7年ぶり安値水準へと下落したプラチナ相場の2016年予想レンジ
更新日:2015年12月31日(木)
12月3日に7年ぶり安値水準となる825ドルまで下落したNYプラチナ相場は30日までに50ドルほど反発し、870ドル付近。
NYプラチナ相場の年足チャートを確認すると、年間騰落率では2008年以来7年ぶりの大幅下落となり、年間変動率では2009年以来6年ぶりの大幅変動となりました。この6年間では値動きが最大、しかもその値動きがほぼ一方的に下方向へと向かった1年間がようやく終わろうとしています。
2016年も今年の流れが継続するのか、それとも足下の反発基調で流れが変わるのかは判断が分かれるところではありますが、原油安基調に商品市場低迷の状況はそう簡単には変わらないだろう、との見通しも多く、金相場の上値の重い状況、南アランド安がここに来て再び加速の気配を見せる状況からも、プラチナ相場の流れが近々大きく変わる可能性は低いものと推測されます。
加えて
需給面から見ても、VWショックに伴う需要面の懸念が多少拡大したとしても、供給も微増傾向、単年度の供給不足は地上在庫で数年はカバー可能な状況などを踏まえると、水準的な値頃感だけでは反発材料に乏しい状況と言えそうです。
NYプラチナ相場の直近3年間の平均変動率は31%。これを現状の価格水準870ドルに当てはめると、870ドル×31%=270ドル。
上下均等に割り振った場合のレンジは735-1005ドル。
安値を800ドルと仮定すると、800-1070ドル。
2016年のNYプラチナ相場の予想レンジとしては、750ドル前後から1100ドル程度まで、と見ておくのが妥当なところでしょうか。
これに伴い、6年半ぶりの安値水準まで下落した国内プラチナ価格の2016年のレンジは、3200円程度から4500円辺りまで、と予想します。
この12月にプラチナを買いそびれた方にも、もう一度チャンスが訪れる場面はあるのではないか、と見ています。
30日のNY金相場は0.77%安となって3日続落。FOMC以降の12月後半は小動き状態が続いていた流れのなかで、ややドル高進行局面で売られた金は直近のサポート水準1060ドル台後半を割り込んだことで10ドルほどの急落。FOMC直後の17日以来2週間ぶりの安値圏へと水準を切り下げ、その日につけた終値ベースでの今年安値1049.6ドルが意識される状況に。安値トライへの警戒感がやや高まり、最大では1020ドル辺りまでの下値余地も。
NYプラチナ相場は2.26%の大幅反落。金に追随しての急落局面での下げ幅は金を上回る従来の流れ。30ドル超の下落後に20ドル反発する荒っぽさも今年よく見られたパターン。しかし、ここまで堅調推移が続き、調整余地を十分に残していたプラチナは重要なサポート水準860ドル台後半を回復。上昇トレンド継続中の大幅調整にとどめ、910ドル程度までの短期上昇トレンド継続。ただし、再び売り圧力が強まり、860ドル台を割り込んだ場合には短期上昇トレンド終了で今年安値圏への再トライが意識されることに。
ドル円は相変わらずの膠着状態のなかでわずかに上昇し3日続伸。原油相場反落の流れで欧米株も軟調推移となった流れには同調せず、むしろドル高円安基調。120円台前半から半ばまでのレンジに固執する状況はしばらく続き、年明けの雇用統計で好結果なら122円半ばの節目トライへ、ネガティブな結果なら120円を割り込んで大幅調整の展開も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/30終値とチャート
2015年12月31日(木)時点の相場
国内金:4,441 円 12/30(水)
▲10(
0.23%)
国内プラチナ:3,707 円 12/30(水)
▲41(
1.12%)
NY金:1,059.8 ドル 12/30(水)
▼8.2(
0.77%)
NYプラチナ:871.1 ドル 12/30(水)
▼20.1(
2.26%)
ドル円:120.52 円 12/30(水)
▲0.05(
0.04%)
12/30(水)のその他主要マーケット指標
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