平和の祭典閉幕とともに再浮上するウクライナを巡る東西対立懸念
更新日:2014年02月25日(火)
ソチ五輪の閉幕とともに、ウクライナの反政府デモこそ収束したものの、ヤヌコビッチ大統領失脚と使命手配、親EU、親ロシア派の対立という国内情勢と政情不安でなかなか落ち着きそうにはありません。財政破綻寸前のウクライナ救済の為に150億ドルの支援を表明していたロシアはこれを先送り。暫定政府はデフォルト回避の為には350億ドル必要とも。IMFやEU、米国などが支援に乗り出す様子ですが、面白くないのはロシア。
メドベージェフ首相は、ウクライナで現在権力を掌握する者の正当性に重大な疑念があるとし、一部の国が現勢力を国家として承認することについては「常軌を逸している」とも表明。
かつてのソ連構成国との連携強化を図り、ロシア経済圏を確立したかったはずのプーチン大統領としても、ソチ五輪開催期間中は沈黙を守り続けたものの、このまま黙って引き下がるわけにはいかないはず。資金援助見送りに加えてウクライナ向け天然ガスの供給価格引き下げなどの約束なども今後は不透明に。旧ソ連構成国の一部や旧東側の社会主義国が次々とEU側に流れ、地理的にも重要な位置を占め、黒海沿岸にはロシア軍の基地もあるウクライナまでもが親EUへと流れてしまうことはなんとしても避けたいことでしょう。
なお、旧ソ連構成国のエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国が既にEU加盟国となり、ソ連の息がかかっていた旧社会主義、東欧のチェコ、スロバキア、ポーランド、スロベニア、ブルガリア、ルーマニア、クロアチア、ハンガリーの8ヶ国もEU加盟国。現在、
全28ヶ国で構成されるEUのうち11ヶ国が旧ソ連と親ソ連国だったわけで全体の4割を占めています。
平和の象徴とされる五輪閉幕とともに、かつての東西冷戦時代を彷彿とさせる対立の構図への懸念が、新たな地政学リスクとして警戒されそうです。
週明けのNY市場、金相場は2営業日続伸となる1.09%上昇。ウクライナ情勢の緊迫化などを背景に、一向に買いが進まないドルに反して大きく買われる展開。200日移動平均線からの上方乖離率は2.45%に達し、買われ過ぎ状態も大きく進行中ながら、まだ失速の気配は見えず、軽めの節目超えで目先の上昇目標として1,360ドル近辺までの上昇が見込めそうな状況。現時点ではまだ可能性は低めながら、1,360ドル近辺の水準を上抜けると1,400ドル手前辺りまで上値を伸ばす可能性も。足場が固まっていない弱さもあるものの1,310ドル台が軽めのサポートライン。
プラチナ相場も0.95%の続伸。金に同調し1,440ドル台まで上値を伸ばすも今朝には1,430ドルの節目まで反落。それでも1,430ドルの節目を超えたことで上昇余地は拡大、当面の目標水準は今年高値超えとなる1,470ドル近辺。サポートラインは1,410ドル。
ドル円は先週末からほぼ変わらずの横ばい推移。101.80-102.70円の狭いレンジ内での上限トライも一時的、102円台前半での小動きに終始。3本の移動平均線が102.00-102.26円の間に集中し、ほぼ水平状態に。上下どちらかへ大きく動き出しを待つ状態。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/24終値とチャート
国内金価格は3日続伸で0.66%上昇。4,530円台の節目を明確に上抜けたことで上昇サイン点灯。目先の上値目標は4,620円。第2目標として4,750円近辺も。この場合、NY金の第2目標近辺までの上昇、もしくはドル円の上方ブレイクのどちらかが必要条件か。サポートラインは4,480円台。
プラチナも0.41%の上昇で3日続伸。21日移動平均線だけが右肩下がりの状態が続き、足取りは軽くはないものの5,000円近辺の目標水準を目指す展開。サポートラインは4,830円。
※参考:
金プラチナ国内価格2/25とチャート
2014年02月25日(火)時点の相場
国内金:4,569 円 2/25(火)
▲30(
0.66%)
国内プラチナ:4,905 円 2/25(火)
▲20(
0.41%)
NY金:1,338.0 ドル 2/24(月)
▲14.4(
1.09%)
NYプラチナ:1,441.4 ドル 2/24(月)
▲13.5(
0.95%)
ドル円:102.50 円 2/24(月)
▼0.03(
0.03%)
2/24(月)のその他主要マーケット指標
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