ゆっくりと、しかし着実に進み始めるドル高円安、ユーロ安
更新日:2014年04月04日(金)
かつて「ユーロの為ならなんでもする」と発言し、ドラギマジックでユーロ債務危機を救ったドラギECB総裁は、回復基調を取り戻しつつあるユーロ経済以上に、上昇し過ぎたユーロ高を抑制するかのように、再びドラギマジックでユーロ高を食い止めました。
昨日のECB理事会では金融政策を現状維持としたものの、低インフレに対しては「非伝統的措置を導入」することも検討していることを表明し、またしても口先介入だけで流れを変えてしまったようです。
ただし今回は、いずれ金融緩和を強化する政策が実行される可能性も高く、当面のドル高ユーロ安をサポートすることになりそうな状況です。
日銀の緩和政策も継続中、さらなる追加緩和への期待も高まる状況。これにより、日欧の金融緩和政策と緩和ムードが、米国の緩和縮小を補う構図となりそうです。
ゆっくりと、しかし着実に金融引き締め路線へと舵を切り始める米国の金融政策によって、たびたび混乱に陥った新興国のリスクも、多少なりとも緩和されることになるのかもしれません。同様に金相場の下押し圧力も、多少なりとも緩和されることになりそうです。
ドル高円安、ドル高ユーロ安傾向はゆっくりと、しかし着実に進行し、ドル高に伴って売られやすい新興国通貨や金の下落も比較的ゆっくりとしたペースにとどまる状態が続きそうな気配です。
NY市場、金相場は0.48%の反落。5日続落後の反発を挟んで再び下落となっているものの、1,300ドルの節目割れ以降は1,280-90ドル付近での小動きが1週間継続中。年初からの上昇値幅の50%戻しにあたる1,287ドル付近で流れが止まっている状態。どちらかといえば下方向優勢の状態ながら1,290ドル付近をしっかり超えるような反発となれば1,300ドルの大台回復、さらには38.2%ラインの1,311.9ドル近辺までの上昇余地も。逆に1,280ドル割れなら61.8%ラインの1,262.1ドルから1,250ドル辺りまでの下落余地拡大へ。
プラチナ相場は0.47%高で5日続伸。南ア鉱山スト長期化に伴い、白金大手アンプラッツによる1日時点でのフォース・マジュール宣言(不可抗力による供給契約不履行)の余波は続き、一部不採算鉱山の閉鎖懸念も出ているようで、供給不足懸念は当面続くことに。困窮を極める事態の打開には時間を要しそうな状況が相場を下支えする形になっているものの、わずかなきっかけに敏感に反応するプラチナ相場は常に急落リスクも抱える状態。3月の下落幅の半値戻しを達成済で上方向には61.8%ラインの1,452.8ドル、下方向には38.2%ラインの1,430.5ドル付近が目安に。
ドル円は0.04%の小幅上昇で6日続伸。6日続伸となるのは2012年11月14日、野田前首相の解散宣言の日からの6日間以来のこと。2月の貿易収支では赤字幅拡大、
新規失業保険申請件数はやや増加、3月のISM非製造業景況指数も予想を下回り、冴えない経済指標にも下げ渋る展開。高値では今年1月23日以来となる104円台まで上昇し、ドル高方向へと進みたくてしょうがないのに何か大きな重しが乗せられているような状態。やはり今晩の結果次第でその重しをはねのけるか、重さに耐えかねて反落か、という状況の様子。上値目標水準は105円ちょうど付近。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/3終値とチャート
国内金価格は0.54%安で5日ぶりの反落。3月後半の下落幅の61.8%戻しとなる4,603円付近で反発の流れも一服した形。下方向のサポートライン候補としては50%ラインの4,571円、38.2%ラインの4,539円辺り、レジスタンスは4,620円。
週間ベースでは+154円(+3.47%)、3週間ぶりの大幅反発。
プラチナも0.16%上昇で5日続伸。昨年5月15日以来の高値水準に。しかし中期的なレジスタンス水準に達しており、減速感も出やすいところ。当面の上値目標水準として5,180円程度までの可能性は、あり。
週間では+317円(+6.62%)となり、4週間ぶりの大幅反発。
※参考:
金プラチナ国内価格4/4とチャート
2014年04月04日(金)時点の相場
国内金:4,588 円 4/4(金)
▼25(
0.54%)
国内プラチナ:5,108 円 4/4(金)
▲8(
0.16%)
NY金:1,284.6 ドル 4/3(木)
▼6.2(
0.48%)
NYプラチナ:1,445.5 ドル 4/3(木)
▲6.8(
0.47%)
ドル円:103.92 円 4/3(木)
▲0.04(
0.04%)
4/3(木)のその他主要マーケット指標
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