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★金プラチナ短期相場観★

中国リスクの欧州波及懸念拡大にはドラギマジックで対抗
更新日:2015年09月04日(金)
中国景気減速による影響は欧州へも波及。ECBはGDPに物価、いずれも見通しを引き下げ、追加緩和を示唆。混乱状態の金融市場沈静化に向けて久々のドラギマジックで株価下支え、大きく買い戻されていたユーロを再びユーロ安方向へと誘導。
ドル買いユーロ売りの流れは他通貨へも波及し、ドル買い新興国通貨売り状態は継続。ドル買い優勢の流れで金も売り優勢の展開。
しかし、ドル円はドル売り円買い傾向。欧州景気減速懸念というリスク材料による債券買いで金利低下、これに伴いドル買いよりも円買いがやや優勢に。

現在トルコで行われているG20財務相・中銀総裁会合でもマーケットの安定化に向けてのなんらかのメッセージが伝えられ、今後の要人発言などでも安心材料につながるような内容も聞かれ始めることでしょう。
さらに、米国のレイバー・デー明けから本格的に始まる秋相場では、安値水準からの買いも徐々に増え始め、米株先導による株価持ち直し傾向となる可能性も十分に想定されそうです。

並行して本日発表の雇用統計では、若干の下振れ予想も優勢となるなか、20万人台そこそこの、まずまずの結果となる可能性も高いと思われます。良過ぎず、悪過ぎずの程よい結果に9月利上げは先送り濃厚となれば、株価をサポートし、市場安定化にも一役買うことになりそうです。

そんな流れでリスク回避ムードも徐々に緩和、現状の円高局面も少しづつ緩和され、金も極端に売り圧力が強まることもなく、保ち合い状態継続へ。

というシナリオに対する懸念材料としては、4連休明けとなる月曜日の中国・上海市場。
上海休場の間でも落ち着かない日本株が再び上海株の動向に振り回されるリスクは、まだ残ります。
秋の金融市場安定化に向けては、超えなくてはならない壁です。国内当局者からも、ドラギマジックのような沈静化発言が必要かもしれません。

NY金・日足チャート 2015/8/5 - 9/33日のNY金相場は0.8%の続落。三角保ち合い継続で1120ドルから1140ドルのレンジ下限方向へ。流れはニュートラルからやや下方向に傾きつつある状態。雇用統計では賃金動向などでポジティブな兆しが確認されるようならドル買い金売りの流れへ。インパクトに欠ける内容ならレンジ下限キープの可能性も。1120ドル割れの場合には三角保ち合いブレイクで1100ドル割れ、1090ドル台が下値のメドに。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/5 - 9/3プラチナ相場は0.35%の小反落。高値では1020ドル台半ばの抵抗線に跳ね返された形も、1000ドルの大台ラインはなんとか維持した状態で週末に向けての警戒感も高まる状況。短期的な流れはゆるやかな上昇トレンド状態を維持し、レジスタンスライン突破への再トライのチャンスをうかがう展開へ。突破成功なら1050ドル台を目指す流れへ、逆に1000ドル割れなら970ドル台までサポートされない可能性も。

ドル円・日足チャート 2015/8/5 - 9/3ドル円は0.22%の小幅反落。200日移動平均線が位置する120円70銭台が抵抗線となった形で反落し、上限を切り下げる形で三角保ち合いを縮小。120円台前半と119円台前半が目先の三角保ち合いブレイク水準に。上方向へのブレイクなら122円前半へ、下方ブレイクなら117円台後半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/3終値とチャート

4日の国内金価格はNY金安円高の流れで1.04%の大幅続落。4650円台のサポートラインぎりぎりで下げ止まった状態。中国市場休場の雇用統計前にも関わらず、今朝から再び株安円高の流れが加速する不安定な状態。雇用統計後には流れが変わる可能性も十分に想定されるものの、国内金価格の現状としては下振れリスクが高まる状態。このままサポートライン割れの場合には今年安値を更新し、4600円付近までは下げやすいところ。下方リスクがさらに高まるようなら4500円割れへの可能性にも警戒。
週間ベースでは-41円(0.87%)、小幅続落。

プラチナも0.97%の大幅反落。短期的な堅調状態は失速気味となり、4160円台のサポートラインまであとわずかの水準。比較的底堅いサポート水準と見られる現状水準を下抜けるリスクへの警戒感も高まる状況に。下抜けなら4100円割れ、4090円付近が目先の下値メドに。急反発で4220円に切り下げた抵抗線超えなら4300円が上値目標水準に。
週間ベースでは-26円(0.62%)の小幅続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/4とチャート

2015年09月04日(金)時点の相場
国内金:4,653 円 9/4(金) ▼49(1.04%)
国内プラチナ:4,171 円 9/4(金) ▼41(0.97%)
NY金:1,124.5 ドル 9/3(木) ▼9.1(0.80%)
NYプラチナ:1,010.1 ドル 9/3(木) ▼3.5(0.35%)
ドル円:120.06 円 9/3(木) ▼0.27(0.22%)
→9/3(木)のその他主要マーケット指標

←見方分かれる雇用統計、賃金上昇の兆しでインフレ押し上げも 09/05(土)
→鬼のいぬ間の回復基調も失速気味 09/03(木)
→世界同時株安の8月に低迷した世界中のPMI、最も上昇した国は? 09/02(水)
→中国の製造業PMI低下は想定の範囲内、米国のPMI鈍化も想定内? 09/01(火)

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