原油安・ドル高円安が進行した2014年11月の月間騰落率
更新日:2014年11月29日(土)
27日のOPEC総会での原油減産見送りに伴い、原油相場の下落が一段と進行。月末28日のNY市場終値では10%超の急落、2009年9月以来5年2カ月ぶりの安値水準となる66.15ドルに。米国のシェールオイルへの対抗策、あるいはロシアへの経済政策の一環としての原油価格下落誘導など、様々な憶測も飛び交うなか、下げ止まりの兆しが見られない原油相場に振り回された11月のマーケット。
主要指標の月間騰落率を見ると、
NY原油:-17.87%
下落率最大、絶対値でも最大となり、
年初来騰落は-32.79%に達し、米10年債利回りの下落率を超えました。
ドル円:+5.63%、日経平均:+6.37%、国内金価格:+6.73%
原油安にサポートされた株高ドル高の流れに加え、原油安に伴うインフレ低下圧力回避に向けた日銀追加緩和、GPIF改革による日本の円安政策推進により、円安日本株高の流れも連動性を再び高めて加速。円安の恩恵を多分に受けた国内金価格も大幅上昇。
ドイツDAX:+7.01%、NYダウ:+2.52%
原油安によるエネルギー関連株の下押しと燃料安による景気サポートが混在するも全般的にはリスクオン傾向、ECBのユーロ安政策を好感するドイツ株は急騰。
米10年債金利:-7.30%、独10年債金利:-16.67%
デフレ懸念がつきまとうユーロ圏、インフレ率がなかなか目標に届かない米国、いずれも長期金利低下傾向が継続。
NY金:+0.31%、プラチナ:-1.93%
原油安の影に隠れ、底値圏での足固めから反発への可能性も示唆する状況で比較的小動きに終始。ドル円上昇も円安要因によるところが大きく、ドル高圧力がそれほどでもなかったことが貴金属市場の下落圧力を緩和。
サンクス・ギビングデー明けの28日は短縮取引のNY市場、金相場は終値で前営業日比-1.79%の大幅安、2週間ぶりの安値水準となる1,175.2ドル。時間外でさらに下落して1,160ドル台半ばへ。原油安による米国景気サポートへの思惑からのドル買い進行に伴い、金は大きく売り込まれる展開。1,200ドルの大台トライに失敗し、サポートラインとなっていた1,190ドルを割り込んだことにより、短期的には下値トライの流れが加速し、目標水準1,160ドル台にもいきなり到達。現状ではさらに下値を目指すような状況にはないものの、行き過ぎの流れで1,160ドル台を割り込むようなら1,140ドルが次のサポートライン。
週間ベースでは-22.5ドル(-1.88%)となり、3週間ぶりの反落。月間では+3.6ドル(+0.31%)で3カ月ぶりの小反発。
プラチナ相場も1.39%の大幅下落。金に連れ安となり、上値目標1,250ドルを目指した流れは大きく後退。それでもサポートラインの1,200ドルちょうど近辺で踏みとどまり、完全に流れが逆転した訳でもない。1,200ドルの大台を完全に下抜けた場合には、下落圧力が高まり、1,150ドル近辺を目指す流れへ。
週間ベースでは-16ドル(-1.3%)で3週間ぶりの反落。月間では-23.9ドル(-1.93%)となり、5カ月続落。
ドル円相場は4日ぶりの反発で0.84%の大幅高。原油安に伴う資源国通貨安の流れに相対的なドル買いが進行、結局117円台では底堅さを見せて調整局面を浅めに終えてドル高円安の流れ再開。抵抗線となりつつあった118円30銭をブレイクしたことで、再び上値目標120円近辺を目指す流れに。サポートラインは117円60銭台。
週間ベースでは+0.91円(+0.77%)、10月20日の週から6週続伸。月間では+6.32円(+5.63%)で7月以降5カ月続伸。月間騰落率では2013年1月以来の大幅上昇。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/28終値とチャート
2014年11月29日(土)時点の相場
国内金:4,821 円 11/28(金)
▼21(
0.43%)
国内プラチナ:4,900 円 11/28(金)
▼40(
0.81%)
NY金:1,175.2 ドル 11/28(金)
▼21.4(
1.79%)
NYプラチナ:1,211.3 ドル 11/28(金)
▼17.1(
1.39%)
ドル円:118.68 円 11/28(金)
▲0.99(
0.84%)
11/28(金)のその他主要マーケット指標
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