歴史的小動きが続く4月、警戒感高まるNY金相場のアノマリー
更新日:2015年04月22日(水)
堅調推移が続き、本格的に2万円台での推移が始まった日経平均に対して、120円にも手が届かなくなり、119円台を中心とするレンジ相場が続くドル円。4月の変動値幅で見ても、かなり限定的となっています。NY金相場に至っては、4月の変動幅は歴史的小動きと言える水準にとどまっています。
4月ここまでの変動値幅を比較してみると、日経平均は今朝時点で20,100円台へと高値を更新したことで、高低差は1,200円を超え、始値を分母として変動率に直すと6.3%。3月の6.4%を超えるのも時間の問題となり、過去1年間の平均6.9%も視野に入る状況。
ドル円の4月はここまで高低差2.31円、変動率1.92%。過去1年間の平均3.7%の半分強の値動きにとどまります。月間変動率が2%を下回るのは過去10年でも今月を含めても5回のみ。2014年7月の1.98%以来で、その前は2014年6月の1.53%、あとは2011年12月の1.68%、2007年4月の1.97%。
NY金相場の場合は、現時点での4月の高低差は43.5ドル、変動率3.68%。過去1年間の平均6.87%の半分強。月間変動率が4%を下回るのは、今回を含めて過去10年で4回のみ。前回は昨年8月の3.96%、その前は2013年3月の3.55%、さらにその前はちょうど10年前、2005年4月の3.55%。NY金相場がまだ400ドル台の時。本格的に1,000ドルを超えてきた2009年以降では3回のみ。
また、NY金相場の月間変動率が4%を下回った翌月は、もれなく大きく動くというアノマリーがあります。
昨年8月の翌9月には変動率は6.72%へと拡大し、1,280ドル台から1,210ドル台へと5.89%の大幅下落となりました。
2013年3月の翌月、4月の変動率は17.7%へと急拡大、1,590ドル台から1,470ドル台へと7.69%の暴落月となりました。
10年前の2005年4月の翌月も、変動率は4.74%へと拡大し、430ドル台から410ドル台へと3.94%の下落となっていました。
4%未満の小動きは、翌月の大幅下落に向けたサインとなっていました。
FOMCと日銀金融政策決定会合が重なる4月30日、それなりに大きく動く可能性も残ります。
しかし、NY金相場の月間変動率が4%を超えなかった場合、5月に水準を切り下げる確率が急上昇することになります。
21日のNY市場、金相場は0.79%の反発。ギリシャのデフォルト懸念を背景に1,200ドル前後の水準で買い支えられる状態が継続。陽線と陰線が交互に出現するくじらまく状態で動意低下中。順番どおりなら本日は1,190ドル台へと下落。レンジ状態の長期化とともに今後の変動率急拡大が予想される。上方向なら1,230ドル台、下方向なら1,150ドル台も。
プラチナ相場は0.32%の小反発。前日の大幅下落で流れが変わった可能性を維持。レンジ下限となっていた1,150ドルに戻しきれていない状況で、方向感は下向き始めている様子。加速し始めると1,110ドル近辺が目標水準に。流れが好転するためには1,170ドルオーバーが必要か。
ドル円相場は0.42%の続伸で1週間ぶりに119円台後半へ。浜田内閣官房参与の「コアコアでも物価目標達成できなければ追加緩和を」発言で急騰する場面もあり、追加緩和期待が根強く続いている様子。円高圧力がやや高まった状態からほとんどニュートラルな状態に戻った状況で、月末まではレンジ継続か。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/21終値とチャート
22日の国内金価格は0.85%の反発。NY金の反発に円安サポートも加わり大きく反転。しかし、どちらも保ち合い状態のなかでの一時的な反発が偶然重なった状況に過ぎず、依然トレンドレス状態。両方同時に反落するケースも予想されることから、国内価格は上下に振られる展開に。NY金かドル円のどちらか一方でも上方向へのトレンドが強まるなら、国内価格も上昇圧力が高まることに。その場合には上値目標水準5,030円近辺も。4,910円台がサポートラインに。
プラチナは0.25%の小幅反発。しかし、下向き始めた流れは変わらず、下値余地4,700円程度までの下落の可能性は徐々に高まる様子。
※参考:
金プラチナ国内価格4/22とチャート
2015年04月22日(水)時点の相場
国内金:4,959 円 4/22(水)
▲42(
0.85%)
国内プラチナ:4,749 円 4/22(水)
▲12(
0.25%)
NY金:1,203.1 ドル 4/21(火)
▲9.4(
0.79%)
NYプラチナ:1,152.5 ドル 4/21(火)
▲3.7(
0.32%)
ドル円:119.65 円 4/21(火)
▲0.50(
0.42%)
4/21(火)のその他主要マーケット指標
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