銅価格の下落が金価格を押し上げ
更新日:2014年03月12日(水)
中国の景気減速を背景とする需要の鈍化懸念により、銅の先物価格下落が続きます。11日にはNY市場では3年7ヶ月ぶりの安値、ロンドンでも2010年7月以来の安値に。世界最大の金消費大国となった中国は、銅の最大消費国でもあります。
中国では、銅が工業用に消費されるだけでなく、資金の借り入れや社債発行の担保として使用されているようです。銅価格の下落は担保価値の目減りとなり、資金繰りの悪化を招き、不良債権増大懸念にもつながります。銅を担保とした資金調達が困難になれば、銅の輸入減、そして銅価格のさらなる下落、と負のスパイラルに陥りかねません。
先週、太陽電池の会社の社債が中国初のデフォルトに陥ったことも、社債発行の減少を招き、銅需要に影響を及ぼしているものと思われます。
中国経済の先行不透明感は、銅価格の下落を招きましたが、リスク回避ムードを煽る結果となり、金が買われやすくなってきているようです。
NY市場、金相場は0.39%続伸。クリミアの独立宣言などウクライナ情勢緊迫化に伴う逃避買いによる上値トライも3月3日高値1,355ドル近辺では売り圧力も。3月に入ってからは、1,330-1,350ドル台の狭いレンジでの揉み合い状態が継続中。どちらかと言えば下方向へのバイアスがかかる状況、下限割れなら1,300ドル近辺までの下落余地。突発的なリスク回避事象などで上限ブレイクなら1,380ドル近辺までの急騰の可能性も。
プラチナ相場は0.85%安で3日続落。1,490ドルが抵抗線となり、しっかりめの調整に。勢いはやや減速気味ながらも短期上昇トレンドは維持。1,440ドル台、1,420ドル台にサポートライン、現状水準から1450ドル近辺もサポートされやすい水準。この近辺までで折り返しできれば再度上値トライへの可能性も。
ドル円は0.24%の下落。リスク回避ムード優勢のなか、節目となった一目均衡表の雲のねじれで反落に転じた形。今朝は雲の上限103円10銭を下回り、102円台後半での推移。やや雲行きが怪しくなってきた様子も現時点では底堅さも見られ、上値目標104円30銭近辺は維持。雲の下限102円60銭付近までで反発できれば上方向への勢い再開も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/11終値とチャート
国内金価格は0.24%続伸で再び高値トライへ。しかしNY金の上値の重さと円高圧力により上値追いも厳しい状況。4,600円台前半での揉み合い状態形成の様相。今年高値更新なら4,750円付近の第2目標を目指す強気の流れ再開の可能性も、逆に4,610円を割れると4,500円近辺までの大幅調整の可能性。
プラチナは1.04%の大幅調整。想定された許容範囲の調整、下値は5,001円まで上昇してきた9日移動平均線の水準を維持したいところ。5,090円が当面のレジスタンスラインとして意識される水準に。
※参考:
金プラチナ国内価格3/12とチャート
2014年03月12日(水)時点の相場
国内金:4,641 円 3/12(水)
▲11(
0.24%)
国内プラチナ:5,022 円 3/12(水)
▼53(
1.04%)
NY金:1,346.7 ドル 3/11(火)
▲5.2(
0.39%)
NYプラチナ:1,464.6 ドル 3/11(火)
▼12.6(
0.85%)
ドル円:103.01 円 3/11(火)
▼0.25(
0.24%)
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