FRBの量的緩和継続観測VS長期円安見通しによる乱高下はしばし継続か
更新日:2013年06月15日(土)
アベノミクスへの期待感を背景に進んできた円安ドル高基調が調整局面に入って4週間、それでも長期見通しとしては円安基調が継続するはず、という見方が国内ではやや優勢のように見えます。ドル高基調を支えてきた要因の一つには、FRBの量的緩和が早期縮小へと転換するのではないかという思惑もありました。
しかし、ここにきてやや流れが変わりそうな状況も。
IMF(国際通貨基金)は、米国の経済成長の足枷となっている歳出削減ペースを弱め、景気回復支援の為には資産買い入れを少なくとも年内は維持すべき、としています。さらに来年以降、FRBの資産買い入れが、ごくわずか減少させる可能性はあるが、引き締めはまだまだ先の話、という見方をしています。
米・投資関連会社などでも、FRBが早期に緩和政策を解除することはなく、利上げは数年先、という見通しが多いようです。
次週のFOMCでは、「バーナンキ議長は金利引き上げと資産購入縮小には時間をかけることをマーケットに分からせる」だろうとの見方もあるようです。
そうなれば、株安の流れに歯止めがかかり、ドル安優勢の流れはしばし継続、となる可能性もありそうです。
ドル安VS円安の構図で、これまでのような一本調子の円安も、一方的な円高もなく、しばしの乱高下が続いた後に、徐々に落ち着きを取り戻すことにはなるのでしょう。
その時に、期待はずれの成長戦略を補う第2弾が出てくるなら、再度円安優勢へ、という見通しも立ちそうですが・・・。
NY市場、金価格は0.71%の反発。1%前後の上下動を繰り返した今週は、切り下がってきた上値抵抗線1,390ドル台を超えられず、右肩下がりの9日移動平均線もレジスタンスに。方向感は定まらないが1,310ドル付近までの下落リスクには一応警戒感が残る状況。
週間ベースでは4.6ドル、0.33%の上昇。
プラチナは横這い推移。しかし昨日時点で短期的な流れが下方向へと転換、下値目標1,360ドル近辺が点灯しており、やや上値の重い展開も予想されるところ。1,530ドルが上値抵抗線。
週間では55.2ドル、3.67%の大幅反落。
ドル円は1.2%の大幅続落で94円台前半に。12日の十字線は下方向への加速を示す足型となったことに。株安に連動するリスク回避の流れが続いたこの1週間は3円37銭、3.46%の大幅下落となり、4週続落。5月22日の高値103円70銭台からは9.2%下落。
※参考:
金プラチナ価格とドル円 NY市場6/14終値とチャート
なお、日経平均もドル円と同様4週続落、今週は1.48%の下落。5月22日終値15,627円26銭から今週末の12,686円52銭までは2,940円74銭、18.8%の下落。
2013年06月15日(土)時点の相場
国内金:4,419 円 6/14(金)
▼19(
0.43%)
国内プラチナ:4,659 円 6/14(金)
▼73(
1.54%)
NY金:1,387.6 ドル 6/14(金)
▲9.8(
0.71%)
NYプラチナ:1,447.4 ドル 6/14(金)
▲0.3(
0.02%)
ドル円:94.19 円 6/14(金)
▼1.16(
1.22%)
6/14(金)のその他主要マーケット指標
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