小売売上高も加速の兆しで第2四半期GDP予想も1.9%へ上昇
更新日:2015年06月12日(金)
米5月の小売売上高は前月比+1.2%となり、ほぼ市場予想どおりの好結果となりました。ガソリン、建築材、自動車などの好調が牽引したようです。その自動車を除いた数値では+1.0%となり、予想の+0.8%を上回りました。また、不調だった4月の0%は+0.2%へ、3月の+1.1%も+1.5%へと上方修正。
この結果を受けて、アトランタ連銀の第2四半期GDP予想GDPNowの数値は今月3日の1.1%からこの日、1.9%に引き上げられています。
前月比1%超の増加は過去と比較しても高水準にあり、冬場の不調からも遅ればせながらも復調の兆しを見せる結果と言えます。しかし、この数値は毎月変動も大きく、1%程度の増加が続くことも稀です。水準と動向を見る為に6カ月平均を見ると、底値からの反発局面にはありますが、まだまだ低水準。1月に2009年5月以来のマイナス圏となる-0.08%に落ち込んだ6カ月平均は、2月には-0.27%、3月+0.03%、4月0%、5月に+0.12%という状況です。
小売売上高前月比の2010年以降の平均値は+0.39%。これと比較すると現在の半年平均+0.12%は3分の1以下。ちなみに1992年からリセッション前の2007年までの平均値は+0.44%となっていました。最近の伸びは鈍化傾向、と見ることもできそうです。
足元では、3月と5月が好結果となったことで、6月分は+0.7%程度でも6カ月平均が2010年以降の平均と同水準に達することになります。+0.5%前後でも、その水準が続くようなら、2010年以降の平均+0.39%に達するのも時間の問題となります。
大きな落ち込みさえなければ、小売売上高はまもなく2010年以降のそこそこ好調な状態に戻ることになりそうです。
11日のNY金相場は4日ぶりの反落で0.52%安。米5月小売売上高の予想どおりの好結果と新規失業保険申請件数のやや弱い結果にドル買いドル売りが交錯するなか、1175ドル付近まで下げて1185ドル近辺まで反発する乱高下を経て、なんとか1180ドル台を維持して引けた状態。上値を切り下げる形で1190ドルの抵抗感が増し、下値は1170ドル近辺でサポートされるかどうかという状況に。1150ドル台までの下値警戒感も継続。1190ドル台超えなら1210ドル辺りまでの反発余地も。
プラチナ相場も4日ぶり反落で0.9%安。2番底形成に向けての最初の抵抗線1110ドル台半ば超えに失敗、上値トライは仕切り直しで1110ドル台後半の抵抗線から1090ドルまでのレンジ状態へ。この近辺での揉み合い継続後、上下どちらかへ抜けた時には大幅高、もしくは大幅安となる可能性も。
ドル円は4日ぶりの反発で0.61%のドル高円安。黒田ショックの余韻が残るなかでの買い戻し優勢の流れ、小売に輸入物価、企業在庫などの好結果に反応してドル買いが加速すると一時124円台を回復。しかし直後には戻り売り圧力も高まり123円台前半までの急反落。下値は122円台半ばでサポートされつつも124円台では早くも高値警戒感が増してきそうな状況に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/11終値とチャート
12日の国内金価格は0.1%の小反発。5月半ばから続いたスローペースでの上昇トレンドが6月2日と3日の高値でピークをつけた後、今度はスローペースの下落トレンドが進行し、左右対象のチャートを描く状態。時間的にも次週は変動幅が拡大し易い頃合い。左右対称の状況が続くなら、それなりの下落幅も想定されるところ。現時点での下値目処は4980円台付近。左右対称局面打破で5060円台超えなら今年高値更新へと向かう可能性も。
週間ベースでは-14円(-0.28%)で小幅続落。
プラチナは0.23%の小幅安で続落。5月半ばから続いた下落トレンドの
下値目標水準4710円台にようやく到達。ここから新たな展開で上方向には4760円台が当面の抵抗線、下方向には5月初旬の安値圏4670円台辺りがサポートラインに。
週間ベースでは-4円(-0.08%)の小幅安で3週続落。
※参考:
金プラチナ国内価格6/12とチャート
2015年06月12日(金)時点の相場
国内金:5,030 円 6/12(金)
▲5(
0.10%)
国内プラチナ:4,719 円 6/12(金)
▼11(
0.23%)
NY金:1,180.4 ドル 6/11(木)
▼6.2(
0.52%)
NYプラチナ:1,105.2 ドル 6/11(木)
▼10.0(
0.90%)
ドル円:123.42 円 6/11(木)
▲0.75(
0.61%)
6/11(木)のその他主要マーケット指標
ミシガン大学消費者信頼感指数と政策金利の長期推移 06/13(土)黒田総裁がこれ以上円安にはならないと見る実質実効為替レート 06/11(木)求人件数は過去最高、イエレン・ダッシュボードは停滞継続 06/10(水)LMCI(労働市場情勢指数)が過去40年分に渡り毎月修正される理由 06/09(火)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン