スイスの資源大手グレンコアの破綻懸念リスク?に戦々恐々
更新日:2015年09月29日(火)
世界最大の商品取引商社で多国籍企業のグレンコアは、売上ではネスレを上回るスイス最大の企業。資源価格の下落が続いていることで、グレンコアの株価下落もとまらない状況となっているようです。
28日のロンドン市場では過去最大の下落幅となる29.4%の下落となり、同社の時価総額は今月に入って140億ドル余りが吹き飛んだ計算とのこと。
債務負担は増加の一途で、債務圧縮とバランスシート改善は追いつかず、経営危機観測も高まる状況。これを嫌気して米株市場も大幅安。
香港市場にも上場するグレンコア株は、今朝には一時27%の大幅下落となっているようです。
このグレンコア株を保有するカタールの政府系ファンドは、フォルクスワーゲン株の下落分と合わせ、59億ドルもの評価損が発生している模様。
この流れでクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)はデフォルト確率50%以上を織り込む水準となり、債券利回りは既にジャンク級へと上昇とのこと。
資源大手の破綻懸念リスク台頭を象徴するかのように、下げ止まらないプラチナ相場もさらに一段安となり、リスク回避の流れに巻き込まれる形で日経平均も大幅安、為替も呼応する形で円高ドル安へと傾斜。
中国や新興国経済鈍化懸念に先導される形で進行する世界経済の先行き不透明感のなかから、少しづつ現実的なリスクが台頭し始めているようです。
そんななかにあって米国の利上げをめぐる不透明感に対しては、FOMCでの行き過ぎたハト派ムードの巻戻しとばかり、10月利上げも辞さずといったタカ派トーンの発言も聞かれ始めています。
このちぐはぐな状況に、市場の警戒感はより高まりそうな気配も漂い始めます。
28日のNY金相場は1.21%の続落。上値メド1160ドルに対して1156.4ドルまで上昇した24日時点で短期上昇トレンドの勢いは力尽きていたこととなり、戻り売り優勢の展開。特段の材料がなくても10ドルの急落で1130ドル台に押し戻されると、NY連銀・ダドリー総裁の年内利上げ予想支持発言などもあり反発も限定的。反落基調が一方的に続くような流れにもなく、1120ドル台から1150ドル台までのレンジを形成し、下抜けた場合でも1100ドル付近が強めのサポートラインとなる可能性。
プラチナは3.01%の大幅続落となり、2009年1月以来6年8カ月ぶりの安値水準。昨年は1回しかなかった3%超の下落が今年は4回め、うち3回が8月24日以降。東京時間には金に連れて下落、欧州時間には欧州株に、NY時間には米株に連れて下落するような流れに。もう一段安の可能性も高まり、900ドル前後が目先の下値メド。950ドル台は抵抗水準に。
ドル円は0.47%のドル安円高。年内利上げへの可能性よりも不透明感に伴うリスク回避が勝る状況にあり、株安の流れにも連れて円高方向へと進みだした可能性。終値ベースでは9月8日以来3週間ぶりに120円を割りこんだことで、セオリーどおり下落基調からの保ち合い形成、その後のブレイクで流れは下方向。目標水準は118円割れ、117円台後半。120円台後半へと反発できれば流れは変わる可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/28終値とチャート
29日の国内金価格は1.81%の大幅続落。反発基調の流れが大きく巻き戻され、4720円近辺も大きく割り込んだことで上昇トレンドへの流れは強制的に断ち切られてしまった形。長期サポート水準候補となる4600円台の水準にあり、この近辺で足場固めの動きとなる可能性も。直近の流れからは4570円台から4760円までの広めのレンジ内で乱高下気味の状態から落ち着き場所と方向性を模索する展開へ。
プラチナ価格は4.11%の大幅反落。8月25日の5.87%に次ぐ下げ幅となり、2012年8月10日以来3年1カ月ぶりの安値水準。いったんは自律反発もあり得るところ。しかし、NYプラチナとドル円ともにもう一段の下落余地が生じたことで、上値の重い展開がまだしばらく続くことに。3年1カ月前の安値水準3630円近辺が下値警戒水準に。
※参考:
金プラチナ国内価格9/29とチャート
2015年09月29日(火)時点の相場
国内金:4,664 円 9/29(火)
▼86(
1.81%)
国内プラチナ:3,775 円 9/29(火)
▼162(
4.11%)
NY金:1,131.7 ドル 9/28(月)
▼13.9(
1.21%)
NYプラチナ:922.5 ドル 9/28(月)
▼28.6(
3.01%)
ドル円:119.92 円 9/28(月)
▼0.57(
0.47%)
9/28(月)のその他主要マーケット指標
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