米株失速・原油安減速・ユーロ安加速の第1四半期に金は下げ止まり
更新日:2015年04月01日(水)
2015年第1四半期終了時点での年初来騰落率を比較すると、際立つのはドイツ株高の加速と米株高の流れ失速。原油安は継続中も減速、ユーロは対ドルでも対円でも大きく売られ、ユーロ安ドル高が加速。対ドルでの円安は完全にストップし、対ユーロでは円高転換。
この結果、NYダウとドル円が年初来ほとんど変わらずの水準となったのと同様に、金も年初来では横ばい推移状態に。
米株買いの流れが止まったことにより、金の売りも進まなかった、という一面はありそうです。
しかし、ドル買いは対ユーロを筆頭にその他主要通貨、新興国通貨などでも進行したにも関わらず、金はほとんど売られず。
円高傾向も進行した為にドル円相場の動きがなかったことと、結果的には同調する形になりました。
2014年第4四半期と
2015年第1四半期の主な騰落率は以下のとおり。
NYダウ:+4.58% → -0.26%
独DAX:+3.5% → +22.03%
日経平均:+7.9% → +10.06%
ドル円:+9.19% → +0.33%
ユーロ円:+4.59% → -11.01%
ユーロドル:-4.21% → -11.3%
米10年債利回り:-12.73% → -11.46%
NY原油:-41.56% → -10.64%
NY金:-2.27% → -0.08%
NYプラチナ:-6.9% → -5.48%
高値警戒感に利上げへの警戒感も加わって米株が失速し、それでも金利の先高感はそれほど台頭せず、米金利は低下傾向継続。
利上げに対する不透明感は、ドル円の失速にも影響している可能性もありそうです。
同じ理由もあってか、金もいったんは下げ止まりの様相に。
そんななか、プラチナはここまでコンスタントに、2四半期連続での売り傾向が継続しました。
31日のNY金相場はわずかに0.14%下げて3日続落。前日の大幅下落の流れは1,180ドル割れ水準で反発に転じたものの上値も1,190ドルまでと限定的。主要通貨に対するドル高の流れとともに上値を押さえられると前日終値近辺へと収束。1,200ドル台が当面の上値抵抗線となり、週末までは現状水準での揉み合い状態継続か。
月間ベースでは-30ドル(-2.47%)で続落。
プラチナ相場は2.3%の大幅反発。前日の極端な売りからの反発でほぼ全戻し。不安定な状態が続き、週末にかけては再び大きく変動する可能性も。1,110ドル台から1,150ドル台までのレンジから、上抜けなら1,180ドル辺りまで上値を伸ばす可能性。下抜けなら今年最安値圏への再トライの可能性。
月間ベースでは-43ドル(-3.63%)の続落。
ドル円は小幅続伸も120円前後での小動きに終始。対ユーロなどではドル買い優勢の流れも、円も買われやすい状況でドル高円高。ドル円は動き難い状況が継続。119円10銭から120円80銭までのレンジを抜け出すのには時間を要しそうな状況に。
月間ベースでは+0.48円(+0.4%)の小幅続伸。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/31終値とチャート
1日の国内金価格は0.18%の小幅安で3日続落。今年安値圏からの反発基調の流れも失速し、短期的には揉み合い傾向に。それでも4,950円程度までの上値余地は見込めそうな、やや強気相場。右肩上がりの90日移動平均線が中期スパンでの上昇トレンドを示唆。週末から週明けにかけては若干の波乱の余地も。
プラチナは1.45%の急反発。4,620円の下値メドに対しては前日の4,636円で切り返した形。4,630円台から4,740円までのレンジを形成し、方向感は喪失気味。4,740円の上限をしっかりと上抜けることができれば短期的には上方向への流れが加速する可能性。その場合のメドは4,800円超えも。
※参考:
金プラチナ国内価格4/1とチャート
2015年04月01日(水)時点の相場
国内金:4,895 円 4/1(水)
▼9(
0.18%)
国内プラチナ:4,703 円 4/1(水)
▲67(
1.45%)
NY金:1,183.1 ドル 3/31(火)
▼1.7(
0.14%)
NYプラチナ:1,142.6 ドル 3/31(火)
▲25.7(
2.30%)
ドル円:120.12 円 3/31(火)
▲0.05(
0.04%)
3/31(火)のその他主要マーケット指標
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