更新日：2015年12月30日(水)
3年続落が確定的となっている2015年のNY金相場、足下では米国の9年半ぶりの利上げ決定後も安値圏での保ち合い状態が継続中。2016年に向けては、米国の利上げ動向によって、それなりの影響を受ける状態がもうしばらく続くことになりそうです。
NY金相場の年足チャートより、近年の変動値幅から2016年の変動見通しを予想。
2013年以降3年間の年間変動率の平均値は25％。これを現状水準1070ドルに当てはめると、
1070ドル＊25％＝268ドル。
この値幅は2015、2014年、さらには2012年、2007年の値幅とも同水準であり、極端な流れにならない限りは妥当な値幅水準。
１）1070ドルを起点に上下均等に割り振った場合の値幅は936-1204ドル。
２）1000ドルを安値と仮定した場合の値幅は1000-1268ドル。
３）既に大底をつけたと仮定すると、1070-1338ドル。
米国の景気見通しは2016年も好不調の波があり、それなりに振れ幅が大きくなることも予想されます。現状の製造業低迷状態に加え、エルニーニョの影響も警戒され、既に米国内では冬場の異常気象も報道されています。今年と同様、冬場に労働市場低調という流れも十分想定できそうです。
そうなると、年前半は利上げ見通しもかなりスローペースとなり、3月利上げが見送られることにでもなれば、NY金相場は年前半に高値をつけに行く流れも予想されます。
その後、年後半にかけては米労働市場は再び回復し、6月、9月と利上げが行われ、その後の利上げ見通しも徐々にペースが早まることが予想され、金相場の上値を押さえる要因となり得ます。ただし、この場合のNY金相場は既に水準を切り上げており、下落幅はそれほど大きくはならないことも予想できます。
逆のパターンで年初から米景気好調が続くようなら、金相場は若干水準を切り下げる可能性も高まります。
予想としては、前者のパターンを有力と見て、2016年のNY金相場は1000ドル前半から1300ドル付近までのレンジで推移、年前半に乱高下を交えながらの上昇基調、半ばから後半にかけてはやや軟調。
年末までのどこかで原油安の持ち直し、商品市場低迷に歯止めの兆しも見られ始め、年間トータルでは4年ぶりの上昇となっているのではないかと予想します。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場12/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.23％の小幅反発。1年半ぶり安値からわずかに持ち直しの動きで年越し。下押し圧力は強いわけではないが、きっかけ次第で4360円台付近までの下落余地を抱える状態。4490円台を回復できれば流れは好転へ。
週間ベースでは-16円（0.36％）で反落。月間では-38円（0.85％）の続落。年間では-467円（9.52％）の反落。
国内プラチナ価格は1.125％の反発、堅調推移を維持して年越しへ。年明けに流れが変わっていなければ3750円台付近を目指す堅調スタート見込み。下方向には3660円台がサポート水準となり、割り込むと3600円付近までの調整見込み。
週間では+25円（0.68％）で続伸。月間では+194円（5.52％）の大幅反発。年間では-1271円（25.53％）の大幅反落。
※参考：金プラチナ国内価格12/30とチャート
2015年12月30日(水)時点の相場
国内金：4,441 円 12/30(水) ▲10(0.23％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：3,707 円 12/30(水) ▲41(1.12％)
NY金：1,068.0 ﾄﾞﾙ 12/29(火) ▼0.3(0.03％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：891.2 ﾄﾞﾙ 12/29(火) ▲10.4(1.18％)
ﾄﾞﾙ円：120.46 円 12/29(火) ▲0.07(0.05％)
12/29(火)のその他主要マーケット指標
7年ぶり安値水準へと下落したプラチナ相場の2016年予想レンジ 12/31(木)今世紀最低水準の値動きとなったドル円、2016年高値は130円も？ 12/29(火)2015年 ドル買い金買いで国内金価格が大幅上昇した日々 12/28(月)ひつじ辛抱の2015年 それでもドル円相場が大きく動いた10日間 12/26(土)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート＆レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート＆レジスタンスライン