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★金プラチナ短期相場観★

テロに屈しないマーケット、有事の金も限定的
更新日:2015年11月17日(火)
大変痛ましい事件となった同時多発テロによって、緊張状態と不安が続くパリ市内。非常事態宣言の期間延長要請も伝えられるなか、「テロに屈しない」という市民の声に後押しされるように、金融市場への影響も限定的となりました。フランスのCAC指数はわずか0.08%の小幅安にとどまり、ドイツDAXは0.05%高、英FTSEも0.46%高といずれも3日ぶりの反発となり、米株に至ってはダウもナスダックも1%超の大幅高に。リスク回避の円高も限定的となってドル高へと反発したことを受けて「有事の金」としての買いも限定的となりました。

NY連銀製造業景況指数の推移 2015年11月株高ドル高の反発基調に水を差したのが11月のNY連銀製造業景況指数。市場予想の-5.75を大幅に下回る-10.74となり、4カ月連続の-10以下と依然低迷状態から脱出の兆しは見られません。6カ月移動平均では-8.3となり、昨年11月から13カ月連続の低下でリセッション時の2009年8月以来6年3カ月ぶりの低水準。内訳でも、新規受注は6カ月連続のマイナス、雇用指数は3カ月連続のマイナス。半年先の業況見通しとなる期待指数はプラスながらも20.33となり、2012年11月以来の低水準。景気の現状は良くないけれど、半年先には好転するだろうと見込む企業が結構多い、という状態が4カ月続き、半年先の見通し好転を見込む数は3年前の水準まで減少していることになります。

しかし、この結果にも屈せず、株高ドル高基調は持ち直し、底堅く推移しています。
製造業の不調が続くなか、11月の数値も最初のNY連銀が不調に終わったことで、後続の各地区連銀と全米のISM指数でも状況改善傾向が見られないようなら、市場への影響も限定的とはいかず、12月の利上げ判断に向けても大きなマイナス材料となりそうです。

NY金・日足チャート 2015/10/16 - 11/1616日のNY金相場は0.25%の小幅高となって4日ぶりの反発。「有事の金」として買われたのはアジア時間まで。10日ぶりに1100ドルの大台寸前まで上昇した時点がピークとなり、欧州時間以降は株高ドル高の流れに押されて再び下落基調、長めの上ヒゲを残して元の水準へ。1080ドル台の狭いレンジでの揉み合い状態が続き、ここがサポート水準となって反発へと向かうか、もう一段安の展開か、目先は微妙な状況に。10月15日高値1191.7ドルから11月12日安値1073ドルまでの23.6%戻しとなる1101ドル付近が反発の目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2015/10/16 - 11/16NYプラチナ相場は13営業日ぶりの反発で0.21%の小幅高。金に追随する形で10ドルほど上昇した後は再び下値模索の展開へ。下落局面では一時860ドル台を割り込んで今年最安値更新、なんとか860ドル台半ばまで戻した状態。10月16日高値1026.8ドルからこの日の安値858.2ドルまでの値幅に対する23.6%戻しが898ドルとなり、900ドル付近まで戻りを試すことができれば地合いも変わり始める可能性も。

ドル円・日足チャート 2015/10/16 - 11/16ドル円は0.45%のドル高円安。122円台半ばまでの反発にとどまり、揉み合い状態となっていた東京時間から、反発基調でスタートした欧州株の勢いに後押しされるようにドル高の流れが加速し始めた欧州時間。123円台まで戻した後、NY連銀製造業景況指数の下振れで123円割れへと反落も再び反発、NY時間には123台を維持して1週間ぶりの水準を回復。123円台前半の抵抗線を上抜けるとドル高の流れが加速しやすくなり、早々の124円台到達も見込まれる状況へ。きっかけ次第では125円台への可能性も。下値は122円台半ばが直近のサポートラインとなり、割れると121円台前半までの下押し局面形成へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/16終値とチャート

17日の国内金価格は0.15%の小幅続伸。「有事の金」失速で大幅反発のチャンスを逸したところを円安サポートに救われた形で4600円前後の水準を維持。反発基調継続への目安水準は10月高値から11月13日までの下落幅の23.6%となる4646円。9月の揉み合いと今回の安値圏となる4600円前後の水準を上方向に抜け出すことに。下方向へは、4580円を割り込むと4500円台半ばから前半へと下値余地拡大へ。

国内プラチナ価格は12営業日ぶりの反発となり、0.93%の大幅高。10月高値から昨日までに552円の下落となったことで、反発への道はまだまだ険しそうな状況。目安となるのは23.6%戻しライン3794円。9月末から10月初旬の安値揉み合い水準に相当。サポートラインは3660円。ここを下抜けた場合には3600円台前半が視野に。
※参考:金プラチナ国内価格11/17とチャート

2015年11月17日(火)時点の相場
国内金:4,606 円 11/17(火) ▲7(0.15%)
国内プラチナ:3,698 円 11/17(火) ▲34(0.93%)
NY金:1,083.6 ドル 11/16(月) ▲2.7(0.25%)
NYプラチナ:865.5 ドル 11/16(月) ▲1.8(0.21%)
ドル円:123.17 円 11/16(月) ▲0.55(0.45%)
→11/16(月)のその他主要マーケット指標

←米鉱工業生産は低迷状態続くも製造業は回復の兆しも 11/18(水)
→パリ同時多発テロ後の国内プラチナ価格下値メド 11/16(月)
→13日の金曜日、小売・PPI下振れで消費も物価も低迷続く 11/14(土)
→世界の金需要 2015年第3四半期 11/13(金)

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