2014年、世界の金産出量トップ20
更新日:2015年02月12日(木)
先日発表された「GFMS GOLD Survey 2014 UPDATE2」によると、2014年の金産出量は世界全体で3,108.9トン、前年比+1.9%の増加となっています。
2014年の国別産出量トップ20カ国は以下のとおり。
順位:国名:2013年 → 2014年(増減)シェア
1:中国:438.2 → 465.7(+6.3%)15.0%
2:ロシア:248.8 → 272.0(+9.3%)8.7%
3:豪州:268.1 → 269.7(+0.6%)8.7%
4:米国:228.2 → 200.4(-12.2%)6.4%
5:ペルー:187.7 → 169.3(-9.8%)5.4%
6:南アフリカ:177.0 → 164.5(-7.1%)5.3%
7:カナダ:133.3 → 153.1(+14.9%)4.9%
8:メキシコ:119.8 → 115.7(-3.4%)3.7%
9:インドネシア:109.2 → 109.9(+0.6%)3.5%
10:ガーナ:107.4 → 106.1(-1.2%)3.4%
11:ブラジル:80.1 → 80.5(+0.5%)2.6%
12:ウズベキスタン:77.4 → 80.4(+3.9%)2.6%
13:パプアニューギニア:60.5 → 59.2(-2.1%)1.9%
14:アルゼンチン:50.1 → 57.6(+15.0%)1.9%
15:マリ:48.2 → 48.3(+0.2%)1.6%
16:カザフスタン:42.4 → 47.8(+12.7%)1.5%
17:タンザニア:46.6 → 44.3(-4.9%)1.4%
18:チリ:48.6 → 43.9(-9.7%)1.4%
19:コロンビア:41.2 → 43.1(+4.6%)1.4%
20:フィリピン:38.7 → 39.4(+1.8%)1.3%
-:その他:498.0 → 538.0(+8.0%)17.3%
-:合計:3,049.5 → 3,108.9(+1.9%)100.0%
※単位:トン
世界シェア15%を占める中国のトップはここ数年変わらず、ロシアが前年の3位から2位へと浮上。カナダ、アルゼンチン、カザフスタンが10%超の増産となったのに対し、米国、ペルー、南アフリカ、チリの減産が目立ちます。
なお、2014年の需要は落ち込み、現物の実質需給では供給過多となっています。
主な需給データは以下のとおり。(単位:トン)
2013年 → 2014年(増減)
<供給合計> 4,272 → 4,273(+-0.0%)
・鉱山産出: 3,049 → 3,109(+2.0%)
・リサイクル: 1,262 → 1,122(-11.1%)
<現物需要合計>4,968 → 4,041(-18.7%)
・宝飾品: 2,385 → 2,133(-10.5%)
・工業関連: 408 → 389(-4.7%)
・現物投資: 1,765 → 1,057(-40.1%)
・公的機関: 409 → 461(+12.7%)
※ETF関連: -880 → -152(-82.7%)
供給ではリサイクルの減少分を鉱山産出量の増加でカバー、需要では宝飾品関係とバー・コインなどの現物投資が大きく落ち込みました。
この内、現物投資のゴールドバーの部分だけを地域別にみた集計では、
2013年 → 2014年(増減)
<合計> 1,385 → 808(-42%)
欧州: 238 → 201(-15%)
北米: 38 → 28(-27%)
アジア: 1,072 → 550(-49%)
その他: 37 → 28(-24%)
アジアのシェア50%以上を占めるインド(110トン)と中国(171トン)の需要がいずれも50%超の急落となったことによりアジアが半減。世界シェア60%超を占めるアジアの需要半減により世界全体でも半減。
価格が急落した2013年に需要が急増した反動、中国や欧州の景気減速なども影響したものと推測されます。
また、利上げ時期が近づく米国では、投資マネーが金利のつかない金を敬遠しがちとなり、ドル高新興国通貨安に伴う新興国での金価格の割高感なども影響したかもしれません。
今後は、インドの金輸入制限緩和の効果が表れ始めること、中国や欧州の景気低迷もいずれは脱却方向へ向かうであろうこと、米国の利上げが始まれば、次はインフレ懸念台頭による金需要見直しへとつながることなどから、いずれまた、少しづつ需要増へと向かうことも予想されます。
11日のNY金相場は1.02%の続落。ギリシャへの警戒感が続くなか、ドル高の加速とともに重要な節目ライン1,230ドルを割れたことで急落。1,220ドル付近は過去の節目や90日移動平均、年初安値から今年高値までの61.8%戻しライン(1,221ドル)などが集中し、いったんはサポートされやすい水準。しかし、下落トレンドがやや加速し、当面の下値目標は76.4%戻しラインに相当する1,200ドル前後。
プラチナ相場も0.97%の大幅下落となり、4日続落。金の下落トレンド加速に伴う急落で
目標水準1,200ドル前後に到達。終値ベースでは今年安値を更新し、一時1,187.7ドルの今年最安値をつけた1月2日以来となる安値1,193ドルまで下落。目標到達による一服感となるかどうかは下落余地を残す金の動向次第。水準的には昨年最安値水準1,175-80ドル近辺も意識される。
ドル円は0.85%の続伸で1月5日以来となる120円台を回復。このところ再び連動性を高めつつある米10年債金利の上昇に支えられるように堅調推移が継続。三角保ち合い上抜けによる加速も年末年始の高値水準120円台半ばで小休止。ここを突破すると目標水準121円台前半までは早期到達の可能性。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/11終値とチャート
12日の国内金価格は0.12%の小反落。下値目標5,050円台到達後の一服状態が継続。祝日をはさんだことで金と為替2日分の値動きを反映、NY金1.76%の急落と為替1.53%の円安加速がほぼ相殺された状態。下落トレンドに一服感も。
プラチナも0.26%の小幅安で3営業日続落。地合いの弱さが節目水準での微妙な値動きに表れた形。今年安値を更新し、12月26日以来1ヶ月半ぶりの安値水準となり、4,950円台の節目割れ。下落トレンド継続で目標水準は4,890円近辺。
※参考:
金プラチナ国内価格2/12とチャート
2015年02月12日(木)時点の相場
国内金:5,055 円 2/12(木)
▼6(
0.12%)
国内プラチナ:4,949 円 2/12(木)
▼13(
0.26%)
NY金:1,219.6 ドル 2/11(水)
▼12.6(
1.02%)
NYプラチナ:1,195.6 ドル 2/11(水)
▼11.7(
0.97%)
ドル円:120.45 円 2/11(水)
▲1.02(
0.85%)
2/11(水)のその他主要マーケット指標
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