ギリシャ支援4カ月延長合意も最終決着は24日へ持ち越し
更新日:2015年02月21日(土)
最終的には双方妥協の痛み分けで決着するものと予想されていた、ギリシャ支援延長を巡るユーロ圏との攻防は、決戦の場となるユーロ圏財務相会合スタート前から情報が錯綜。
合意間近、80%は合意済で残りは20%など、穏便な関係者発言が伝えられた後、マルタ財務相の「ユーロ離脱容認の意向」、独誌による「ECBはギリシャのユーロ離脱に備えた緊急対応策検討」などの悲観報道に市場は敏感に反応。株安、ユーロ売り、ドル売り円買いで金も買われるリスク回避ムートが急拡大。
その後もEU当局者による「金曜日中の合意は困難」、オランド仏大統領の「ギリシャ離脱シナリオは検討されていない」やメルケル独首相の「ギリシャをユーロ圏にとどめる為尽力」など相反する見通し発言が伝えられ、協議開始時間も先送り。混乱の余韻を残すなか、ダイセルブルーム・ユーログループ議長の「時間はかかるが、楽観的な見通しも」発言をきっかけにリスク回避の流れも収束。その後の合意報道で反発の流れが加速。
市場が振り回された結果は、6カ月の延長申請に対して4カ月の延長合意。
ギリシャは改革案の一覧リストを23日までに提出することを義務付けられ、24日までに関係機関が内容を精査して意見表明。最終審査結果は4月末に公表、という段取りとなった模様。
ギリシャ側の要望がやや優勢となったような結果にも見えるものの、支援延長は4カ月に短縮され、現時点での最終決着は4月末、当面は24日までが区切りとなり、改革案リストの内容次第では再度波乱の余地も。
拒否姿勢をみせていたドイツが納得できる改革案が示されるのか、チプラス政権がギリシャ国民との公約を守れるのかどうかは、グレーな状態が続きます。
20日のNY金相場は0.22%の小幅反落。ユーロ圏財務相会合を前に、ギリシャ離脱容認報道を受けたリスク回避の流れで1,215ドルまで急騰後、ユーログループ議長、ダイセイプルーム・オランダ財務相の楽観見通し発言で急落。ギリシャ支援延長合意が伝わると、一時1,200ドル割れ、1,197ドルまで下洛。結果的に1,200ドルの大台サポートラインで足場固めの動きに。上限1,230ドルまでの間でレンジ形成へ。
週間ベースでは-22.2ドル(-1.81%)となり、4週続落。
プラチナ相場も0.24%の小反落。イベント前に
下値目標1,150ドル台へと早々に到達したことにより、乱高下を経て徐々に下値を切り上げる兆しも。下落トレンド収束に向けては少なくとも1,170ドル前後の揉み合い水準維持が必要。今朝時点で1,160ドル台半ばのサポートライン割れ水準にあり、このまま反発できないようなら新たに下方リスク拡大の可能性も。その場合の下値余地は1,130ドル台。
週間ベースでは-38ドル(-3.15%)、5週続落。
ドル円は0.12%の小幅続伸。リスク回避の流れでユーロが大きく売り込まれた欧州時間にはドル円でも円高が進行、一時サポートライン割れとなる118円30銭まで下洛。その後の反発局面での高値は119円20銭付近まで、119円台前半のレジスタンスラインも効いている様子。保ち合い継続色も強まる状況に。
週間ベースでは+0.36円(+0.3%)の小幅反発。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/20終値とチャート
2015年02月21日(土)時点の相場
国内金:4,961 円 2/20(金)
▼4(
0.08%)
国内プラチナ:4,812 円 2/20(金) +-0(0.00%)
NY金:1,204.9 ドル 2/20(金)
▼2.7(
0.22%)
NYプラチナ:1,169.5 ドル 2/20(金)
▼2.8(
0.24%)
ドル円:119.07 円 2/20(金)
▲0.14(
0.12%)
2/20(金)のその他主要マーケット指標
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