想定外の利上げ決定なら金は一段安、見送りなら大幅上昇へ
更新日:2015年09月14日(月)
金融市場にとって一大イベントとなりかねない、日米金融政策会合が開催される週。にわかに再浮上し始めた日銀の追加緩和については、実現性自体にも疑問の余地があり、ましてやFOMC直前に日銀が動く可能性は極めて低いと考えられ、ほぼ無風通過と想定されます。
米国のFOMCでの利上げの可能性は、11日時点のフェドウォッチで23%。ただし、市場の見方は意外と今週の利上げ決定予想も多く、ロイターの調査などでは半数以上が利上げという結果も出ている模様。全体としては今回は見送りのほうがやや優勢、というところでしょうか。
もし、利上げ決定の場合には、素直にドル高円安で反応し、NY金は一段安となり、国内金価格もいったんは水準を切り下げる可能性が高そうです。ただし、今後の見通しを示すFOMCメンバの予想ドット・チャートやイエレン議長の会見ではハト派イメージでフォローすることになり、一方的な下落が続くような流れにはならないものと想定します。
逆に見送りの場合、NY金はそれなりの反発で反応し、ドル安円高。しかしこの場合のドル売りは限定的となって国内金価格は一度急反発も?との想定。ただしこの流れも不透明感継続という面もあり、やはり長くは続かないのでは?
国内金価格の水準としては、2013年安値3978円から2015年高値5298円までの上昇幅に対する50%戻しの水準4638円を少し割り込んだところが現在の水準。急反発の場合には、38.2%ラインの4794円近くまで上昇する可能性も。下方向には、61.8%ラインの4482円近辺が少し強めのサポートラインとして作用することも考えられます。
週明け14日の国内金価格は0.65%の反落で今年安値圏での三角保ち合い縮小へ。9日移動平均線に沿ってきれいに右肩下がりを描く上値抵抗線は4630円まで切り下がり、下値サポートラインは4580円台の水平ライン。今年安値更新で下限割れなら、当面の下値目安は4510円付近。4630円の抵抗線上抜けなら反発基調の上値目安として4720円近辺も。
プラチナの場合は、利上げ決定なら金に連れて下落、さらに株安の流れにも影響され、国内プラチナ価格も下げ幅はやや拡大する可能性。見送りの場合には、金の上昇以上に株価の上昇に連れて、やはり大幅反発となる可能性もありそうです。
しかし、短期的な流れは既に下方向へと動き始めた状態にあり、14日のプラチナ価格は1.63%の大幅反落。今年安値圏での乱高下状態は未だ収束し切れず、三角保ち合い下抜け。下値トライへと向かう可能性は高まり、当面の下値メドは3980円台。乱高下状態継続で反発し、4110円まで切り下がったレジスタンスライン突破の場合の上値メドは4200円前後。
※参考:
金プラチナ国内価格9/14とチャート
FOMC通過で流れが増幅される可能性もあり、週間チャートで見た場合、昨年10月安値から今年1月高値までの上昇幅に対して161.8%戻しの水準4093円を既に割り込んだ状態。下方向への流れが加速した場合には最大で200%戻しライン3833円付近が下値メドとなる可能性も。大幅反発の場合でも、4200円付近には右肩下がりの上値抵抗線もあり、この水準を超えるには少し時間が必要か。
2015年09月14日(月)時点の相場
国内金:4,598 円 9/14(月)
▼30(
0.65%)
国内プラチナ:4,040 円 9/14(月)
▼67(
1.63%)
NY金:1,103.3 ドル 9/11(金)
▼6.0(
0.54%)
NYプラチナ:964.9 ドル 9/11(金)
▼16.3(
1.66%)
ドル円:120.57 円 9/11(金)
▼0.05(
0.04%)
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