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世界同時株安の8月に低迷した世界中のPMI、最も上昇した国は?
更新日:2015年09月02日(水)
中国発世界同時株安となった8月は、世界じゅうの国での景況感も低迷しました。
中国の製造業PMIが3年ぶりの低水準となり、好不況の節目となる50を割れたことが昨日の株価再急落の原因との報道もされますが、確かに多少の影響はあったかもしれません。しかし、この数値は国家統計局の発表値であり、より信頼性があると思われる民間発表の数値、マークイットと財新が発表した数値では既に半年前から50を割り込み、8月の数値は47.3と急落傾向が続きます。

同じマークイットと日経などが発表する製造業PMIで比較すると、世界各国の製造業PMIの8月は、ピックアップした国の全てが7月から低下しています。ロシアは中国と同水準で同じような低迷状態が続き、ブラジルにいたっては中国を凌ぐ低迷状態が続いており、8月のPMIは中国を下回る45.8。およそ4年ぶりの低水準となっています。

これ以外の国でも8月は低調な数値が並び、JPモルガン発表の世界の製造業PMIは50.7、2013年7月以来、ほぼ2年ぶりの低水準となりました。
最も好調の(はずの)米国も、マークイットの製造業PMIでは7月の53.8から53.0へと低下し、1年10カ月ぶりの低水準。ISM発表の製造業景況指数(PMI)でも51.1へと低下し、2年3カ月ぶりの低水準。新規受注に価格、雇用、輸出・輸入などほとんどの指数が低下しました。ドル高の影響もまだありそうです。

その他、トルコも50.1から49.3へと2カ月ぶりに50割れ水準へ低下し、比較的堅調だったポーランドも54.5から51.1へと約1年ぶりの低水準に鈍化。
そのなかで日本は51.2から51.7へ、数値はやや控えめながらも7カ月ぶりの水準へと上昇しました。

ユーロ圏各国の製造業PMI推移 2015年8月ユーロ圏内ではドイツが2014年4月以来、1年4カ月ぶりの高水準となる53.3へと上昇しました。

日本とドイツ以外ほとんどの国で低調だった8月のPMIの数値が最も上昇したのは、ギリシャ。7月から8.9ポイントもの大幅上昇となっています。
しかし、これはデフォルト懸念に揺れた7月に30.2と異常値とも言える低水準へと急落した反動。圏内格差が問題となるユーロ圏でも、この製造業PMIの数値では比較的近い水準に集中し、景況感の格差はそれほどでもなかった状態から、ギリシャだけがとても同一経済圏とは思えない水準へと切り離された状態です。
フランスの低迷状態を覆い隠してしまうようなチャートとなっています。いつかまた、ギリシャ発の問題が世界を騒がせることになるのかもしれません。

NY金・日足チャート 2015/8/3 - 9/11日のNY金相場は0.64%の反発。上海株の勢いを超える下落基調となった日経平均に連れて円高ドル安が進行したことで金はジリ高。株安円高の流れが行き過ぎとの判断からか金の上値も限定的。堅調状態維持も1120ドルから1160ドルまでのレンジ縮小に向けて中ほどに到達。株価の大荒れ状態が収まらない状態のなか、米国の雇用指標に対する評価を冷静に下すのは金相場の動向か。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/3 - 9/1プラチナ相場は0.21%の小幅続落。この日の安値も990ドル台、1000ドルの大台ラインでの足場固めもままならないところにプラチナの不安定さが垣間見られる。株安状態継続で中国リスクに欧州への波及懸念などプラチナ需要への懸念も継続する状況に加え、力強い金の上昇圧力に引っ張られるような状態でもなく、反発基調は減速し、1020ドル台以下の水準での揉み合い状態へ。

ドル円・日足チャート 2015/8/3 - 9/1ドル円は1.52%の大幅ドル安円高。日経平均の急落状態に連れて8月24日の3%下落に次ぐ大幅安となり、2円近くの急落状態に。今朝には売られ過ぎからの反発状態とはなっているものの、日本株の不安定さがまだまだ警戒要因に。8月後半の急落局面の61.8戻しライン手前で反落した形となり、121円台半ばが当面のレジスタンスラインに。円高方向の118円半ばまでのレンジで乱高下を経て週末には方向感再確立となるか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/1終値とチャート

2日の国内金価格は0.61%安で4日ぶりの反落。金融市場の不安定な状態が払拭されないなかでの大幅円高による下落圧力をNY金の反発でやや緩和。4730円台が当面の上値抵抗線となるかどうか、週末通過後に超えられない場合には再び安値トライの可能性も。上抜けできれば8月半ばの揉み合い形成水準4780円から4800円の水準までが比較的到達しやすい水準。

プラチナは0.95%の大幅続落。調整局面でのオーバーラン気味となるところが現在のプラチナの不安定さ。なんとか堅調推移状態を維持する形で週末にかけて反発か、続落か。NYプラチナが1000ドルライン付近に拘束される状態が続くなら、ドル円の大幅反発で、あるいは1000ドルラインからの決別を果たすことができれば多少の円高でも上値トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格9/2とチャート

2015年09月02日(水)時点の相場
国内金:4,705 円 9/2(水) ▼29(0.61%)
国内プラチナ:4,166 円 9/2(水) ▼40(0.95%)
NY金:1,139.8 ドル 9/1(火) ▲7.3(0.64%)
NYプラチナ:1,008.4 ドル 9/1(火) ▼2.1(0.21%)
ドル円:119.38 円 9/1(火) ▼1.84(1.52%)
→9/1(火)のその他主要マーケット指標

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