歩み寄りか決裂か、混迷続くギリシャ問題
更新日:2015年02月09日(月)
EUとIMFによるギリシャへの既存支援プログラムの期限が2月末に到来することを巡り、両者の交渉が混沌としています。既存支援を延長するか、もしくは新たな支援プログラムにより、ギリシャへの支援を継続しなければ、3月中にもギリシャが再びデフォルトに陥ることが懸念されています。
ギリシャ側、チプラス新政権としては、既存支援の交換条件でもある財政緊縮政策を取りやめることを国民への公約とした手前、既存支援は延長しない方針を貫き続けます。その代わりに新たな支援策を、新たな条件で取り付けることを目指し、新たな支援策を取り付けるまでは、ギリシャ国内の銀行への支援策として
ELA(緊急流動性支援)を適用し、場つなぎしようとの目論み。
当然、ドイツを筆頭に既存支援の打ち切り(=既存の財政緊縮策の打ち切り)に猛反対する債権国側とギリシャとの交渉は平行線。
この状況が長引くことによる世界経済への悪影響を懸念する米政府関係者からは、欧州側に歩み寄りを求める発言も、とも伝えられます。
米国としては、交渉決裂により、ギリシャがユーロ離脱(EU離脱)へと追い込まれるような事態へと悪化することによる世界経済への悪影響のほうが心配で、「少しくらい妥協してあげたら?」というのが米国側のスタンスのようにも見えます。
しかし同じ米国内でも、逆の見方もあるようです。元FRB議長のグリーンスパン氏は、ギリシャのユーロ離脱は時間の問題、としています。
ギリシャがユーロ圏にとどまり続ける限り、今回のような問題は何度も繰り返されることになるものと見ているようです。
債権国との協議への不透明感が続く
ギリシャの格付けは、S&Pによって「B-」へと引き下げられ、さらなる格下げの可能性も示唆。既に1ランク下の「Caa1」としているムーディーズも格下げ方向での見直しを表明しています。ギリシャの格付けも、2012年当時のランクへと除々に近づきつつあります。
雇用統計をきっかけに動き始めたかに見えた市場の流れをけん制するように、混迷が続くギリシャ問題への警戒感も続きます。
週明け9日の国内金価格は、先週末の1.29%の円安と2.23%のNY金下落の結果を受けて1.1%の続落。米雇用統計の好結果を受けたドル高金安の流れが週明けには小康状態となっていることに加え、当面の下値余地となっていた5,050円台に到達したこと、昨年秋以降の中期上昇トレンドのサポートラインに支えられていることにより、短期下落トレンド一服となりやすい水準。上方向への抵抗線は5,140円。
プラチナは0.87%安となり、4営業日ぶりの反落。4,950円台から5,040円までのレンジを形成。この水準は昨年末から1月中旬まで揉み合いを形成した水準でもあり、5,000円前後の水準は過去にも抵抗水準やサポート水準となった節目の水準。レンジ上抜けなら5,100円近辺までの反発も、下抜けの場合には4,900円割れの可能性も。流れはやや下向き。
※参考:
金プラチナ国内価格2/9とチャート
2015年02月09日(月)時点の相場
国内金:5,058 円 2/9(月)
▼56(
1.10%)
国内プラチナ:4,993 円 2/9(月)
▼44(
0.87%)
NY金:1,234.6 ドル 2/6(金)
▼28.1(
2.23%)
NYプラチナ:1,221.6 ドル 2/6(金)
▼28.1(
2.25%)
ドル円:119.02 円 2/6(金)
▲1.52(
1.29%)
2/6(金)のその他主要マーケット指標
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