6月か2016年後半か?最タカ派vs最ハト派
更新日:2015年04月11日(土)
FOMCメンバーのなかで最もタカ派とみられるリッチモンド連銀のラッカー総裁は、「FOMCが6月に利上げを開始する強い根拠がある」と、6月のFOMCでの利上げ決定への正当性を主張しています。一部の経済指標に弱さが見られるのは、悪天候による影響が大きいとの考えがその根拠の一つとなっているようです。
一方、最ハト派と言われるミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁も今週、インフレや雇用が正常水準に戻るまで数年かかるとの見通しを理由に、「利上げは2016年後半まで遅らせるべき」との考えを示しています。
6月か、2016年後半か、最タカ派と最ハト派とで真っ向から対立する主張。先日のFOMC議事要旨では「数名」が6月利上げに賛成していることが公表されました。
現在、投票権をもつメンバー10名のなかで最近の発言から推測して6月利上げに賛成した可能性があるのは、ラッカー総裁以外では、「6月の利上げの可能性を排除すべきでない」と言っていたサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、先日「年内、早ければ6月にも」と発言したパウエル理事。
最大3名が「6月派」の可能性が考えられます。
それ以外では、今週「6月よりも7月か9月の利上げに賛成」と発言しているアトランタ連銀のロックハート総裁、拙速な利上げリスクを懸念しながらも「6月利上げのシナリオもまだ可能性としては残る」とするNY連銀のダドリー総裁の2名を仮に「7-9月派」。
「年内には利上げ可能となる可能性が高い」とするイエレン議長、フィッシャー副議長の2名は「年内派」。
タルーロ理事とブレイナード理事については明確な発言が拾えなかった為、「浮動層」。
「インフレ率が低すぎるため年内利上げは危険すぎる、2016年まで利上げを待つべき」と発言していたシカゴ連銀のエバンス総裁が唯一の「2016年派」。
残念ながら今年のFOMCでは投票権のないコチャラコタ総裁に同調するのは1名のみ。
年内か2016年か、では7対1(+2)で年内。
6月か7月以降か、では3対5、2票の浮動層の動向次第では6月決定の可能性も残るものの、やや厳しそうな状況。
なお、リッチモンド連銀のラッカー総裁は、利上げ実施後「経済動向次第で利下げに逆戻りしたとしても何ら問題ない」とも述べています。
6月は難しいとしても、年内後半にはなんとか利上げに踏みきり、金利調節を主要手段とする金融政策の正常化へと早く戻したい、という大半のメンバーの思いを表しているような発言にもとれます。
9日のNY金相場は4日ぶりに0.92%の大幅反発。欧州時間以降に買い戻しが進むと一時1,210ドルまで上昇。前日の下落分を取り戻して1,200ドルの大台を回復したことにより、この水準が抵抗線となることをまずは回避。逆に前日の下落がやや行き過ぎであった可能性も。1,170ドル台辺りまでの下値リスクを抱えながらも、1,200ドル近辺が攻防ラインとなり、ゆるやかな上昇トレンドをなんとか維持する形に。
週間ベースでは+3.7ドル(+0.31%)とわずかながらも上昇し、4週続伸。
プラチナ相場も1.18%の大幅高で4日ぶりの反発。1,150ドルのサポートラインが存在感を高め、ゆるやかな上昇トレンドをサポート。以前のように反発時の値幅が金を上回るケースも増え始め、3月までのやや行き過ぎ傾向の売り圧力もかなり後退しつつある様子。当面の目標は1,200ドルの大台回復。
週間ベースでは+16.8ドル(+1.46%)となり、4週続伸。プラチナの4週続伸は昨年の急落局面入り直前となる6月後半以来9カ月ぶり。
ドル円相場は0.28%の小幅反落。前日高値120円70銭台からは軟調推移が継続、ユーロ売りが強まった欧州時間にはドル円も円安方向へ反発、ユーロ買い戻しに伴いドル円も反落とユーロドルの乱高下に振り回される展開。それでも120円近辺では底堅さも見られ、方向感はわずかに上向き。当面の目標水準は121円台前半。
週間ベースでは+1.23円(+1.04%)、4週間ぶりの反発。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/10終値とチャート
2015年04月11日(土)時点の相場
国内金:4,963 円 4/10(金)
▼11(
0.22%)
国内プラチナ:4,819 円 4/10(金)
▲2(
0.04%)
NY金:1,204.6 ドル 4/10(金)
▲11.0(
0.92%)
NYプラチナ:1,170.6 ドル 4/10(金)
▲13.6(
1.18%)
ドル円:120.23 円 4/10(金)
▼0.34(
0.28%)
4/10(金)のその他主要マーケット指標
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