更新日:2025年9月11日(木)
WPIC(World Platinum Investment Council)発表のプラチナ需給レポートによれば、2025年第2四半期の世界のプラチナ総需要は58.7トン。前期比-11.4%、前年比-22.4%で3四半期ぶり低水準。宝飾需要が大幅増も投資が売り越し。
総供給量は58.4トンで前期比+28.8%、前年比-4.0%で2四半期ぶり高水準。需給バランスはわずかに0.3トンの供給不足。供給不足は3四半期連続。
2025年の通年見通しでは総供給218.5トン、需要245.0トンで26.5トンの供給不足。2023年-22.1トン、2024年-30.0トンに続き、3年連続の大幅供給不足見込み。
★地上在庫は2022年の171.3トンから3年連続減で2025年には92.6トンへと減少見込み。
<供給>
■鉱山産出量:45.2トン 前期比+34.0%、前年比-7.8%、2四半期ぶり高水準。うち南アフリカ:32.8トン(前期比+47.8%、前年比-6.52%)、2四半期ぶり高水準。ロシア:4.8トン(前期比-13.9%、前年比-14.4%)。2カ国合計シェアは83.2%。
2025年の年間見通しでは168.8トン。前年比-5.9%で5年ぶり低水準。
■リサイクル:13.2トン 前期比+13.7%、前年比+11.6%で2年2四半期ぶり高水準。2025年見通しは49.8トン。前年比+5.5%で3年ぶり高水準。
<需要>
■自動車触媒:23.9トン 前期比+-0.0%、前年比-2.4%。横ばい推移傾向が継続。2025年通年見通しは94.3トンで前年比-2.6%、3年ぶり低水準。
■宝飾品:20.8トン 前期比+25.3%、前年比+32.0%で6年2四半期ぶり高水準。2025年年間では69.2トン、前年比+10.9%で7年ぶり高水準。
■工業用:16.0トン 前期比+40.5%、前年比-24.2%。2四半期ぶり高水準。2025年見通しは59.1トン、前年比-21.6%で8年ぶり低水準。
■投資:-2.0トン 3四半期ぶりの売り越し。現物投資:4.9トン、前期比+47.4%、前年比+183.6%で2年1四半期ぶり高水準。ETF関連:+3.0トン、2四半期ぶり買い越し。取引所在庫が-9.9トンで3四半期ぶり大幅減。
2025年は+22.3トン、+2.3%で3年連続買い越し。現物:14.6トン、前年比+31.5%で5年ぶり高水準。ETF関連:+3.1トンで2年連続買い越し。取引所在庫は+4.7トンで3年連続増加。
★2025通年で、需要全体における自動車触媒の占める割合は38.5%で2年ぶり高水準。宝飾品は28.3%で3年ぶり高水準。工業用は24.1%で8年ぶり低水準。投資は9.1%で5年ぶり高水準。
<価格と消費需要・ETF需要>
宝飾品需要と現物投資需要を合わせたプラチナ消費需要は25.6トン。前期比+29.0%、前年比+46.9%。9年半ぶり高水準。
NYプラチナの第2四半期平均価格は1209.4ドル。前期の987.4ドルから急騰、3四半期続伸で2015年以降では最高値。宝飾品需要の大幅増が価格を押し上げた格好。
2025年通年での消費需要は83.8トン。前年比+14.0%で9年ぶり高水準となる見込み。
10日のNY金はわずかに-0.2ドル、0.01%の小幅安で4日ぶりの反落。4日ぶりの最高値更新ストップ。前日NY市場でつけた最高値3715.2ドルからの調整の流れは、この日のアジア時間序盤の3650ドル付近までで一服。この日の安値をつけて下げ渋り、反発に転じると「多数のロシア製ドローンによるポーランド領空侵犯」報道も買い材料となってロンドン序盤に3680ドルを回復し、3690ドル台半ばまで上昇。3680ドル台へと反落後のNY朝には米8月PPI下振れを受けて3690ドル台再トライ、しかし3700ドルの大台手前で跳ね返される状態が続いて失速、NY引け後には3680ドル近辺へ。3690ドル台では上値も重く、高値保ち合いの様相でCPI経由FOMCへ。
NYプラチナは+25.7ドル、1.87%高で3日ぶりの反発。9月3日(1455.1)以来、1週間ぶりの高値。前日NY市場でつけた安値1360ドル付近からの反発局面がこの日も継続。アジア時間の1370ドル近辺がこの日の安値となり、ロンドン序盤の1390ドル回復トライを経て1400ドルの大台回復トライへ。NY朝には米PPI結果を受けて小幅に急騰したNY金に追随する形で1410ドル台半ばまで急騰、これが高値となって失速後は1390ドル近辺で下げ渋ってNY引け後には1400ドルの大台回復再トライの兆しも。主要レンジ下限を1370ドルへと切り上げ、1460ドルの上限までで反発トライ継続も1410ドル台に抵抗感。1370ドルの下限割れの場合には1310ドル程度までの下値切り下げも。
ドル円は+2銭、0.01%の小反発。騰落値幅は2日連続一桁台、この日は変動値幅も51銭にとどまり、今年の平均145銭の3分の1、今年2番めの小動き。147円40銭台を中心に小幅保ち合いに終始。東京・欧州時間は147円20銭台から50銭台までのレンジにとどまり、NY朝には米PPI結果を受けて147円10銭近辺までの安値をつけ、切り返して147円60銭台の高値へ。その後は147円30銭台を中心に小幅保ち合い推移、NY終盤には40銭台へと小幅に上昇。引き続き146円90銭から148円50銭までのレンジで保ち合い継続、CPI経由FOMCなどをトリガに下方ブレイクとなれば142円近辺を目指す流れとなる可能性、逆に上抜けなら153円台を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/10終値とチャート
11日の国内金価格は+79円、0.42%の反発で2日ぶり。今年27回めの最高値更新。RSIは96%台で過熱感も高止まり状態のまま一段高トライ、18840円の節目上抜けに伴う短期上値目標18930円程度まで、もう少しの上昇余地も。下方向へは18800円の大台ラインが目先のサポート、これを割れると18680円近辺までを目安に調整へ。
プラチナ価格は+87円、1.22%の反発で9月4日(7369)以来、1週間ぶりの高値。9日移動平均線(7226)割れで強気のパーフェクトオーダー崩れとなって即、切り返し。失速感が強まる前に再び9日線上抜けをかけた攻防へ。8月以降、下値を切り上げる形を維持し、崩れかけた短期上昇トレンドも継続へ。ただし7130円の節目を割れるとトレンド崩れへ、21日移動平均線(7050)も割り込んで7010円近辺までの下値切り下げも。
※参考:金プラチナ国内価格9/10とチャート
2025年9月11日(木)時点の相場
国内金:18,880 円 9/11(木) ▲79(0.42%)
国内プラチナ:7,223 円 9/11(木) ▲87(1.22%)
NY金:3,682.0 ドル 9/10(水) ▼0.2(0.01%)
NYプラチナ:1,397.8 ドル 9/10(水) ▲25.7(1.87%)
ドル円:147.45 円 9/10(水) ▲0.02(0.01%)
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