NY金相場は1カ月で6.53%の急落、年間変動幅は適度な水準に
更新日:2015年07月21日(火)
1カ月前の
6月22日、NY金相場は1184.1ドルで年初来騰落率+-0%での横ばい推移が続いていました。1カ月後の
7月20日の年初来騰落率は-6.53%。
7月に入ってからの騰落率も-5.55%に達し、今年高値から急落した2月の下落率-5.12%を超えています。
急速に進んだ下落局面により、
今年の年間変動幅は227.8ドル(19.2%)に達し、2012年から14年までの3年間の平均23.3%にかなり近づき、ほぼ適度な水準と言える変動幅となってきました。過去3年の平均変動率23.3%を今年年初からの値幅に換算すると275.7ドル。この値幅を現時点の今年高値と安値に均等に振り分けた場合の安値予想は1056.1ドル。今年高値から275.7ドル下落した場合の価格は1032.1ドル。
かなり適度な安値水準に差し掛かってきた状況と言えそうです。
プラチナの年間変動幅は7月21日時点で344ドル(28.4%)。過去3年の平均は385.9ドル(26.7%)、変動率では既に上回っています。
過去3年の平均変動率26.7%を今年の値幅に換算すると322.9ドル。今年高値から322.9ドル下落した場合の価格は967.4ドル。7月20日の安値でこれを下回る946.3ドルまで下落しました。
プラチナの場合は、行き過ぎの領域に踏み込んできました。
20日のNY金相場は2.22%の大幅続落。昨年安値を記録した11月初旬の7日続落を超える8日続落となり、安値1080ドルは2010年2月以来、終値1106.8ドルも2010年3月以来、5年4カ月ぶり安値水準。先週末の1130ドル到達による一服感とある程度押し目買いも想定される水準で、NY市場の時間外で日本の祝日というタイミングを狙った売りが仕掛けられた模様で瞬間的な急落。
テクニカル的には
三角保ち合いを下方向にブレイクしていたことで中期的には1060ドル台までの下落も見込まれていたものの、いかんせん早過ぎる下落。
背景的にも買い材料が乏しいなか、6年ぶりに公表された中国人民銀行の金準備高が600トンほどしか増加していないことに失望売り、と格好のネタにされてしまった様子。むしろ、
年間800トンもの需要が続いた中国の金消費量が今年は大幅に落ち込むのではないか、そして景気減速に伴い、今後も金消費低迷傾向が続くのでは?と思われることのほうが、今後の金相場下支えへの影響として懸念されるところ。
プラチナ相場も1.27%の大幅安で5日続落。7月に入って2度めの5日続落となり、全13営業日中10日の下落で約100ドルの下落。
下値目標水準970ドル台にも早々の到達となり、946ドルまでオーバーラン後に980ドル台へと急反発。長い下ヒゲを残して反発の兆しも翌日には続落、と今年よく見かけた光景が今朝も繰り返されつつある様子も・・・。とりあえずは再度、終値ベースでもしっかりと970ドル台まで下落することを確認する状況か。
ドル円は0.16%の小幅ドル高円安。124円台前半での膠着状態が続き、上下の値幅30銭は変動率で0.24%となり今年最小水準。125円台半ばを目指す流れのなかでの一服状態が続き、ドル買い円売りのきっかけ待ち。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/20終値とチャート
連休明け21日の国内金価格は3.4%の大幅安で4日続落。前日比下落率としては今年最大で2013年9月24日以来。下げ止まりも予想していたなかで、NY金の突発的な急落劇に巻き込まれるアクシデントで昨年12月1日(4706円)以来の安値水準へ。昨年末以降のサポート水準となっていた4810-20円近辺を大きく下抜けてしまったことで、下落余地が拡大。当面の目標水準は4670円近辺。
プラチナも3.86%の大幅安で4日続落。下値警戒感はやや高まっていたものの、万が一のケースに相当するような、予想を大きく上回る急落。下落率としては2013年6月12日(-4.96%)以来の大幅下落となり、やや控えめに見た下落メド4200円台前半を既に大きく超え、確率は低めと見ていた4200円割れ水準に到達。NYプラチナの反発傾向が見られない場合にはもう一段安の余地も。当面の下値メドとしては4080円付近。
※参考:
金プラチナ国内価格7/21とチャート
2015年07月21日(火)時点の相場
国内金:4,721 円 7/21(火)
▼166(
3.40%)
国内プラチナ:4,161 円 7/21(火)
▼167(
3.86%)
NY金:1,106.8 ドル 7/20(月)
▼25.1(
2.22%)
NYプラチナ:988.6 ドル 7/20(月)
▼12.7(
1.27%)
ドル円:124.26 円 7/20(月)
▲0.20(
0.16%)
7/20(月)のその他主要マーケット指標
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