更新日:2024年12月19日(木)
米株などが全面安となり、ダウ工業株30種平均が1000ドル超の一段安で50年ぶりの10日続落となった日。FOMCでは市場予想どおり(と思われた)0.25%の追加利下げを決定。ドットチャートで示される2025年以降の利下げ見通しも、2025年は0.25%×2回が中央値。前回9月(0.25%×4回)から半減、タカ派寄りに傾斜、今回の予想もある程度分かれていたこともあり、若干サプライス気味の反応にも。
インフレ見通しが引き上げられ、PCEの2025年末予想中央値は2.5%(前回9月は2.1%)、コアPCEは2.5%(前回2.2%)、コアPCEの2026年末予想も前回の2.0%から2.2%へと引き上げられ、インフレの下げ渋りに苦戦する状況が浮き彫りに。
また、中立金利と見なされるFF金利の長期見通し中央値は3.00%(平均では3.112%)となり、前回9月の2.875%(平均2.993%)から引き上げ。
長期見通しが3%以上となるのは2018年9月(3.000)以来、6年3ヵ月ぶりのこと。平均が3%以上となるのは2016年6月(3.141)以来、8年半ぶり。
かなりタカ派寄りに傾斜したFOMCを経て、米10年債利回りは6ヵ月半ぶりの高水準へと上昇し、ドル高の勢いも強まり、NY金は急落。
18日のNY金は-8.7ドル、0.33%安で5日続落。12月5日(2648.4)以来、2週間ぶりの安値。5日続落は11月以来、1ヵ月ぶりで今年4回め。アジア時間の2660ドル台後半が高値となり、2660ドル近辺での小幅保ち合い推移で時間外を通過、NY市場では2650ドル台へと小幅に低下してNY引け後にはFOMC結果を受けて急落。2650ドルを割れると2630ドル台へ、パウエルFRB議長会見を経て2620ドル割れへと一段安、その後も値を下げて安値では一時2600ドルの大台割れ。2025年に2回の利下げ見通しはある程度予想されてはいたものの、織り込み不十分だった様子。市場予想よりもタカ派見通しの度合いが強く、2640ドル台の節目割れに伴う短期下値目安、2600ドルの大台割れトライを早々に達成。目先、いったんは下げ渋りやすい状況にも。
NYプラチナは-8.9ドル、0.94%安で3日ぶりの反落。先週末、12月13日(924.3)以来の安値。アジア時間の940ドル台後半が高値となって上げ渋り、前日高値をわずかに上回るも4日連続950ドル手前で上値を押さえられて軟調推移。ロンドン・NY朝にかけて940ドル割れへと水準を切り下げ、NY市場では930ドル近辺で下げ渋り、NY引け後にはFOMC結果を受けての金の急落に追随、920ドル付近まで下落。920ドルの節目を維持してのイベント通過でいったん底打ちへの可能性も、20日移動平均線(947.5)と950ドルに切り下げた上方向への節目を突破できれば反発局面形成へ、990ドル台を目指す流れに。ただし920ドル台を維持し切れない場合には一段安トライ、880ドル程度までが短期下値目安に。
ドル円は+131銭、0.85%の反発で11月20日(155.43)以来、4週間ぶりの高値。東京朝には153円70銭台まで小幅上昇、午後には153円30銭台の安値をつけて下げ渋り、欧州・NY時間にかけて154円近辺まで上昇。NY午後には153円60銭台まで反落後にFOMC結果を受けて急反発。154円60銭台へと1円の急騰後も高止まり、パルエルFRB議長会見もタカ派的となったことを受けて高値では一時154円80銭台まで上昇。154円20銭の節目突破に伴う短期上値目標155円台まで、若干の上昇余地も。日銀の結果次第では急反落、もしくは一段高も。153円半ばの節目を割れると152円近辺までが短期下値目安に。利上げ敢行なら151円も。円安方向への勢いが強まれば11月高値圏156円近辺までの一段高トライも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/18終値とチャート
19日の国内金価格は-199円、1.39%の続落で12月9日(13896)以来、10日ぶりの安値。FOMC後のNY金急落の煽りを受けて急落。14300円の節目を割りこみ、9-21日移動平均線(14276-14207)も突き抜け、12月安値(13896)から12月高値(14549)の半値戻し(14223)でも61.8%戻し(14145)でも下げ止まらず、短期下値目安14200円近辺も素通り。76.4%戻し(14050)も意識される水準となり、目先は一服感も。反発に向けては21日線回復がポイントに。
プラチナ価格は-44円、0.88%の続落。5000円の大台ラインは今回もサポートになり切れず、90日移動平均線(4998)も21日移動平均線(4986)もまとめて下抜け。ゆるやかに上昇する9日移動平均線(4964)にもサポートされなければ4920円の節目維持をかけた攻防へも。これを割り込むようだと12月安値更新トライへ、下値目安は4820円程度まで。5040円超へと切り返すことができれば反発局面再開、短期上値目標は5120円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格12/19とチャート
2024年12月19日(木)時点の相場
国内金:14,101 円 12/19(木) ▼199(1.39%)
国内プラチナ:4,978 円 12/19(木) ▼44(0.88%)
NY金:2,653.3 ドル 12/18(水) ▼8.7(0.33%)
NYプラチナ:934.6 ドル 12/18(水) ▼8.9(0.94%)
ドル円:154.84 円 12/18(水) ▲1.31(0.85%)
Copyright(C) Let's GOLD