.51%安で3日ぶりの反落。148円50銭を挟んでの小幅揉み合い推移となった東京午前から、午後には148円30銭台まで小幅に軟調推移。米10年債利回りがゆるやかに上昇した欧州時間にはドル高の流れとなって148円70銭台まで上昇。今年高値となった前日高値(148.89)手前で失速するとNY市場では米10年債利回り低下となってドル安基調へと反転、NY午後には148円割れへ、安値では147円80銭台まで下落して下げ渋り。148円40銭の節目上抜けに伴う短期上値目標149円台後半トライは失敗、149円手前までで失速して折り返す形となり、148円70銭が当面の上限に。あらためてこれをしっかり上抜けると上値再トライへ、短期上値目標は150円台後半へと引き上げ。目先の下値サポート候補は20日移動平均線(147.33)から90日移動平均線(147.41)。146円40銭の節目を下抜けた場合には調整局面入りへ、12月末安値(140.26)から2月高値(148.89)の半値戻し(144.58)近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート
7日の国内金価格は+8円、0.08%の小反発。上昇軌道を維持する9日移動平均線(10567)手前で下げ渋り、強気のパーフェクトオーダーを維持して流れ的には高値再トライへの準備は整う状態ながら、きっかけ不足。次週のCPIまで高値保ち合いを維持する展開となれば、結果次第で一段高トライかもしくは調整局面入りへの分岐点、といった展開にも。早期の高値更新で640円台を超えた場合の高値目安は10680円台辺りまで。12月安値から2月高値(10642)の23.6%戻し(10518)から21日移動平均線(10515)近辺までが目先のサポート候補に。
プラチナ価格は+9円、0.19%の小幅続伸。中期三角保合い下限ラインの少し手前で折り返した流れが続き、勢いには欠けるものの下降する21日移動平均線(4662)を上抜け、水平状態の9日移動平均線(4683)も目前に。これを上抜けると90日移動平均線(4697)から4700円の中期三角保合い中間ラインが当面の、重要な攻防ライン。4640円の節目割れへと反落の場合には一段安トライ、中期三角保合い崩れとなって11月安値(4521)近辺までが短期下値目安。
※参考:金プラチナ国内価格2/7とチャート
2024年2月7日(水)時点の相場
国内金:10,596 円 2/7(水) ▲8(0.08%)
国内プラチナ:4,669 円 2/7(水) ▲9(0.19%)
NY金:2,051.4 ドル 2/6(火) ▲8.5(0.42%)
NYプラチナ:911.0 ドル 2/6(火) ▲7.5(0.83%)
ドル円:147.93 円 2/6(火) ▼0.76(0.51%)
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