米労働市場、JOLTSもイエレン・ダッシュボードでも好調維持
更新日:2016年01月13日(水)
米労働省が発表した2015年11月の雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は543.1万件となり、10月の534.9万件から8.2万件の増加。市場予想の545万件は下回ったものの、統計開始の2001年以来の最高水準を更新した4月以降、530万件超の高水準を8カ月連続で維持。年間平均では532.6万件となり、2014年の457.9万件から大幅増で過去最大水準を更新中。
イエレンFRB議長が労働市場の回復状況を見極めるために注目してきた
イエレン・ダッシュボードの2016年1月版では、全9指標中4指標が回復率100%以上。
リセッション前の水準に100%回復しているのは、非農業部門雇用者数(NFP、前月比増加数3カ月平均)、失業率、求人率、解雇率。
前月から数値が改善したのは、NFP、労働参加率、求人率の3指標。悪化したのは長期失業者の割合のみ、他5指標は変わらず。
各指標の回復目安(100%の基準:リセンション前の水準)と最新の数値は、
NFP:16.2→28.37
失業率:5.0%→5.0%
労働参加率:66.1%→62.6%*
長期失業者の割合:19.1%→26.3%*
U6失業率:8.8%→9.9%*
求人率:3.0%→3.7%
退職率:2.1%→2.0%*
解雇率:1.4%→1.2%
採用率:3.8%→3.6%*
なお、回復率の平均値では前月時点の90.6%から92.0%へと上昇し、過去最高。
回復率100%未達指標(*)のうち、労働市場の活性化を示す指標としてイエレンFRB議長も注目する退職率は10月時点で2.0%まで上昇し、11月も維持、100%回復目安となる2.1%にあと0.1ポイントに迫る状態。
とまらない原油安に低インフレが続き、製造業のリセッション入りも懸念されるなかで、米労働市場の地道な改善傾向だけは続いています。
12日のNY金相場は1%の大幅安となって3日続落。人民元や中国株の混乱一服となるなか、日経平均こそ6日続落となったものの欧州株の反発基調に伴い、リスク回避後退ムードとなって1週間ぶりの1090ドル割れ。短期トレンドはかろうじて上向きを維持、1080ドル台には複数のテクニカルなサポートラインも集中し、比較的支えられやすい水準。しかしここを割り込むと12月の安値揉み合いレンジへと回帰。
NYプラチナ相場は0.91%の続落。終値では昨年安値832.4ドルをつけた12月2日以来の安値水準、安値でも昨年最安値825ドルをつけた12月3日以来となる831ドルまで下げて今朝も830ドル台前半に低迷。年初からのリスク回避地合いで南アランドが対ドルで暴落状態となり、
南アランド建てプラチナ価格が急騰したことによって下落余地が拡大していた状態にもようやく一服感も見られ、NYプラチナの下落圧力も緩和方向へ。
ドル円は0.1%の小反落。リスク回避緩和で117円台後半へと反発した欧州・NY時間、118円ちょうど付近が重く抵抗水準となりつつある様子。原油の一時30ドル割れを受けて117円台前半まで下押しする場面もあり、117円台半ばから後半のレンジで揉み合いを形成する動きに。目先は118円ラインとの攻防とともに円高方向には117円前半を維持できるかどうかが重要なポイントに。割り込むようなら一段安で8月安値を下抜けて、115円割れ辺りまで円高基調が進行する可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/12終値とチャート
13日の国内金価格は0.54%の続落。4日の今年安値4409円から、4500円手前まで急騰して急反落の往って来い。2016年スタートポジションに戻ったことで年末までの下落基調再開か、改めて次の展開へと向かうのか、リスタート。NY金もドル円も小康状態となりつつあることから、目先は安値保ち合い状態有力か。ただし、安値更新なら4300円付近を目指す下落トレンド加速へ、反発時には4500円が強めの抵抗線に。
国内プラチナ価格は0.93%安となって4日続落で2009年7月13日(3400円)以来、ちょうど6年半ぶりの安値水準。足下ではプラチナ安・円高・南アランド安地合いに一服感も見られ、いったんは落ち着く可能性大か。主要株では唯一年初から下落し続けた日経平均も今朝は反発し、7日続落回避見込みとなり、リスク回避後退ムード。NY原油だけが年初からの続落継続中なのが気懸かり。
※参考:
金プラチナ国内価格1/13とチャート
2016年01月13日(水)時点の相場
国内金:4,411 円 1/13(水)
▼24(
0.54%)
国内プラチナ:3,402 円 1/13(水)
▼32(
0.93%)
NY金:1,085.2 ドル 1/12(火)
▼11.0(
1.00%)
NYプラチナ:838.6 ドル 1/12(火)
▼7.7(
0.91%)
ドル円:117.63 円 1/12(火)
▼0.11(
0.10%)
1/12(火)のその他主要マーケット指標
年4回の利上げに耐えられない世界経済、米株のボラはプラチナ並に 01/14(木)米労働市場は初回利上げを正当化、2回め以降は中国と原油次第? 01/12(火)雇用統計の好結果にも中国不安は払拭されず 01/09(土)好調を維持する米労働市場は金融市場の混乱を救うか 01/08(金)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン