金プラチナ相場情報
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★金プラチナ短期相場観★

世界の金需要 2015年第3四半期
更新日:2015年11月13日(金)
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が12日発表したGold Demand Trends Q3 2015によると、2015年第3四半期の世界の金需要は1120.9トン。前期(905t)比+215.9t(+23.9%)、前年同期(1041.9t)比+79t(+7.6%)、5年間平均(1106.1t)と比較しても+14.8t(+1.3%)といずれも増加。ドル建て価格の平均は1124.3ドルとなり、前年同期の1281.9ドル、前期の1192.4ドルからも大きく下落。これに伴う投資・宝飾品需要増が牽引。

目的別需要
宝飾品:631.9t(前年同期比+6.4%)
工業関連:84.3t(-3.8%)
投資関連:229.7t(+27.1%)
中央銀行:175t(-2.5%)
投資関連では、バー・コイン等の現物投資は295.6t(+33.3%)、ETF関連では前年同期-41.5tの売り越しから-65.9tへと売り越し幅が拡大。

国別金消費需要ランキング(宝飾品と現物投資の合計)
1位 インド:268.1t(前年同期比+29.9t,+12.6%)↑
2位 中国:239.9t(+27.9t,+13.2%)↓
3位 米国:58.9t(+62.3%)→
4位 ドイツ:33.0t(+31.5%)→
5位 タイ:23.5t(-17.5%)↑
6位 トルコ:22.8t(+2.2%)↑
7位 イラン:20.1t(+42.6%)↑
8位 サウジアラビア:19.4t(+6.6%)↓
9位 日本:15.2t(+375%)↑
10位 ベトナム:15.0t(-5.7%)↓
世界合計:927.5t(+111.2t,+13.6%)
※矢印は2015年第2四半期の金消費需要ランキングからの順位変動

第2四半期には大幅減となっていたインドの需要が回復し、中国を抜いて1位へ返り咲き。2大金消費大国が占める世界シェアは前期の51.7%から54.8%へと上昇し、前年同期の55.2%に迫る水準を回復。
トップ10の顔ぶれは前期8位のUAEが脱落し、日本が9位へランクイン。前期比+310%、前年同期比+375%の大幅増の内訳はバー・コインの現物投資需要が71%を占め、宝飾品需要の増加分を大きく上回る状態。日本よりも投資需要の割合が大きかったのはベトナムの76.7%、タイの87.2%、ドイツの96.1%など。ランク外のスイスに至っては13.5tの100%が投資需要。なお、米国の投資需要は55.5%、トルコも46.9%と半分程度。
インドと中国は伝統的に宝飾品需要のほうが強く、揃って78%台。サウジ、UAE(11.6t)、エジプト(13.3t)の中東勢の宝飾品需要は80%台とさらに大きく、最大はロシア(14.8t)の91.2%。

中央銀行保有量ランキング
1:米国 8,133.5(73%)
2:ドイツ 3,381.0(67%)
3:IMF 2,814.0(-)
4:イタリア 2,451.8(65%)
5:フランス 2,435.5*(62%)
6:中国 1,708.5*←1,658.1(2%)
7:ロシア 1,352.2*←1,275.0(13%)
8:スイス 1,040.0(6%)
9:日本 765.2(2%)
10:オランダ 612.5(56%)
11:インド 557.7(6%)
12:ECB 504.8(26%)
13:トルコ 504.5*←504.7(15%)
14:台湾 423.6(3%)
15:ポルトガル 382.5(74%)
16:ベネズエラ 361.0(67%)
17:サウジアラビア 322.9(2%)
18:英国 310.3(9%)
19:レバノン 286.8(20%)
20:スペイン 281.6(19%)
*:6月末時点から変動、括弧内は公的準備資産に占める割合
21位以下を含む世界の金準備保有量ランキング100
中国、ロシアはコンスタントに増加、上位20カ国の順位変動はなし。
これ以外での目立った変動は、は23位のカザフスタンが7.7トン買い増して213.4tへ。40位以下ではヨルダンやウクライナでも買い増し、ベラルーシやコロンビアでは減少。

供給量
供給量は1,100.1t。前年同期(1,081.5t)比+18.6t(+1.7%)の増加。内訳は、鉱山産出量が847.8t(+4.2%)、リサイクルが252.3t(-5.9%)。

NY金・日足チャート 2015/10/14 - 11/1212日のNY金相場は0.36%の小幅続落。FRB関係者の年内利上げ示唆発言に軟調な展開が継続。一時7月24日の今年最安値1072.3ドル寸前となる1073ドルまで下げて反発すると、なんとか1080ドル台を維持。この水準の底堅さは健在。投機的な売り圧力と現物需要による買い支えとが交錯する状況は第4四半期も継続中。もうしばらくは前者優勢の状態継続か。

NYプラチナ・日足チャート 2015/10/14 - 11/12NYプラチナ相場は0.7%安となって続落11日め。一度も反発できない11月の月間騰落率はここまで-11.34%。この水準以下で月末を迎えることになれば、9月の10.2%下落を超える今年最大の下落月となり、2011年9月(-17.5%)以来の下落率に。月間下落率が10%を超える月が年2回以上となった場合には2008年(4回)以来7年ぶり。

ドル円・日足チャート 2015/10/14 - 11/12ドル円は0.2%の小幅ドル安円高。イエレンFRB議長から12月利上げに関する発言が聞かれなかったことによる失望売りがきっかけとなって軟調な展開に。それでも122円台半ば付近ではサポートされる状態で、反発に向けては次のきっかけ待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/12終値とチャート

13日の国内金価格は0.28%の小幅安で3日続落。2カ月ぶりの今年安値圏で4578円の安値更新手前で踏みとどまる状態。日本国内での金消費需要の急拡大も下値サポートの一助に。第3四半期に既に買い場と見る向きが急拡大していたことが判明したわけだが、第4四半期にはさらなる好条件での買い場が訪れようとしている可能性も。
週間ベースでは-57円(1.23%)となり、4週続落。4週続落は今年1月末から2月にかけて以来、9カ月ぶり。

プラチナは0.43%の小幅安となり、3年3カ月ぶりの安値水準で4年2カ月ぶりとなる10営業日続落。金よりもさらに好条件での買い場が既に訪れている可能性は高いが、歴史的に見てそうだったと判る為にはかなりの時間を要することに。NY市場での投機的な売り圧力が弱まるにも、もう少し時間を要する可能性も。
週間ベースでは-274円(6.84%)の大幅安で3週続落。週間下落率としては2013年6月半ばの-7%以来、2年5カ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格11/13とチャート
2015年11月13日(金)時点の相場
国内金:4,584 円 11/13(金) ▼13(0.28%)
国内プラチナ:3,729 円 11/13(金) ▼16(0.43%)
NY金:1,081.0 ドル 11/12(木) ▼3.9(0.36%)
NYプラチナ:876.9 ドル 11/12(木) ▼6.2(0.70%)
ドル円:122.61 円 11/12(木) ▼0.25(0.20%)
→11/12(木)のその他主要マーケット指標

←13日の金曜日、小売・PPI下振れで消費も物価も低迷続く 11/14(土)
→過去の変動幅から想定可能な年末までの円安メドと金相場の下値 11/12(木)
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