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利上げに向けてフィリップス曲線の正当性検証フェーズへ
更新日:2015年11月09日(月)
夏場の米労働市場の減速は一時的だった可能性が高まり、次回11月の雇用統計で余程悪い数値が飛び出すか、極端な市場混乱が起きない限りは12月の利上げは確実との楽観論があちこちから聞かれ始めるようになりました。現時点では、そのとおりとなる確率は極めて高まった状況とは言えそうです。
しかし、失業率が7年半ぶりとなる5%まで低下した今もインフレ率の低迷状態は継続中です。

経済状況が回復すれば、失業率は低下し、インフレ率は上昇。逆に景気減速傾向が強まると失業率は上昇し、インフレ率は低下。失業率とインフレ率との関係は逆相関関係にあるとするフィリップス曲線の考え方からすると、現状はそのとおりにはなっていないのが実情です。
米9月の消費者物価指数(CPI)は前年比0%。コアCPIでは1.9%となってはいますが、FRBのインフレターゲットである個人消費のインフレ率(PCEインフレ)の9月は0.2%、コアCPEでも1.3%。目標の2%には程遠い水準での推移が続きます。

ポジティブ・サプライズとなった10月雇用統計が発表される前、10月時点ではFRBのブレイナード理事やタルーロ理事は、12月利上げに対して否定的な見方をし、フィリップス曲線自体も当にならない、としていました。海外情勢などの問題もあり、失業率が低下してもインフレ率は上昇しない状況だから、利上げはできない、との考えです。

インフレ低迷状態には、明らかに原油安も影響している状況と思われます。11月後半に発表されるPCEインフレ率がわずかでも上昇の兆しを見せることになれば、フィリップス曲線の正当性もわずかながら示されることにもなり、12月利上げへのハードルは更に下がることになりそうです。しかし、おそらくPCEインフレは現状維持レベルからはまだ抜け出せないことでしょう。

それでも12月に利上げが決定されるなら(そうなる可能性はかなり高そうですが)、原油安さえなければ物価目標2%へ向かう確信があると判断したことになり、FRBは原油安の影響さえなければフィリップス曲線の正当性も否定できない、と考えていることになりそうです。

9日の国内金価格は0.24%の小幅安となり、8営業日続落。雇用統計の好結果を受けての金相場急落を円安でカバー、しかしドル高主導の円安では100%カバーすることはできず、10月2日以来、5週間ぶりの安値水準に。8営業日続落は2013年6月、バーナンキショックの時期以来。米国の量的緩和縮小への警戒感から金の下落に加え、リスク回避の流れでドル安円高局面となった当時は8日間合計で9.16%の下落。今回は利上げに向けての警戒感からの金の下落をドル高円安基調が軽減する形となり、8日間合計4.36%の下落。利上げの市場織り込み度合いがかなり進行したことが下落率の差に。短期的には金の売り過熱感が高まり、水準的にも今年安値圏が意識される状況からの一服感も。ドル高円安基調も現時点では想定範囲上限付近に到達したと思われることなどから、国内価格もいったん下げ止まって揉み合う展開へ。

国内プラチナ価格は0.65%安。3月以来の6営業日続落で水準としては10月9日(3936円)以来ちょうど1カ月ぶりの安値水準。3月の6日合計4.73%下落に対して今回の6日合計では3.77%下落にとどまり、金に比べても今回の下落基調はやや弱め。金と同様にいったん下げ止まって揉み合い状態へ、10月9日の3936円辺りまでで下値もサポートされ易いところ。
※参考:金プラチナ国内価格11/9とチャート

2015年11月09日(月)時点の相場
国内金:4,630 円 11/9(月) ▼11(0.24%)
国内プラチナ:3,977 円 11/9(月) ▼26(0.65%)
NY金:1,087.7 ドル 11/6(金) ▼16.5(1.49%)
NYプラチナ:940.0 ドル 11/6(金) ▼13.1(1.37%)
ドル円:123.16 円 11/6(金) ▲1.42(1.17%)
→11/6(金)のその他主要マーケット指標

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