逆相関関係が強まる米10年債金利とNY金
更新日:2015年02月23日(月)
米10年債金利は1月30日に昨年来最低となる1.64%まで下落、その後上昇傾向へと転じています。その少し前、1月22日にはNY金相場が今年高値1,307.8ドルまで上昇し、その後下落トレンドへと転換しました。
米10年債金利とNY金との逆相関関係が強まっています。
30日間の相関係数は-0.81288。ドル円とNY金の-0.57988や、NYダウとNY金の-0.68918と比較しても逆相関の強い状態を示し、90日相関係数でも-0.78904とドル円とNYプラチナの-0.53241やNYダウとNYプラチナの-0.60477よりも強い逆相関状態。短期的にも中期的にも逆相関関係が最も強い組み合わせとなっています。
30日の相関係数はややブレが大きいものの、
90日の相関係数の推移を見ると、今年1月から急速に逆相関が強まり、2月に入ってかなり強い水準に達しています。
なお、
昨年末までは、ほぼ無関係の状態でした。
昨年秋から年末にかけては、世界的低インフレ懸念を背景に主要国の長期金利低下の流れにで米10年債金利も低下傾向にあり、NY金もやや下落傾向ながら反発時期もあり、両者の推移に連動性は全く見られない状況。
1月に入ると、ギリシャ情勢不安や
スイスショックによる混乱などを背景に安全資産買い傾向が強まり、NY金が上昇します。この間、米10年債も安全資産買いにより買われ、利回り低下傾向が強まりました。
しかし、月末の
FOMCがややタカ派寄りとなったことをきっかけに、徐々に米国の利上げへの意識が高まり始めた面もありそうです。
市場の金利先高感により、10年債金利にも上昇圧力がかかり、金利のない金は売り傾向が強まり始めたことになります。
先日の
FOMC議事要旨ではややハト派寄りの側面も強調されたことにより、金利上昇、金下落の流れに一服感もあるものの、裏を返せば金利への意識が高まってきたことを示していることにもなりそうです。
足元ではレンジ状態が続くドル円も、金利先高感によりドル高傾向が強まる局面が、いずれ訪れることになりそうです。
23日の国内金価格は0.36%安、5営業日続落で年初1月5日につけた4,907円以来の安値水準へ。5日続落となるのは昨年5月以来9カ月ぶり。NY市場の軟調推移に対して円安サポートが得られない状況が継続。今朝のNY金は時間外で1,200ドルの大台割れをなんとか回避している状態。ここを割れるともう一段の下落が予想され、国内価格にとっての下落圧力に。売られ過ぎ状態はやや過熱気味ながら、目先のサポートライン候補4,900円辺りまでの下落余地も。
プラチナも0.44%の下落で11月14日の4,749円以来、3カ月と1週間ぶりの安値水準。90日移動平均線が4,890円で水平状態を維持している間に反発し、少しでも乖離幅を縮小しておきたいところだが。サポートライン候補は4,770円から4,750円辺り。
※参考:
金プラチナ国内価格2/23とチャート
2015年02月23日(月)時点の相場
国内金:4,943 円 2/23(月)
▼18(
0.36%)
国内プラチナ:4,791 円 2/23(月)
▼21(
0.44%)
NY金:1,204.9 ドル 2/20(金)
▼2.7(
0.22%)
NYプラチナ:1,169.5 ドル 2/20(金)
▼2.8(
0.24%)
ドル円:119.07 円 2/20(金)
▲0.14(
0.12%)
2/20(金)のその他主要マーケット指標
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