2014年8月の月間騰落率が示す今年の流れ
更新日:2014年08月30日(土)
主要指標の8月の月間騰落率一覧を見ると、この8月は米欧株高で日本株安、ドル高ユーロ安、債券高で金利は大幅低下、VIX指数も大幅低下、金は小幅高でプラチナ・銀・原油は大幅安、という傾向となりました。これを、
主要指標の8月までの年初来騰落率と比較してみると、8月の騰落状況は概ね今年の流れを象徴するような結果となっています。
金はNY市場、国内価格ともに8月まで7%台の上昇率に対して8月は小幅高にとどまり、やや減速感を示す状況に。
NYダウは年初から8月までの521ドル高(+3.15%)に対して8月だけで+535ドル(+3.23%)、前月下落分を大きく取り戻して上昇トレンドに回帰。
NASDAQは年初からの上昇幅408ポイント(+9.8%)に対して8月は210ポイント(+4.82%)、年初からの上昇分の半分をこの8月に稼いだ形。
ドイツDAXは8月に小幅上昇し、年間では小幅安と上下動を繰り返しながらも年間ではレンジ推移の様相に。
英FTSEは8月上昇分が年間上昇分をわずかに上回り、ゆるやかな上昇トレンド方向へ。
7月までの3カ月続伸で年初来の下落幅を大きく縮小させていた日経平均も8月は1.26%下落し、今年の流れとなっている下落トレンドを変えられず。
日米欧の10年債利回りは年間も8月も一方的な低下が続き、ドイツ10年債の低下率が際立つ状況は
ここ2ヶ月間の騰落率推移チャートに凝縮されています。
VIX指数は7月末に17ポイント付近まで上昇していたことで8月には大幅急落となりましたが、ここまでの年間騰落状況を象徴する形。
為替ではユーロドルでのドル高ユーロ安が鮮明となり、8月までの621ポイント安のうち、8月の1カ月間で253ポイント安と全体の4割を占める状況となり、8月にユーロ売りが一段と加速したことを示します。
年初から8月までの方向性と8月単体での方向性が一致するケースが多く見られるなか、逆方向に大きく動いたのがドル円とプラチナ。
プラチナは8月、2%台の大幅下落によって年初来騰落率ではNY+3.91%、国内価格では+5.64%へと上昇分を削り、減速感が強まる状況。
ドル円は8月の上昇で年間ここまでの下落分を-1.14%へと縮小した状況。現時点ではレンジ推移を抜け切れていない、という見方に。今年の流れが変わり、ドル高方向へと動き始める可能性を秘め、その判断ができるのは9月、ということになりそうです。
月末、29日のNY金相場は0.23%の小幅反落。地政学リスクへの警戒感が続くなか、1,290ドル近辺での小動きが継続し、NY時間終盤にはドル高傾向に連れてやや軟調へ。方向感はニュートラルからわずかに下方向。直近では1,270ドル台から1,290ドル台のレンジを形成しつつ、1,320ドルの上値抵抗線を上限に1,250ドル近辺までの下値リスクを抱える状況。
週間ベースでは+7.2ドル(+0.56%)、3週間ぶりの小幅反発。月間でも+6.1ドル(+0.48%)の小反発。
プラチナ相場もわずかに0.04%の小反落。上下の値幅は6.5ドルと金よりも小動きに終始。最大レベルの売られ過ぎ状態の解消は進まず、上値も重く、下落トレンド継続、目標水準1,400ドル近辺。
週間ベースでは+6.2ドル(+0.44%)で、3週間ぶりの小反発。月間では-40.5ドル(-2.76%)の続落。
ドル円は3日ぶりに0.35%反発し、104台を回復。ウクライナ情勢悪化懸念と次週のECB理事会への警戒感から進行したユーロ売りに応じてドル買い傾向へ。103円70銭から104円10銭までの小幅レンジを形成し、その上限に到達。上抜けると105円台後半までドル高進行の可能性。逆に下抜けた場合には102円台半ばまで反落の可能性も。
週間ベースでは+0.20円(+0.19%)の小幅高で3週続伸。月間では+1.29円(+1.25%)で続伸。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/29終値とチャート
2014年08月30日(土)時点の相場
国内金:4,605 円 8/29(金)
▲10(
0.22%)
国内プラチナ:5,080 円 8/29(金)
▲12(
0.24%)
NY金:1,287.4 ドル 8/29(金)
▼3.0(
0.23%)
NYプラチナ:1,424.7 ドル 8/29(金)
▼0.5(
0.04%)
ドル円:104.08 円 8/29(金)
▲0.36(
0.35%)
8/29(金)のその他主要マーケット指標
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