地金不足に陥るプラチナ、まだ慌てる必要はない!?
更新日:2015年11月30日(月)
国内プラチナ価格の下落がとまらない状況となり、11月末時点の年初来騰落率は-29.4%に達しています。この下落率は、国内金価格の-8.7%を大きく上回り、NY原油の-21.7%も超え、NYプラチナの-30.8%に次ぐ水準で、急落した2013年NY金相場の年間下落率-28.3%を超えてます。
この影響で日本国内では、プラチナ現物への投資需要の高まりも過熱気味の様子で、地金不足の状態に陥っているようです。一部の販売店ではすぐには入手できないところもあるとか。先日の
WPICの四半期レポートでも第3四半期の日本の地金需要増が指摘されていましたが、第4四半期では、その傾向がさらに進行しそうな勢いです。
長期保有目的でのコインや地金へ殺到する方たちの気持ちもよく解りますが、ここは慌てず、焦らず、少しだけ冷静になって過去の推移や今後の見通しなどを考えてみるのも良さそうです。
世界的な商品市場低迷の波に乗る形で下落基調が続くプラチナは、VWショックの影響でさらにその傾向が強まった感もあり、ディーゼル車の今後の動向次第で長期的な触媒需要減少懸念がしばらく続くのか、徐々に緩和されるのかは、まだ不透明な部分も残ります。需要が急減することはないようにも思えますが、明るいニュースも今のところは聞かれません。さらに、12月のECB理事会やFOMCなどの重要イベントを通過することで、ドル買い金売り、でプラチナも軟調、あるいはその逆パターンか、ある程度今後しばらくの方向性も見えて来そうな状況です。
プラチナ価格の水準としては、リーマンショック後の安値から5400円台の高値までの61.8%戻しラインを割り込みました。過去のサポート水準となっていた3600-3700円台の水準や、近年最安値となっていた2011年12月安値も下回ってきました。
当面の下値メドとしていた3500円割れから3400円台も、もう目前。
少なくとも、1週間後の状況を見てから飛びついても、遅くはないのではないかと思われます。
30日の国内プラチナ価格は3.04%の大幅反落。多少の反発傾向では逆に戻り売り圧力が高まる状況が続くNYプラチナの軟調推移は、今朝の時間外でも830ドルを割れを試す流れとなっており、膠着状態が続く為替動向では国内価格のサポートにはならない状況。今年5回めとなる3%超の大幅下落で2009年7月15日(3513円)以来、6年4カ月ぶりの安値水準。保ち合い傾向の兆しも見られた水準の下限を割り込んだことで、さらなる一段安の可能性は高まり、目先の下値目安としては3480円近辺。
月間ベースでは-604円(14.67%)の大幅反落となり、月間の下落率としては2011年9月(-17.1%)以来、4年2カ月ぶりの大幅安。
国内金価格は1.23%の下落で2014年10月6日(4478円)以来1年3カ月ぶりの安値水準に。週末のNY金一段安に伴い、下落余地と見ていた4500円付近をオーバーラン。流れとしては追加続落よりは目標水準到達に伴う一服感も醸成されやすい状況ながら、NY金に若干の下げ余地も残されている可能性もあり、重要イベントを通過する1週間後に向けては警戒水準として4300円前後までを見ておきたいところ。
月間ベースでは-286円(6%)の大幅反落。
※参考:
金プラチナ国内価格11/30とチャート
2015年11月30日(月)時点の相場
国内金:4,479 円 11/30(月)
▼56(
1.23%)
国内プラチナ:3,513 円 11/30(月)
▼110(
3.04%)
NY金:1,056.2 ドル 11/27(金)
▼13.8(
1.29%)
NYプラチナ:835.8 ドル 11/27(金)
▼8.1(
0.96%)
ドル円:122.80 円 11/27(金)
▲0.23(
0.19%)
11/27(金)のその他主要マーケット指標
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