「寒波の影響」の賞味期限
更新日:2014年02月26日(水)
2月も残り3日、異常に寒かった今年の冬もそろそろ終わり、今週末はもう3月。この冬は世界的な異常気象と猛烈な寒波の影響で、経済指標が予想外の下振れ続出となりました。
米雇用統計では12月・1月分の雇用者数の伸びが大幅鈍化、
ISM製造業景況指数も2ヶ月連続低下、昨日の
ケース・シラー住宅価格指数もわずかながら2ヶ月連続低下、本日発表予定の新築住宅販売件数でも「寒波の影響」による下振れが予想されます。
「寒波の影響」を織り込みきれていなかった
1月には株価も大きく下落し、リスク回避傾向が強まりましたが、経済指標の多少の下振れは「寒波の影響」と織り込み始めた2月は反発傾向に転じています。
ドル円相場も現時点で反発傾向とはなっていないものの、1月の下落基調から2月は横ばい推移へと移行。
コモディテイだけは「寒波の影響」で上昇スタートした金相場が牽引するように、2月に入っても上昇基調が続きます。
流れに違いはあるものの、経済指標の下振れは「寒波の影響」で一時的、そのうち回復するはず、とタカをくくった市場心理が影響しています。
昨日のコンファレンス・ボード発表の米2月消費者信頼感指数では、やはり寒波の影響もあってか前月から低下し、予想も下回る結果に。この指数には、内訳として現況指数と期待指数があり、消費者の現在の景気感を示す現況指数は上昇し、2008年4月以来の高水準。今後の見通しを示す期待指数は逆に低下。
景気が改善していると感じる消費者が増加しているのに対し、今後さらに改善が進むと思う消費者はそれほど多くない、ということを示しています。
「寒波の影響」がなくなれば経済指標は改善とみる市場の見方とは逆。
来週末の雇用統計は2月分なので、まだ「寒波の影響」も使用可能。しかし徐々に暖かくなるにつれ、「寒波の影響」の賞味期限が切れることになります。
3月末のコンファレンスボードの消費者信頼感指数の注目度は高まります。
NY市場、金相場は0.35%上昇し3日続伸。消費者信頼感指数が予想に反して前月から低下したことを受けて1,330ドル台から1,340ドル台へと水準を切り上げる展開。終値ベースで1,340ドル台に到達するのは10月30日の1,349.3ドル以来ほぼ4ヶ月ぶり。昨年末からの騰落率は+11.7%に達し、過熱状態継続ながらも1,360ドル近辺の目標水準を目指す展開。順調にいけばさらに1,400ドル手前程度まで上値余地拡大の可能性。
プラチナ相場も0.08%の小幅上昇で3日続伸。1,430ドル割れまで下押し後に1,440ドル台へと戻す展開で少しずつ上昇バイアスが強まる気配も。目先の目標水準は1,470ドル辺り。さらに1,490ドル程度まで上値を伸ばす可能性も。下方向には1,410ドル台がサポートライン。
ドル円は0.26%下落も相変わらずの102円台前半でのレンジ継続。終値と3本の移動平均線がわずか19銭の間に収まる状態。経済指標の多少の下振れは寒波の影響と織り込んだ状態がもう少し続き、どちらかといえば上方ブレイクの可能性が高いと見る。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/25終値とチャート
国内金価格は小幅に4日続伸。ドル円の値動きが縮小していることで下げ渋る展開が継続。ドル円が上方ブレイクした場合にはNY金の下落が想定されるもののこれを相殺するほど上昇する可能性もあり、国内金価格の安定推移がもうしばらく続く可能性は大。当面の上値目標4,620円。その先には4,750円程度までの上値余地拡大の可能性。4,480円台の節目を割れないことが条件。
プラチナは4日ぶりの小幅反落。21日移動平均線が右肩下がりから水平状態へと移行しつつあり、地合いは改善傾向。右肩上がりの推移となれば目標水準5,000円への到達確率も徐々に上昇。下方向には4,830円の節目が重要ライン。
※参考:
金プラチナ国内価格2/26とチャート
2014年02月26日(水)時点の相場
国内金:4,570 円 2/26(水)
▲1(
0.02%)
国内プラチナ:4,901 円 2/26(水)
▼4(
0.08%)
NY金:1,342.7 ドル 2/25(火)
▲4.7(
0.35%)
NYプラチナ:1,442.6 ドル 2/25(火)
▲1.2(
0.08%)
ドル円:102.23 円 2/25(火)
▼0.27(
0.26%)
2/25(火)のその他主要マーケット指標
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