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黒田総裁がこれ以上円安にはならないと見る実質実効為替レート
更新日:2015年06月11日(木)
日銀の黒田総裁は10日、衆議院財務金融委員会で「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっている」、「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と発言しました。
実質実効為替レートの推移 2015年4月実効為替レートは、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標です。具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。」と、日銀ホームページで説明されています。
これに、インフレ動向を加味して物価調整した数値が実質実効為替レートとなり、インフレ動向を加味しない数値が名目実効為替レートとなります。

国際決済銀行(BIS)で公開されている世界61カ国を対象に算出した実質実効為替レートをチャート化してみると、黒田総裁の言うように、日本円は確かに過去最低水準の円安となっています。詳細には、2014年12月に1994年以降で最低となる69.2となり、今年1月から4月までは70.92、70.69、70.63、71.99と最低水準での推移中。
対ドルでの為替レートが1ドル=134円70銭のドル高円安水準となった2002年2月時点では、日本円の実質実効為替レートは100.6でした。これと比較しても大幅に円安が進行していることになります。

ただし、インフレ動向を考慮しない名目実効為替レートでは、2015年4月は76.75。かなりの円安水準にはありますが、過去最低ではなく、2007年には同水準から70台前半も、1996年から1998年も70台、60台まで低下した年もありました。
名目実効為替レートはまだ円安の余地があり、インフレが上昇すれば、実質実効為替レートでも最低水準を脱し、円安の余地が生じることになります。

なお、円と同様に通貨安傾向にあるユーロの実質実効為替レートも急低下中で、ユーロ導入間もない時期の2001年7月以来の低水準となっており、ユーロ安余地があまり残されていない可能性があることを示しています。

ドル高懸念発言も聞かれ始めている米ドルは、2009年3月以来の高水準となってはいますが、過去の推移を見ると、決して高過ぎる水準ではなさそうです。
普通に考えれば、実質実効為替レートが「ここからさらに円安に振れることはありそうにない」かもしれませんが、ここからさらにドル高に振れることは、十分にありそうです。

NY金・日足チャート 2015/5/11 - 6/1010日のNY金相場は0.76%上昇し3日続伸。黒田総裁発言によるドル円急落に伴い、1180ドル台へと反発するとその後もジリ高推移となって一時1週間ぶり高値となる1190ドル台にタッチ。下押し圧力は緩和されつつも1190ドル台に定着するほどの買い圧力も安定感もまだない状態。1190ドル台半ばを超えられるようなら5月高値1220ドル台半ば辺りまで上値余地拡大見込み。しかし現状はまだ1150ドル台までの下値警戒感を抱えての揉み合い状態。

NYプラチナ・日足チャート 2015/5/11 - 6/10プラチナ相場も3日続伸となる0.6%高。2番底形成に向けて、最初の抵抗水準1110ドル台半ばを超えようかという状況に。この水準を維持できるようなら1130ドル台後半辺りまで上値を伸ばす可能性。1190ドルがいったんサポートラインに。しかし、今朝にかけては既にやや反落傾向の兆しも。

ドル円・日足チャート 2015/5/12 - 6/10ドル円は1.34%の大幅円高で3日続落。下落率としては昨年12月10日の-1.57%以来、半年ぶりの大幅下落。黒田発言を受け、124円のサポートライン割れの場合の下値メドとなっていた122円台後半まで急落。一時5月26日以来半月ぶり安値水準となる122円40銭台までの円高に。この水準は、5月14日安値118円80銭台から6月5日高値125円80銭台までの上昇値幅の50%戻しライン(122.37)に相当し、サポートされやすい水準。122円半ばから125円半ばの広めのレンジを形成し、再び上値トライをうかがうチャンスを探る展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/10終値とチャート

11日の国内金価格は0.42%の反落。突然の円高ハプニングをNY金に支えられて下げ幅も限定的に。日々上下動を繰り返す揉み合い傾向の動きも方向感はやや下向きの状態となり、ゆっくりとした下落基調で4980円台近辺が当面の下値メドに。

プラチナも0.65%の反落。やはり揉み合い傾向を強めながらも上値がコンスタントに切り下がる下落トレンドが継続。再び4710円台の下値目標水準を目指す動きとなり、上方向への抵抗線も4760円台に切り下げ。
※参考:金プラチナ国内価格6/11とチャート

2015年06月11日(木)時点の相場
国内金:5,025 円 6/11(木) ▼21(0.42%)
国内プラチナ:4,730 円 6/11(木) ▼31(0.65%)
NY金:1,186.6 ドル 6/10(水) ▲9.0(0.76%)
NYプラチナ:1,115.2 ドル 6/10(水) ▲6.7(0.60%)
ドル円:122.67 円 6/10(水) ▼1.67(1.34%)
→6/10(水)のその他主要マーケット指標

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